人には多少の抜け毛があり、髪が数十本一気に抜けたとしても「そんなに気にしなくて大丈夫だから!」とよく言われます。
しかし実際、髪の毛が抜けるのは様々な理由がありますが、なかには病的なことが原因のこともあります。
そのためあまり毛が抜けるようであれば、病院に行ったほうが良い場合もあるのです。
とはいえ、どのようなことを目安にして受診すればよいのか悩んでしまいますよね。
そこで今回は、抜け毛が気になった時に注意したい薄毛の種類や、受診先についてご紹介していきます。
大量の抜け毛に悩む方は必見です。ぜひ参考にしてくださいね。
Contents
抜け毛による薄毛の種類とは?
シャンプー後、排水溝にゴッソリと髪が抜けていたり、床にバサッと抜け毛が落ちていたりする…。
女性で髪の毛がそのように大量に抜けることがあれば、「私って病気かも…?」なんて考えてしまうものですね。
確かに抜け毛には異常な抜け毛として注意が必要な抜け毛もあり、それには様々な種類があります。
そこでここでは、様々な薄毛の種類についてみていきましょう。
今、薄毛に悩んでいる方はもしかしたらあてはまる状態の薄毛があるかもしれませんので、自分の抜け毛と照らし合わせてみてください。
びまん性脱毛症
びまん性脱毛症の特徴は、髪の毛が全体的に薄くなり、地肌が透けて見えて分け目が目立つ状態になることです。
そのためボリューム感が減り、頑張ってヘアスタイリングをしても、ヘアスタイルが決まりにくくなります。
原因としては、加齢により女性ホルモンが減少し、ホルモンバランスが乱れることが挙げられます。
さらに女性ホルモンよりも男性ホルモンの働きが優位になり、FAGA(女性男性型脱毛症)が引き起こり、薄毛になることも原因の一つです。
また、びまん性脱毛症は、若い世代でも抜け毛を引き起こすことがあります。
原因はストレスや生活習慣の乱れ、ダイエット、頭皮にかかる負担などです。
びまん性脱毛症を引き起こさないためには、ストレス解消法を見つけたり、生活習慣を整えたり、無理なダイエットをしないことが大切です。
そして頭皮環境を整える必要があります。
粃糠性脱毛症
個人差はありますが、灰白色の乾燥したフケやベタつきのあるフケが大量に発生して抜け毛を引き起こす状態です。
粃糠性脱毛症が引き起こる原因は、頭皮に炎症が生じたためですが、その炎症の原因はホルモンバランスの乱れ、ストレス、生活習慣の乱れなどが考えられます。
では、なぜ炎症を引き起こすのかと言えば、それは大量発生したフケは毛穴を塞ぎ、頭皮に存在する菌が異常繁殖して頭皮に炎症を起こさせるからです。
そのため頭皮環境は悪化し、ヘアサイクルが乱れて抜け毛を引き起こしてしまいます。
抜け毛があり、かゆみを伴い、しかも大量のフケがポロポロと出る症状は女性としてはつらい状態の抜け毛となりますね。
しかし、だからと言って力を入れてゴシゴシとシャンプーをすることは、頭皮を傷つけて症状を進行させる恐れがあります。
シャンプーでは低刺激のシャンプーを使い、優しくマッサージをするように洗浄することが大切です。
脂漏性脱毛症
頭皮にベタつきがある、異常なフケの発生、強い痒みや痛みがある、赤みがあるなどの症状が引き起こり、なんらかの原因により皮脂が過剰分泌されます。
すると過剰分泌された皮脂により、菌が異常繁殖して毛穴や毛穴周辺には炎症が引き起こることになります。
つまり脂漏性脱毛症は、髪の毛が成長するための大切な毛穴や毛穴周辺にダメージが与えられるため抜け毛を招くのです。
原因にはホルモンバランスの乱れ、乱れた食生活、睡眠不足、シャンプーのし過ぎなどが考えられます。
脂漏性脱毛症も粃糠性脱毛症同様、抜け毛のほかに大量のフケや頭皮の痒みに悩まされますので女性にはつらい症状ですね。
このような症状にはシャンプーでしっかりと防ぎたくなりますが、洗いすぎには気を付けなければなりません。
そしてベタつきのある頭皮やフケを防ぐために脂っこい食べ物を控えたり、ホルモンバランスの乱れを防いだりするために十分な睡眠をとることが大切です。
分娩後脱毛症(産後脱毛症)
