40代~50代の女性の多くが悩んでいる抜け毛。近年では10代~20代でも徐々に毛髪量が薄くなったり、一部分的に脱毛で悩んでいる方も多いです。
そこでこの記事では抜け毛の悩みを解明するべく、抜け毛による脱毛の種類とその見分け方をご紹介していきます。
もしあなたが抜け毛・薄毛に悩んでいるのであれば、それは病的な脱毛症の可能性がありますので、自分の症状と見比べて、それに合った対策をしましょう!
髪の毛のメカニズム
髪の毛は、生まれた時からずっと伸び続けている者ではなく、周期をもっていて、ある期間成長を続けた後、自然脱毛し、またしばらくすると生えてきます。
これを毛周期と呼んでいます。髪の毛の成長が最も盛んな時期を成長期、成長を停止して毛球部が萎縮していく時期を退行期、完全に成長を停止している時期を休止期と呼びます。
毛周期
成長期は4~6年で、成長期毛が全体に占める割合は、85%~90%といわれています。退行期は2~3週間、休止期は3~4か月です。
髪の毛全体に占める割合が、退行期毛、休止期毛合わせて10%~15%になります。この時期に髪の毛は自然脱毛していきます。
日本人の場合、男性は3年から5年で、女性は4年から6年で毛が抜け変わるといわれているのです。
自然に発生する抜け毛は1日50本~100本
上記のように、退行期~休止期の髪の毛が10%~15%ですから、髪の毛の総本数が10万本だとすると、3~4か月の間に約1万本の休止期毛が抜けることになります。
一日当たり約100本です。
一方、毛周期を5年として、10万本がこの期間に生え変わると計算すると、一日に約55本が抜ける計算になります。
したがって、生理的に自然に起きる脱毛は、1日当たり50~100本と考えられます。
季節の変化や体調、生活環境の変化により多少左右されますが、この範囲なら心配ないでしょう。
抜け毛による脱毛の種類の見分け方
脱毛には生理的な自然に起きる脱毛(自然脱毛)以外に、何らかの原因で病気を患って脱毛する異常脱毛があります。
髪の毛を無造作に引っ張ると、そこまで力を入れなくても簡単に抜けてしまう髪の毛があります。
これには退行期や休止期に入っている髪の毛が自然脱毛してしまったものや、何らかの原因で病的に異常脱毛してしまったものがあります。
自然脱毛か異常脱毛かを見分けるためには、毛根の状態を観察することでわかります。
自然脱毛
自然脱毛は、毛根の形がマッチ棒のようになっています。
成長期にある健康的な髪の毛を無理に引き抜くと、毛根の周りに白い付着物がついていたり、毛根自体が太くて丸い状態です。
このような毛根の状態であれば、自然脱毛といえるでしょう。
異常脱毛
異常脱毛の毛根はマッチ棒などではなく委縮していたり変形していたりするので、すぐに判別できます。
毛根の先端が黒く先細っていたり、白い付着物がついていなかったりすると、何らかの脱毛症を引き起こしている可能性があります。
異常脱毛の種類
病的な異常脱毛の原因には、内因性と外因性のものがあり、また様々なタイプがあります。
一般的に分類すると、休止期毛の異常脱毛には、男性型脱毛症(AGA)や産後の抜け毛、ダイエットによる脱毛などがあります。
成長期毛の萎縮による異常脱毛には、円形脱毛症や圧迫による脱毛、薬剤(抗がん剤)の副作用としての脱毛があります。
そのほかにもさまざまな病的な異常脱毛の種類がありますので、それぞれの特徴や原因を見ていきましょう。
男性型脱毛症
男性型脱毛症は、いわゆる若ハゲといわれ、男性の発症が大半です。症状としては前頭部から後頭部にかけて脱毛したり、前頭部が後退していくのが特徴です。
早い場合は10代後半から脱毛が始まり、30代からは急激に増加します。メカニズムとしてはヘアサイクルが何らかの原因によって乱され、髪の成長期が短くなり、長く伸びなくなります。
