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はじめに
近年、健康や美容を意識している人の間で、グルテンフリーが話題になっています。
主にダイエットや体質改善で取り入れられることの多いグルテンフリーですが、実は薄毛の改善にも効果が期待できると言われています。
原因ははっきりしないけど何となく体調が悪いという人は、食生活を見直して、グルテンを避けた食事を心がけてみませんか?
肌が綺麗になったり、抜け毛が減って髪にボリューム感が出たりと美容に嬉しい効果もあるので、続けるモチベーションが保てそうですね。
この記事では、グルテンが健康や美容にもたらす悪い影響について解説し、グルテンフリーの効果についてお伝えしていきます。
グルテンフリーの進め方やポイントもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。
グルテンが体に及ぼす影響
「グルテン」とは、小麦に多く含まれているタンパク質の一つです。
近年、この「グルテン」が腸壁の働きを損なう傷つけてしまうことが指摘されています。
グルテンが腸内に悪影響を及ぼす仕組みについて具体的に確認しましょう。
まず、健康な腸とはどのようなものなのかをお伝えしますね。
腸は、食物の消化と栄養素の吸収を行う器官ですが、健康な腸の壁には、必要な栄養素を吸収する一方で、毒性のあるものや体の中に入れてはいけないものをブロックする働きがあります。
この作用が正常に働いている場合、病原菌などは体内には入り込まず、腸内に留まり、やがて排出されます。
グルテンの摂取は、この腸壁のブロック作用を弱める働きがあると言われています。
厳密に言うとグルテンに含まれる「グリアジン」の働きが関係しています。
グリアジンは分解されにくいため、いつまでも腸の中にとどまり、腸の粘膜に貼り付いてしまうことがあります。
これにより、腸壁の細胞が傷つき、炎症の原因となるのです。
また、グリアジンが腸の細胞と結合すると、ゾヌリンというたんぱく質が過剰に分泌されます。
ゾヌリンは、本来は栄養素の吸収をよくする重要な働きをする物質ですが、炎症が起きた腸壁にとっては細胞と細胞の間の隙間を開くよう作用します。
細胞同士のつながりが弱くなり、腸壁に穴が開いた状態を招くわけです。
これにより腸内の老廃物や病原菌などの有害な物質が体内に漏れ出し、肌荒れやアレルギー症状などの不調を引き起こし、体内の免疫システムの乱れにつながります。
グルテンに免疫反応を起こす深刻な病気であるセリアック(シリアック)病や、グルテン過敏症、小麦アレルギーなど、特定のタイプの人にとってグルテンは毒となり得ますが、このような診断がつかなくても、グルテンに体が反応して不調がもたらされることは十分考えられます。
グルテンフリーと薄毛改善
いま確認したグルテンの害を避けるために推奨されているのがグルテンフリーです。
グルテンフリーとは、小麦粉などグルテンを含む食材・料理を口にしないという食事療法です。
主食だけでなく、料理に使われる小麦粉もカットすることが理想的と言われています。
グルテンの摂取による悪影響の一つに、抜け毛や薄毛があります。
肌の炎症や免疫の低下は、抜け毛の原因となり、地肌の状態も悪化するため、髪の毛のハリやコシも失われます。
グルテンフリーを意識した食事は、薄毛を改善し、健康な毛髪の成長を助けてくれるのです。
また、グルテンの過剰な摂取はアドレナリンを分泌し、交感神経を活性化させます。
心身がリラックスできずに、イライラしやすかったり、疲れやすくなったりします。
ストレスや疲れもまた薄毛の原因となるので、グルテンフリーな食生活により、
副交感神経を活性化するサイクルを正常化することは、育毛効果を高めることにつながります。
薄毛だけではない! グルテンフリーが解消するさまざまな不調
グルテンが原因となって発症する不調は他にもたくさんあります。
ニキビなどの肌荒れ