分娩後脱毛症は、出産後に引き起こる抜け毛です。
2~3か月後をピークとして抜け毛が増えるのですが、原因は女性ホルモンバランスの変化によるものや、女性ホルモンとヘアサイクルの関係によるものです。
女性ホルモンは妊娠後大量に分泌されるようになりますが、髪の毛は女性ホルモンによってボリュームや美髪を維持します。
特にボリュームについてはエストロゲンが影響しますので、妊娠中には抜け毛が気になりません。
しかし、分娩後には女性ホルモンの分泌が急激に減ってしまいますので、抜け毛も引き起こりやすくなります。
また、エストロゲンはヘアサイクルとも深い関りがあり、エストロゲンの分泌量が妊娠中に増えるとヘアサイクルの成長期が通常より長くなります。
ところが分娩後にはエストロゲンの分泌量が減少することに伴い、ヘアサイクルの成長期から休止期に入るのです。
そのため抜け毛が増えてしまいます。
愛おしい赤ちゃんを抱っこしながら抜け毛を目の当たりにするのは、悲しいものですね。
しかし、この抜け毛は出産後半年~1年程度で落ち着きますので、それまではバランスの取れた食生活を心がけ、ストレスをため込まないようにしましょう。
牽引性脱毛症
牽引性脱毛症は、髪を引っ張るポニーテールのようなヘアスタイルが多かったり、引っ張ってエクステを付けたり、ヘアアイロンを使用したりという方に多く引き起こります。
また、いつも同じ場所に分け目を作っている方も分け目が目立ち、地肌が透けて見える状態になることもあります。
髪が引っ張られることで頭皮に負担がかかり、頭皮がダメージを受けたため血行が悪くなり、頭皮や髪へ栄養が行き届かなくなるからです。
引っ張られている部分のボリューム感が減ることが特徴ですが、改善するためには髪の毛が引っ張られる状態を減らすことです。
例えば髪を結ばないヘアスタイルに変えるとか、エクステをやめるとか、分け目を変えてみるなどですね。
そして頭皮の血行を良くするために、頭皮マッサージを優しく丁寧に行うことが大切です。
円形脱毛症
円形脱毛症は、髪が抜け落ちて地肌が丸く見える状態です。
10円ハゲとよく言われますが、髪が抜けるのは抜け落ちる箇所が1か所の単発型、複数の多発型、全部抜ける全頭型があります。
ほかにも後頭部や側頭部の生え際が細長く抜ける蛇行型や、全身の毛が抜ける汎発型もあります。
原因は様々ですが、主には免疫細胞の働きに異常が起きて、免疫細胞が毛根を攻撃するために起こる自己免疫疾患が挙げられます。
また、自己免疫疾患以外にも精神的なストレスや遺伝、アトピー性皮膚炎、女性ホルモンの減少なども原因となることがあります。
円形脱毛症の場合には地肌がはっきりと見えますので、女性としてそのままの状態にしておくことは何としてでも避けたいですね。
そのため自然に治ることもありますが、早い回復を目指すのであれば病院での治療を受けることをおススメします。
薄毛が気になった時に受診は必要?
抜け毛には様々な種類があり、抜け毛の状態をそのままにしておいても良い場合やなんらかの方法を取らなければならない場合があります。
とはいえ、自然脱毛と違った理由で抜ける抜け毛は大量に抜けたり、薄毛がかなり気になったりするケースが多いです。
そのため早めの改善を目指すためには、受診して治療を受けることをおススメします。
では受診するためにはどの科にかかればよいのかと言えば、それぞれの要因により受診する科が違います。
例えばフケが気になったり、湿疹があったりするように頭皮環境に問題があると考えられる場合には、皮膚科です。
ストレスが原因と考えられる場合には、心療内科が適しています。
また、分娩後脱毛症の場合には産婦人科ですし、円形脱毛症のように自己免疫疾患が関係する場合には、内科を受診することが必要です。
ただ、要因がはっきりない場合がありますよね。
そのため抜け毛の症状がひどい場合や自然な改善がなかなか見られない場合には、抜け毛や薄毛治療専門の脱毛症専門外来が良いでしょう。
そうすれば、すべての抜け毛に対しての対応ができますので安心して治療に臨めます。