女性の薄毛

猫背が女性の薄毛を招く!姿勢を正してアンチエイジングしましょう

日本人、特に女性に多いといわれる「猫背」。

見た目にあまり良いものではありませんが、実は健康にも大きな影響を与え、それが髪の成長を止めてしまう原因にもなっているのです。

猫背の女性は、薄毛に悩むようになる前に姿勢を正しましょう。

猫背の5つのタイプ

猫背は、その名の通り猫の背中のように背中が丸くなることからつけられた名前です。

猫背にはいくつかのタイプがあります。

首猫背(顔出し型)

頭が身体の中心から逸れ、前に出ているタイプで、近年非常に増えています。

スマホやタブレットの操作などで、長時間下を向いた姿勢を取っているとなりやすく、首の骨が真っ直ぐになってしまうことから「ストレートネック」あるいは「スマホ首」と呼ばれます。

首の骨は本来湾曲しており、このカーブによって頭の重みを分散できるようになっています。

しかし頭が前に出ていると5キロ前後はある頭の重みが不自然な形で首にかかり、骨が真っ直ぐになってしまうのです。

顎猫背(顎出し型)

首猫背と似たタイプに、顎猫背があります。

顎だけが前に突き出しているタイプで、目線は真っ直ぐです。

パソコンの画面をよく見る人がなりやすいです。

背中猫背(円背型)

一般的にいわれる猫背で、背中が湾曲している状態です。

また、背中が丸くなるとバランスを取るために腹部が前に出てしまいます。

反り腰猫背

一見猫背には見えないタイプです。

背中は丸まっていないのですが腰が前に突き出しています。

ハイヒールを履く人に多い猫背です。

腰猫背

座っている時、背中より腰が大きく曲がっているタイプの猫背です。

デスクワークで座りっぱなしの人や脚を組む人などに起こりやすい猫背です。

前肩型(巻き肩)

肩の骨(上腕骨、肩甲骨)が前方内側に入り込んだタイプです。

骨が徐々に移動して胸のほうに引っ張られた状態になることで起こります。

デスクワークやスマホ、ゲーム機の長時間使用などによって起こります。

猫背が薄毛を招く原因

猫背が薄毛を招く原因はいくつもあります。

一つずつ解説しましょう。

・首の筋肉が緊張し血管を潰す
首の骨の湾曲は、頭を無理なく支えるためのものです。

しかし首猫背や顎猫背になると首に無理な力がかかるため、湾曲がなくなってストレートネックになります。

また、頭の重みが首だけにかかるため、その重みから首から肩にかけての筋肉が緊張し硬くなります。

するとその下にある血管が潰されてしまうため、血行が悪くなり、首から上に届きにくくなります。

その結果、頭皮が栄養不足になり、髪が育ち¥にくくなるのです。

・後頭下筋群が硬くなり頭頂部が固くなる
後頭下筋群とは、首の深部から後頭部下部につながる大後頭直筋、小後頭直筋、下頭斜筋、上頭斜筋のことです。

これらの後頭部の筋肉と、頭部横の側頭筋、そして前頭部の前頭筋の3つが、頭頂部の帽状腱膜という膜につながっています。

頭頂部には筋肉がなく、この腱膜が動くことで頭頂部の柔軟性を保っているのです。

しかし、首や顎が不自然な形で固定されてしまうと、後頭下筋群がほとんど動かなくなるため、帽状腱膜も固まってしまいます。

その結果、血管を圧迫して血流が悪くなり、特に頭頂部が薄毛になりやすくなるのです。

・自律神経が乱れて血管が収縮する
自律神経には交感神経と副交感神経がありますが、交感神経は脊髄、副交感神経は脳幹と脊髄から出ていて、首を通って背中、腰へと通っています。