乾燥肌
下痢や便秘など便通の悩み
食後のお腹の張り
花粉症やアトピーなどのアレルギー症状
偏頭痛
生理痛
やる気の低下
倦怠感
疲労
集中力の低下
などは代表的な症状です。
グルテンを控えた食事を心がけることで、これらの症状の改善が期待できます。
また、グルテンフリーの食生活は太りにくい体質を作るダイエット効果があることも指摘されています。
現在流通している小麦には、アミロペクチンAという炭水化物が多量に含まれています。
アミロペクチンAは他の糖質よりも消化・吸収が早いため、食後の血糖値を急激に上昇させ、糖が脂肪として蓄えられやすくなります。
一方、小麦以外の炭水化物からエネルギーを摂取する場合、血糖値の上昇が比較的ゆるやかなため、脂肪がつきにくいと言われています。
肥満自体が体の不調や疾病の原因になり、薄毛の要因の一つでもあるので、その点からもグルテンフリーを試してみる価値はあるでしょう。
グルテンフリーの食事
グルテンフリーの基本は、麦(小麦や大麦、ライ麦)を使った食材や料理を食べないようにすることです。
まず、気をつけてほしいのは主食です。
パンやうどん、パスタ、ラーメンは避けて、ごはんや蕎麦を選ぶようにしましょう。
蕎麦は必ず十割蕎麦(そば粉100%のもの)にしてください。
ホットケーキやドーナッツ、ピザ、お好み焼き、たこ焼き、中華まんなど、小麦粉を使った準主食も当然控えるようにしましょう。
また、おかずも小麦粉を使っていないものをチョイスしましょう。
ハンバーグは小麦粉やパン粉をつなぎに使っていないものを選んでください。
揚げ物は、パン粉や小麦粉を使ったものは避けて、素揚げなどを選ぶようにしましょう。
シチューやカレーも、ルーを使ったものは小麦粉が使用されています。
気をつけるようにしてください。
グルテンフリーの食事で推奨される料理をご紹介します。
まず、お肉(牛肉・豚肉・鶏肉、何でも大丈夫です)のグリルです。
粉などをまぶさず塩だけでも美味しく食べられますし、食べ応えもあります。
豆腐や納豆などの大豆製品やチーズやヨーグルトなどの乳製品もおすすめです。
おやつなら、ナッツが理想的です。
グルテンフリーというだけでなく、亜鉛などのミネラルを多く含むので、育毛に必要な栄養源と言えるでしょう。
また、米粉を小麦粉の代用に使えば、揚げ物やシチューも食べることができます。
カレーは、玉ねぎを炒めてスパイスを調合して作るスパイスカレーなら、グルテンフリーなのでお腹にもたれません。
グルテンフリーの食事は糖質制限食とは違うので、米や芋類はOKです。
そのため、ストレスなく食事することができます。
グルテンフリーの進め方
グルテンフリーの食事を徹底するのはそれほど簡単なことではありません。
グルテンに含まれる「グリアドフィン」という物質は血液中に入ることで、脳を興奮状態にすると言われています。
また、グルテンが分解されてできる「エクソルフィン」という物質は麻薬に似た幸福感をもたらし、依存性が強いことがわかっています。
このようにグルテンには依存性があるため、一度にゼロにすることは心理的ハードルが高く、挫折につながりやすくなります。
そうならないように、まずは主食のパンを米粉を使ったパンに変えたり米の食事に変えたりする、次におかずをグルテンフリーのものに変える、と段階的に進めましょう。
醤油などの調味料にもグルテンが含まれています。
そのレベルでグルテンを除去しようとすると大変なので、まずは初めから徹底するのではなく、目につく小麦粉を使った料理を控え、別のものに代替するようにしましょう。
むすび
今回の記事では、グルテンが健康や美容を大きく損なうものであることをお伝えしました。
腸壁にダメージを与え、炎症や不調の原因となるグルテン。
グルテンを食事から除去するグルテンフリーを実践することは、薄毛を改善し、美しい髪や健康的な肌を手に入れることにつながります。
すぐに全てのグルテンを除去するのが難しくても、段階的に減らしていくことをお勧めします。