近年の日本では、薄毛に悩む女性の数が急激に増加しています。
またその中でも、20代30代といった若い世代の薄毛が増えており、深刻な問題になっているのです。
しかし、なぜ本来であれば髪のトラブルが少ないであろう若年層の女性の薄毛が増え続けているのでしょうか。
そこで今回は、その原因や解決策に関して調べてみました。
ダイエットが薄毛の原因に
若く健康に見える女性であっても薄毛に悩んでいるというケースは少なくありません。
その理由の一つとして挙げられるのが、ダイエットの影響です。
バランスのよい食事を摂りながら行う健康的なダイエットであれば問題ないのですが、薄毛を引き起こすと言われている食事制限中心のダイエットは身体に大きな負担をかけていることが多く、薄毛の原因になりかねないのです。
特に危険なのが、食事を極端に制限し、短期間に痩せようとするダイエットです。
こういった過度な食事制限によってダイエットを行うことで、身体はカロリーだけでなく栄養も不足してしまうのです。
そのため健やかで豊かな髪に必要となる栄養分が十分に行き渡らなくなり、脱毛を引き起こすと言われています。
また頭皮への栄養が行き渡らなくなることによって頭皮環境も著しく悪化していきます。
栄養の不足した状態の頭皮は血行が悪くなり皮脂の分泌量が低下し、水分と皮脂のバランスが崩れるため乾燥するようになります。
また髪の主成分となるケラチンの生成に欠かすことのできないタンパク質の摂取量が少なくなることで髪のサイクルが乱れ、本来であればまだ頭皮に残るはずの髪が抜け落ちるだけでなく、新しい髪の製造までもが止まってしまうのです。
さらにダイエットによって十分な栄養を摂取できない状態が長期間続くと、女性ホルモンや自律神経の乱れにも繋がっていきます。
女性ホルモンは私たち女性の美と健康に欠かせないホルモンで「エストロゲン」と「プロゲステロン」の2種類に分類され、月経の周期とともに一定の分泌量を保っています。
この2種類のホルモンの中でもエストロゲンは、頭皮や髪に必要なコラーゲンの生成を促し、髪をつくり出す毛母細胞を刺激する作用があると言われています。
またプロゲステロンは成長期に入った髪のサイクルを保つ役割りを果たしてくれるため、どちらも女性にとって大変重要なホルモンなのです。
しかしダイエットによって栄養が不足することでエストロゲンの分泌量は一気に減少していき、2つのホルモンのバランスが崩れてしまうのです。
エストロゲンは脳の指令によって分泌されているのですが、栄養不足によって脳が十分に働かない状況が続くことで分泌の指定を出さなくなり、ホルモンの分泌量自体の低下に繋がってしまいます。
本来であれば20代から30代は、このエストロゲンの分泌量がピークの時期にあたるため、ホルモンバランスが原因で起こる抜け毛や薄毛は発症しにくいのですが、過度なダイエットによって20代の若い世代もホルモンに起因する薄毛が増加しているのです。
ヘアカラーや髪型で薄毛になる場合も
若い世代の薄毛の原因としても考えられるもう一つの理由としては、ヘアカラーや髪型が挙げられます。
現在では様々なヘアカラーで個性を演出したりお洒落を楽しむ女性が多いですが、実はこのヘアカラーも薄毛の原因になりえるのです。
カラーリング剤は髪の表面に存在するキューティクルをはがし、髪内部のタンパク質の結合を弱める働きをするため髪へのダメージは計り知れません。
またカラーリング剤は髪だけでなく、頭皮にもダメージを与えます。
カラー剤には多くの化学物質が含まれて入るため、頭皮に付着することで頭皮が炎症を起こしやすく、薄毛や白髪といった髪トラブルの原因になるのです。
さらにヘアカラー剤が頭皮に残ることで頭皮の毛穴に薬剤が詰まり、細菌の繁殖や皮膚の炎症を引き起こすと言われています。
ヘアカラー剤が引き起こす皮膚の炎症は、アレルギー性接触皮膚炎や刺激性接触皮膚炎といったものが挙げられ、多くのカラー剤に含まれている酸化染料が原因なのだとか。