そして細くて短い髪の毛が脱毛してくるのですが、近年で同じメカニズムで発症する女性男性型脱毛症(FAGA)に悩む方も増えています。
頭髪は女性ホルモンが支配しているため、男性ホルモンの影響を受けて脱毛が進むともいわれています。
対処方法としては頭皮を清潔にし、育毛剤などで血行を促進させて少しでも成長期を長くするとともに、休止期から直ちに成長期へ移行させることが第一です。
円形脱毛症
円形脱毛症は、突然、円形または楕円形に脱毛し、重度の場合は頭髪全体、あるいは全体の毛が脱毛することがあります。
原因としては自律神経失調症やアレルギー説、自己免疫疾患説などがありますが、ホルモンの異常やストレス、神経系統の異常など、精神的な要因も深く関与していると考えられています。
脱毛した毛根の形態は、以上に萎縮して変形しているので、すぐに見分けがつきます。
円形または楕円形の脱毛部分の毛髪を軽く引っ張ることで、症状の進行状況がある程度推測できるのです。
簡単に抜けるようでしたら病状が進行中ですので、少しでも早く皮膚科の専門医に相談することをお勧めします。
原因にもよりますが、普通2~3か月で回復することが多く、あまり気にしないことが第一です。
対処療法としては、やはり育毛剤によって頭皮の血行を促進させ、早く正常な状態へ戻すことです。
脂漏性脱毛症
頭部は髪の毛が密集しており、皮脂腺、汗腺が多いため、身体の他の部分より脂っぽくなりやすく、微生物や菌が繁殖しやすくなってしまいます。
頭皮が不潔な状態が続くと、繁殖した微生物のせいで皮脂が腐敗し、炎症などの頭皮トラブルが多くなってしまうのです。
主な症状としては頭皮のかゆみや赤み、フケなどといったものが、徐々にひどくなっていきます。
これを脂漏性疾患と呼び、髪の毛には休止期毛が増加して脱毛しやすくなります。この場合、髪の毛は細くて柔らかく、毛根の周囲に白い皮脂が付着しているのが特徴的です。
日常の手入れとしては、洗髪回数を増やして頭皮を清潔に保ち、殺菌剤入りのフケ防止のシャンプーやリンスを使うといいでしょう。
治りにくい場合は皮膚科の専門医に相談し、直ちに治療を受けることをおすすめします。
粃糠性脱毛症
粃糠性脱毛症(ひこうせいだつもうしょう)も脂漏性脱毛症と同様に、フケに起因する脱毛症です。
正しパサパサと乾いた状態が特徴的な乾性フケと非常に深い関係にあり、頭皮が乾燥することにより髪の毛の頭皮に対する固着力が低下して、ブラッシングなどで力がかかると簡単に脱毛してしまいます。
毛根の状態は、自然脱毛とほぼ同じようにマッチ棒のような状態ですが、毛根の先端部分に、未角化の毛包の一部がしっぽのように付着しているのが特徴的です。
脱毛した髪の毛の3分の1以上が、このような毛根の場合は、皮膚科の専門医に相談することをおすすめします。
抜け毛や脱毛症は生活習慣が関連している
上記で解説してきた異常脱毛は、様々な原因によって引き起こされますが、私たちの生活習慣と大きく関係しています。
生活習慣が乱れていたり、ストレスが溜まっていたりすると、頭皮環境も自然と悪化していき、異常脱毛を起こすきっかけとなってしまうのです。
なので生活リズムをまず整えて生活することが、異常脱毛を防ぐ、また異常脱毛の症状を緩和する上で大切となってきます。
まとめ
症状が重い場合は専門病院へ受診!
この記事では、抜け毛や脱毛の種類やそれぞれの症状・原因について解説してきました。
抜け毛による脱毛には自然脱毛と異常脱毛の2種類があり、異常脱毛は病的な意味があり重い症状に悩まされる事にも。
抜け毛の量がいつもより多かったり、脱毛の症状が重症化してきたときは、放置せずに専門病院へ受診することをおすすめします!