朝起きて枕を見てみると、大量の抜け毛がついていることがあります。
人間の髪は抜けるものですが、あまりにも対応の髪を見るとビックリしてしまうのが当然です。
こうした状況になるには色々と原因がありますが、寝ている時も髪を守れるようにしてあげれば、気になる抜け毛を少しでも抑えられます。
髪の毛の成長に関わるヘアサイクル
人間の髪はヘアサイクルと呼ばれる成長のリズムがあります。
勝手に勝手に抜けていくわけではなく、一定のリズムに乗って成長を繰り返しているのです。
このヘアサイクルがとても大切で、抜け毛にも大きな影響を及ぼしています。
ヘアサイクルとは、髪の成長サイクルを示しています。
髪が生えるために栄養を蓄え、細胞分裂って髪を作り出せる状態を作り出し成長させて行くのです。
やがて成長の限界が訪れ、毛根部分の退縮が始まり完全に退化してしまいます。
退化すると狼は完全に抜け落ちてしまいますが、また毛根が出来上がり髪が生えてくるのです。
このサイクルを正しく繰り返しているからこそ、頭部から髪がなくなることはありません。
ここで見えてくるのが、髪は必ず抜ける時期がやってくるのです。
何も珍しいことではなく、抜けている人が異常なのでもありません。
髪は永遠に生え続けるものではないからです。
髪が成長する時期を成長期と呼び、正常な状態で2年から6年も続きます。
だんだんと毛根が退縮してくるのが移行期で約2週間ほど、抜けて休む休止期は3~4か月も続くのです。
これだけの時期をかけて成長を繰り返していきますが、1日に80本から100本もの髪が抜けています。
これぐらい抜けてしまうのは、なにも珍しいものではありません。
なぜならば、抜け落ちてもヘアサイクルによってほかの髪は成長を続けます。
抜けた髪の部分もやがて成長を取り戻すため、100本程度抜けたとしても、何ら問題はないのです。
朝起きた時やシャンプーの後で、大量に抜けたと感じても、実はそれほど深刻ではありません。
ただし、あまりにごっそりと抜け落ちた時には注意が必要です。
特に1回に100本以上の抜け毛があったときには、異常が起きていると考えるべきでしょう。
医師に相談するなど、適切な対処が必要です。
ヘアサイクルの乱れ
ヘアサイクルが正常であれば、抜け毛はそこまで目立ちません。
朝起きたら抜け毛がいっぱいということも起きないのです。
ヘアサイクルは、様々な原因で乱れることがあります。
例えば、季節の変わり目で抜け毛が目立つ人もいるでしょう。
これもヘアサイクルの乱れのひとつです。
成長期にある髪は、常に一定というわけではありません。
この比率に狂いが生じると、どうしても抜け毛が目立つようになります。
特に休止期がピークになりやすい7月は、目立つようになる可能性が高いのです。
大体3か月で休止期が終わることから、10月あたりまでは抜け毛が目立つ傾向が高いと考えられています。
起きたら抜け毛がいっぱいあったとしても、あまり深刻に考えずに、時期なのだと割り切ってしまう必要もあるのです。
女性の場合には、年齢によるホルモンバランスの変化によって、抜け毛が目立つときがあります。
更年期障害などによって体調が変化するような時期は、抜け毛が目立つことがあるのです。
この場合には、速めに専門医に相談したほうがいいでしょう。
ここで注意しなければいけないのは、女性男性型脱毛症です。
FAGAと呼ばれますが、ホルモンバランスが崩れ、男性ホルモンが多く分泌された結果、男性で起きやすい脱毛症が表れるケースです。
女性ではあまり見られませんが、発症する数はゼロではありません。
起こりうる可能性がある以上、あまりに異常な抜け方や、前頭部や頭頂部などが薄くなるなど症状がみられた時には、専門医に相談するのが大切です。
間違っても、男性用の発毛剤などは、かなり危険性を伴うため、使わないようにしましょう。
ロングヘアの人は要注意
特にロングヘアの人は、寝ているときにも髪には注意しなければいけません。
寝ているだけでも髪が傷むことはよくあるからです。
人間は寝ている間に寝返りをうったり、頭が移動したりします。
この時に摩擦が起こり、髪が痛むのです。
誰でも起きるようなことですが、ちょっとした事を心がけるだけで違いが出ます。
髪が濡れている状態だと、余計に摩擦に負けてしまいます。
濡れている状態は、髪の表面にあるキューティクルが開いており、剥がれやすい状況が出来上がっているからです。
この状態のまま摩擦を受ければ髪を守ることができません。
ロングヘアの人は摩擦を受ける面積が広くなり、ちょっとした寝返りでもダメージが蓄積していくのです。
長い髪だと絡まってしまうことも問題です。
後頭部より下の髪が特に絡まりやすくなりますが、どの体勢で寝ていてもどこかの髪が下敷きになり、摩擦が生じて絡まって行きます。
特に後頭部は寝ている時に下になりやすく絡まりやすいことを覚えておく必要があるでしょう。
摩擦を受けてしまうと、キューティクルが守れず、ブツブツと切れてしまうことが出てきます。
切れ毛の状態ですが、悪化していくと髪に白い点々のような部分が目立ちます。
これは切れてしまう寸前の状態で、もう元には戻りません。
起きた時に抜け毛がいっぱいあると感じた時でも、切れているのか抜けているのかを判断するだけで状態の違いが分かるのです。
特に襟足が長い人は注意しておかなければいけないでしょう。
朝起きた時に髪が抜けているだけではなく、絡まっていると感じているのなら、余計に注意が必要です。
キューティクルが守ってくれていることを認識する
寝ている時の髪のダメージの予防方法は色々とあります。
とにかく濡れたまま寝ないというのが重要で、夜のうちにしっかりと乾かすのが大切です。
夜、髪が伸びていきますが、濡れたままの状態は、気化熱により頭皮の温度が下がってしまうことも考えられます。
消えてしまうと血行が悪くなり、血液が流れにくく、栄養が届かない可能性が出てくるでしょう。
栄養が来なければ髪を作り出すことはできません。
さらに乾いていない状態のまま湿度が上がれば、雑菌が繁殖してしまう可能性が高まります。
頭皮環境の悪化を招く原因となるため、必ず乾かしてから寝ることが大切です。
特に頭皮を乾かして寝るというのが重要ですので、意識的に確認する必要があります。
髪は濡れている状態だと、ダメージから守ってくれません。
乾かす時にも注意が必要で、タオルでゴシゴシと擦ると、それだけでキューティクルが剥がれる可能性があります。
水分をとる時には、タオルで髪を包むようにして、上から軽く叩くような感じで水分を摂ると良いでしょう。
この方法だと、キューティクルにダメージを与えにくいからです。
キューティクルの方向が大切で、髪の毛の先端に向かってうろこ状に並んでいます。
髪の毛を逆から触ると逆だって感じるのは、キューティクルが引っかかっているせいです。
キューティクルにダメージを与えないようにするためにも、髪を拭く際には生え際から先端に向かって拭くようにします。
これだけでダメージは抑えられるのです。
わずかなことですが、タオルを使っている時もできるだけ短くすると、ダメージを防げるでしょう。
まとめ
寝ている時にも髪を守るというのはとても大切です。
無防備な状態になり、髪が切れてしまう可能性が高くなります。
ケアの仕方も色々とありますので、起きた時に抜け毛が気になるようであれば、まずは改善してみましょう。
それでも変化が現れない時には、かなりのダメージが蓄積している可能性が出てきます。
他の原因も考えられるため、異常な抜け毛が感じられた時には、専門医などに相談するのが適切です。