日本でも喫煙の危険性が大きく取り上げられるようになり、禁煙する人の数は多くなりました。
それでも喫煙している人の数は一定数存在していますが、さまざまな面にリスクを抱えているのを忘れてはいけません。
健康に対する影響があるのは当然ですが、薄毛にも繋がるとしたら、そのまま吸い続ける気持ちがあるでしょうか。
喫煙とリスク
愛煙家などと呼ばれることがありますが、タバコを吸うこと自体は禁止されているわけではありません。
喫煙することの権利は当然ありますが、健康に大きな影響を与えるため、禁煙する人も増えました。
健康だけではなく、薄毛の原因を作り出すとしたら、辞めようと思う人も多いはずです。
タバコを吸ってしまう理由として、ストレスの解消をあげる人もいますが、吸わない人がストレス発散できていないわけではありません。
他の手段を持っているからこそ、タバコに頼る必要はないのです。
集中力を保つといっても、タバコを吸わない人が集中できていないわけではないでしょう。
つまり、タバコを吸いたいという理由を正当化したいだけであり、理由は後付でしかないのです。
そのようなたばこによって薄毛になるとすれば、自業自得と呼ぶ人もいるかもしれません。
しかし、これをきっかけに止められるとしたら、精神的な部分としても将来に影響するリスクを減らせる可能性が高まるのです。
血管を収縮させることの影響
タバコを吸うことが与える影響は何かから考えていく必要があるでしょう。
タバコを吸うことによって、体の中にはニコチンとタールが入ってきます。
この中でニコチンは血管を収縮させる働きを持っているのです。
豆知識として怪我をした時にタバコの葉を崩しガーゼなどで包み、出血している場所に当てると止血できるといった話を聞いたことがある人もいるでしょう。
これも血管を収縮させる効果を利用したものです。
もちろん、そのままつけてしまうと悪影響を与えるので、できれば香料の入っていないものを使うべきですが、実際にはそんなにうまくいくものではありません。
血管を収縮させることによる影響も考えてみる必要があるでしょう。
人間の体の中で血管を収縮させると、血液の流れは悪くなります。
細くなるのですから当然ですが、血液は栄養を運び、老廃物などの不要なものを排出してくれる大事な役割があるのです。
頭皮のように毛細血管が通っている場所で血管の収縮が起こると、血液の流れは途端に悪くなります。
栄養も届きにくくなり、老廃物も排出しにくくなれば、髪が生えていくサイクルも乱れが生じるのは当然です。
薄毛につながる可能性を自ら作り出していると言い換えることもできます。
体に重大な影響を与える活性酸素の発生
喫煙者には、活性酸素の影響が強くあらわれることも分かっています。
老化を進めてしまう活性酸素は、薄毛にも非常に大きな影響を与えるポイントです。
アンチエイジングの対象としても知られていますが、活性酸素自体はなくては困る存在ではあるものの、必要以上に体の中に存在してもらっては困ります。
活性酸素がただ問題になるだけではなく、タバコに含まれているタールといった発がん性物質と結びつく可能性が指摘されるようになりました。
大量にできてしまうとがんになる可能性が一気に増大することになるでしょう。
活性酸素自体は、体の中に入ってきた異物を攻撃する役割を持っています。
ところが、自分の体の細胞膜も攻撃してしまう特性を持っているのです。
これが修正できるレベルであれば何ら問題はありませんが、大量に発生してしまえば追いつかなくなります。
この作用から体を守るために抗酸化作用のある物質が使われることも、薄毛に影響するポイントです。
それがビタミンCやビタミンEになります。
タバコを吸う人がビタミンCの消費が激しいというのはよく知られるようになりましたが、頭皮でコラーゲンを作るためには欠かすことができない栄養素です。
コラーゲンと言うと肌ばかりに注目がいきますが、髪の根元の部分で支えているのが毛包幹細胞です。
この周りにあるのがコラーゲンになるため、不足していくと抜け毛が増えてしまいます。
髪を育てる根幹的な部分が不足するため、成長にも影響が出るのです。
ビタミンEは、細胞の老化を防ぐために欠かすことができません。
髪は毛母細胞が細胞分裂して生み出しています。
この細胞が老化してしまえば、やがて機能を失い髪が作り出せなくなるでしょう。
このように活性酸素が過剰となれば、薄毛になるのも必然といえます。
悪玉コレステロールと発毛の関係
喫煙者の体の中には、悪玉コレステロールが大量に発生することも分かっています。
名前の通り体に悪影響を与える存在ですが、コレステロールが全て悪玉なわけではありません。
体を支えていくために大事な栄養素なのですが、悪玉コレステロールは動脈硬化などに影響を与えます。
血液の流れが悪くなる原因を作るため、発毛の邪魔をしてしまうのです。
悪玉コレステロールが増えた結果がいきなり髪が大量に抜けることはありませんが、徐々に影響が現れてきます。
血液の流れが悪くなったことで髪の成長が遅れ、毛根部分で後からも失いやすくなるため、簡単なことで抜けてしまう状態も起きるでしょう。
注目されるようになったのが悪玉コレステロールとタウリンの関係です。
悪玉コレステロールが増えると同時にタウリンの生成も増加することが分かっています。
タウリン自体は悪いものではなく髪の成長にも重要な役割を持っていますが、問題なのはこの時に本来紙が作られるために必要なアミノ酸を消費してしまうことです。
髪が生えるために必要な栄養素を使ってしまうので、タウリンがいくら発毛を手助けしてくれても意味がありません。
もちろん、栄養不足もきたすため、全体的に見てマイナスしかないのです。
タバコをやめられないのは病気である
タバコを吸うことは、百害あって一利なしです。
何もいいことはありません。
いいと思っていることは、デメリットがあまりにも大きくメリットと思っていることも勘違いであり、代替えとして他に対応できるものはいくらでも存在するからです。
タバコをやめられない状態は、病気として認識される国も出てきました。
病院で医師が対応してくれるのも、病気として扱われている証拠です。
実際にニコチン依存症であり、どこかで断ち切るような方法が必要となります。
日本でも禁煙外来が存在するように、辞めようと思うのであれば手段はいくらでも出てきました。
問題は辞めようという意志の強さであり、髪が薄くなってもいいと思うかどうか自分に問いかけてみると良いでしょう。
タバコを辞めることは努力によって達成が可能です。
しかし、薄毛になってしまえば、髪を生やすのは努力によってもそうそう達成できません。
体の中に大きな影響を与えてしまった状態で、改善するまでには長い時間をかけて行かなければいけないからです。
将来、自分の髪が薄くなり外見的にもストレスを感じるようになった時、辞めておけばよかったと思っても遅きに失します。
1日でも早く辞めてしまうことが、薄毛対策としても健康状態を守るためにも大事な行動と言えるでしょう。
まとめ
タバコを吸っていていいことは何もありません。
危険性があまり知られていなかったことが、多くの喫煙者を生んだのも確かです。
現在はリスクを認識できる世の中となった以上、自ら薄毛になりやすい体を作るか、毎日健康な生活を送れるようにするかどうかの判断が求められています。