こういった皮膚炎の症状があらわれてしまった場合は、すでに頭皮にかなりの負担がかかっていることが多いため、すぐに医師の診察を受ける必要があります。
また、髪型のよって引き起こされる薄毛も存在します。
ポニーテールやお団子といったまとめ髪は若い女性を中心に人気がありますが、実は薄毛に陥りやすい髪型だと言われています。
というのも、長期間髪を束ねたり引っ張ることによって牽引性脱毛を引き起こしやすくなるのです。
牽引性脱毛は結髪性脱毛とも呼ばれ、髪が一定の方向に引っ張られ続けることで発症します。
なぜ髪を引っ張ることで脱毛するかというと、頭皮全体が血行不良の状態に陥り毛母細胞や毛乳頭などの衰えを招いたり、栄養分や酸素が頭皮に行き渡らなくなるためだと言われています。
こうなることで徐々に頭皮や髪が弱っていき、生え際を中心に脱毛が進行してしまうのです。
また、同じ髪型を続けることも薄毛の原因になります。
何年も同じ髪型や分け目を続けることで、髪の一部分にのみ負担がかかり続け、抜け毛が発生してしまうのです。
さらに同じ分け目を続けることで、その部分が集中的に紫外線ダメージを負うため、皮脂と水分のバランスが乱れ、脱毛を引き起こしてしまいます。
最後に、女性に大人気のエクステも薄毛を招くと言われているため注意が必要になります。
エクステは自分の髪に数本の付け毛を結びつけるため、頭皮や地毛に大きな負担がかかります。
また洗髪する際も髪の量や長さがあるため清潔に洗いあげられないケースも多く、汚れが毛穴に詰まり頭皮環境を悪化させ脱毛に繋がることも多いものです。
薄毛を解決するには
過度なダイエットやヘアカラー・髪型などが薄毛の原因になることはお分かりいただけたと思います。
では具体的には、どういった解決策があるのでしょうか。
こちらではその方法をご紹介したいと思います。
まず1つ目の解決法は、食事内容の改善です。
過度な食事制限によるダイエットをしている女性は、果物やサラダのみといった食生活になりがちです。
しかし薄毛を予防・改善するためにはバランスのよい食事をとる必要があります。
ダイエット中の女性であっても積極的に取り入れるべき食材の一つに、豆腐が挙げられます。
豆腐は低カロリーなのに加え、髪のもととなるケラチンを生成する際に必要なタンパク質が豊富に含まれているため、健やかな髪を作ってくれる食品なのです。
また豆腐や納豆といった大豆製品には女性ホルモンに似た働きをしてくれる大豆イソフラボンが豊富に含まれているため、ダイエット中にもっとも適した食品と言えるのです。
また鮭やイワシ・ニシンといった魚類には良質なタンパク質だけでなくビタミンB12や鉄分といって栄養分が詰まっているため、頭皮や髪の水分と皮脂とのバランスを整えるのに役立ってくれます。
さらにニンジンやレタスといった緑黄色野菜や、レモンやイチゴといった果物には、健やかな髪にかかすことの出来ないビタミンやミネラルが豊富に含まれているため積極的に摂るよう心がけましょう。
しかしこういった栄養を毎日の食事で摂るのが難しいという方もいらっしゃると思います。
そういった方はサプリメントなどを併せて使うことで栄養を補うようにするといいでしょう。
2つ目の薄毛解決方法は、髪の負担を減らすことです。
カラーリングやパーマ・エクステといった施術を頻繁に行っていた方は、少なくとも2か月から3か月の間を空け、十分に頭皮を回復させから次の施術を受けるようにしましょう。
また、同じ髪型を続けている方は気分転換も兼ねて、違う髪型にチャレンジしてみることをおすすめします。
若い女性に増えているという薄毛。
しかしその原因を理解し、きちんと対策をすれば豊かで健康な髪を取り戻すことも可能です。
今からでも遅くはありません。
今までの習慣を見直して、豊かな髪を目指しましょう。