そのため、猫背になると自律神経が圧迫されやすくなります。

しかも首猫背や顎猫背の場合首に非常に負担がかかり、自律神経のバランスが乱れてしまいます。

筋肉が緊張すると交感神経のほうが優位になり、血管が収縮して血流が悪くなってしまうのです。

その結果、頭部に充分な栄養が届かなくなります。

・自律神経が乱れると女性ホルモンの分泌量が減ることも
自律神経と女性ホルモンの分泌は、同じ脳内の視床下部という部分でコントロールされています。

そのため、自律神経が乱れるとホルモンバランスも崩れやすくなります。

女性ホルモンのエストロゲンには、髪の成長を促進する作用があります。

そのため、このホルモンの分泌量が減ると、髪が成長途中で抜けてしまうこともあるのです。

・全身が酸欠状態になる
猫背になると胸部が縮こまるため、呼吸が浅くなります。

すると充分な酸素を取り入れられなくなるため、全身が酸欠状態に陥ります。

皮膚の新陳代謝は酸素がなければできないため、頭皮に古い角質が残ったままになり、硬くなって血管を圧迫します。

さらに、皮膚の健康を維持するセラミドやコラーゲン、エラスチンなどの成分も作られにくくなるため、頭皮が老化してしまうのです。

・側頭部上部が薄毛になったら眼精疲労が原因かも
スマホやパソコン、ゲーム機などは、首や肩だけでなく、目の筋肉も緊張させてしまいます。

すると目の周りの毛細血管が圧迫されて血行が悪くなり、目の周りから側頭部にかけて薄毛になりやすくなるのです。

・背骨の歪みが女性ホルモンの分泌に影響を与えることも
猫背になると背骨も丸くなり、歪んできます。

すると背骨を支える骨盤も歪み、前傾あるいは後傾します。

すると卵巣が潰されて、女性ホルモンの分泌量が減ってしまうことがあります。

前述のように、女性ホルモンは髪の毛の成長を促す役割があります。

そのため、分泌量が減ると髪の毛の寿命が縮まってしまい、細毛のまま抜けやすくなるのです。

姿勢を正して薄毛を予防するには

猫背がクセになっていると、治すのは簡単ではありません。しかし、ただでさえ見た目が老けてしまうのに、髪まで老けてしまうのは困りますよね。
そこで、以下の改善方法をご紹介しましょう。

<座り方>
①お尻を椅子の一番奥につけるようにして座る
②背筋を伸ばし、顎を引いて正面を見る
③椅子を肩の力が入らない高さに調整する
④パソコン使用時は、ディスプレイから40センチ程度離す

パソコンを使用する時は、モニター画面を少し低めにしましょう。

高すぎると目が常に開いた状態になるためドライアイになりやすく、さらに目の周りの筋肉が緊張して血行が悪くなってしまいます。

<立ち方>
①お尻の穴をきゅっと締める
②下腹部を軽く引き締める
③目線は真っ直ぐ前を向く
④肩に余計な力が入らないようにする

ポイントは、お尻の穴を締めることです。

これだけで腰から下が安定し、上半身の無駄な力が抜けやすくなります。

<歩き方>
①しっかり前を見る
②背筋を伸ばし、肩を後ろにぐっと引いて、腕は自然に振る
③膝が伸びないよう注意する
④後ろ足の親指で地面をしっかり蹴り、前足はかかとから着地する

また、荷物を持つ時は、片方だけでなく左右に交代しながら持つ、ショルダーバッグを同じほうの肩ばかりに掛けないといった、日常のクセを見直すだけでも随分変化します。

<運動編>
仰向けに寝て手を思い切り伸ばす
・バスタオルを丸める
・床の上に仰向けの姿勢で寝て、丸めたタオルを肩甲骨の下に置く
・そのまま足から一直線になるように両腕を伸ばす
・このポーズのまま1分程度キープする

このストレッチをすると、肩付近に停滞していた血液が全身に広がって温かくなります。

できるだけ顎は引くようにしてください。

腰に手を置き上体を反らせる
・足を前後に肩幅程度に開き、腰に両手を置く
・顎を上げ、手で腰を押して上体を思い切り反らす。体重が前の足にかかり、後ろ足のかかとが自然に浮くようにする
・このポーズを10秒維持し、元の姿勢に戻る
・これを3回繰り返す

膝が曲がってしまうと効果が薄れるので、必ず膝が真っ直ぐになるよう意識しましょう。

まとめ

今回は猫背と女性の薄毛に関する問題を解説しましたが、猫背は背骨や骨盤まで歪ませるため、転びやすくなったり圧迫骨折しやすくなったりと、様々な不調が起こりやすくなります。

また、血管が圧迫されるため、全身が栄養不足と酸素不足に陥り、内臓機能低下も考えられます。

一度ついてしまった猫背グセを治すのは時間がかかりますが、凝り固まった筋肉が柔らかくなれば、骨も徐々に正常な形に戻っていきます。

あきらめず、正しい座り方や立ち方、歩き方を毎日の生活の中に取り入れましょう。