アンチエイジングという考え方は、1980年代アメリカにて積極的な老化防止を追求する医学として生まれました。
そもそも健康とは何か、健康であるためにはどうするべきなのか。
WHO(世界保健機構)では「健康とは単に疾病や傷害が無いということでは無く身体的、精神的また社会的に完全に良好な状態」と言っています。
健康でいられる時間を増やし延ばすことがアンチエイジングの目標なのでしょう。
近年、よく聞くようになっています「ウェルエイジング」。
これは、アンチエイジングと何が違うのでしょうか?
ウェルエイジングとは
ウェルエイジングは、病気になってからそれを治療するという考え方ではなく、バランスよく老化する(バランスエイジングともいわれる)ことを目標とし、健康な人の更なる健康を作っていくことだそうです。
アンチとは「抑える」という意味ですね。
何かに反抗する、抗うという姿勢ではなく、ウェルは「上手に」「良く」歳を重ねていこうという姿勢なのでしょう。
若返りたいという表現がよくされるアンチエイジングと違う点は、歳をとることは当然だという考え方があるかどうかでしょう。
そして、アンチエイジングは美容の世界でよく言われますが、歳を重ねれば美容のことだけでなく色々な問題に悩まされるのも当然。
生活の質を高めて元気に歳を重ねていこうという意味も含まれています。
元気に歳を重ねる為に
誕生日が来たら、一歳大きくなるのは当たり前。
それを止めることはできないし、戻ることもできません。
ならば、できるだけ今日も健康に、明日も美しくいられたらいいですよね。
それにはどうやって日々を過ごしていくことが重要なのでしょうか。
まず、女性の皆様に大切なことは、身体の健康と美容とには繋がりがあるということ。
身体に不調が表れて外出する頻度が減ると、自然と容姿を整える必要度も少なくなると思いませんか?
健康と美は比例しているともいえますね。
もちろん、身体の不調の中に、肌が荒れる、髪の毛が減る、もしくは筋肉が衰え姿勢が悪くなるという外見的な変化があってもそれが印象に繋がることは大いに考えられます。
自分で自分の変化を見て、自身が無くなってしまうといった精神的なマイナスにも繋がってしまう可能性もあります。
それが外出の機会を減らし、悪循環に陥ってしまうことも。
何かやりたい目標があり、その為にも健康である必要があり、それを維持していこうと日々努力をしていることは自然と美しさに繋がるのかもしれません。
健康な血管を保つ
人の様々な臓器がスムーズに働く為には、栄養や水分が滞りなく運ばれる必要があります。
その為にも、身体中を張り巡っている毛細血管を健康に保つ事はとても重要です。
身体の中で不要な部分はひとつもないでしょう。
つまりどこかで不都合が表れると、それを補おうと他の何かが対応する場合もあり、バランスをとりながら身体は健康な状態を保とうとします。
全てに繋がっている毛細血管はその重要な役割を担っています。
加齢とともに減っていってしまう毛細血管。
高血圧や高血糖、脂質異常が続くと血管の細胞が壊され、それが進むと血管内が狭くなり血管が詰まり、血液が流れていかないゴースト血管になってしまいます。
太い血管(動脈や静脈)は年を重ねても数は変わらないといいます。
毛細血管の老化には、自律神経やホルモンの働きが乱れることも関係してきます。
まずは、高血圧・高血糖・脂質の摂り過ぎに注意しましょう。
たんぱく質をしっかりとって、それを助けるビタミンやミネラルを十分に摂りましょう。
食物繊維は腸の健康を保つために必要なので適度に摂りましょう。
摂り過ぎは大切な栄養素を持って出て行ってしまうことにも繋がりますのでご注意を。
脂質も全く摂らないのは体によくありませんので、できれば良質な油を摂るように心がけましょう。
飽和脂肪酸はエネルギー源になりますが、過剰に摂取すると動脈硬化に繋がる恐れがあります。
不飽和脂肪酸はエネルギー源ともなりますが、生活習慣病のリスクを高める影響がほぼ無いですし、血中のコレステロール値を下げ動脈硬化の予防に繋がるとも考えられています。
良質な睡眠をとる
睡眠中はホルモンが沢山分泌されます。
世界で活躍する偉人によく多いのは、ショートスリーパー。
数時間の睡眠時間で健康を保てる人です。
でもそれが自分にも当てはまるかどうかというのは疑問ですね。
一般的には、睡眠時間が短いとせっかく分泌されたホルモンが全身まで行き渡り、身体を修復する時間がありません。
その結果様々なダメージが生まれるのです。
例えば、4時間睡眠が3日続くと血圧や血糖値が上がり、ガンも発症しやすいというデータもあるほど。
睡眠不足が寿命を縮めるのは間違いないでしょう。
アメリカで110万人を対象とした睡眠時間と寿命についての調査では、ベストな睡眠時間は7時間だと結果が出たそうです。
日中は日を浴びて活動し眠りの誘発ホルモン「メラトニン」をしっかり分泌させ、それによって深い眠りが得られれば成長ホルモンもしっかり分泌され全身の回復を行えるでしょう。
どうしても昼間眠たいという方は、昼食後から15時までの間に15分以内の昼寝が効果的だそうです。
体内のリズムを崩さないことが大切です。
ストレスを溜めない
ストレスは睡眠にも繋がってきますし、ホルモンの分泌や自律神経と大きく関わっています。
ストレスが無い人はいないのではないでしょうか。
だからこそ、ストレッサーとどの様に向き合っていくか、それで生まれたストレスをどのように対処していくかがカギになります。
リラックスが必要とよく言いますが、リラックスしている状態は交感神経ではなく副交感神経が優位になっている状態です。
忙しく働いている時は交感神経が、好きな音楽を聞いていたりゆっくりお風呂に使っている時は副交感神経が優位になっています。
例えば、激しい筋トレをしている時は交感神経が働き、目的地も決めずに何も考えずただ散歩しているときは副交感神経が働いています。
ちょっとストレスが溜まっているなと自覚できたときに、ストレスを受け流せると楽になります。
ストレスの原因から離れ、自分のやりたいことに集中する。
そんな時間が作れると身体も嬉しいのです。
そんな簡単にはできないという人は多いでしょう。
100%にこだわっている人は、今日は50%でもいいか、くらいの気持ちで考えられると楽になりそうですね。
ストレスと向き合った経験も人生の大切な一部として生きてくるので、前向きに捉えられるメンタルを積極的に意識しましょう。
外側からのアプローチ
身体の内側から健康を保つ為にホルモンの事やストレスの事を考えてみましたが、もちろん外側からのアプローチも大切ですね。
わざわざ身体に悪い成分のシャンプーを使うよりは、良い成分のシャンプーを使うほうが間違いなく身体には優しいです。
お肌も同じですね。
例えば乾燥した状態を放っておくと荒れてきて「痛い」だとか「つらい」という感覚になるのは当然。
それはストレスにもなります。
お部屋の環境もそうです。
寒い状態を我慢している、身体を冷やしてしまうことは血管を縮めてしまいます。
温度もそうですし、湿度も大切です。
乾燥を引き起こしますし、何より今の時代はウイルスの事を考えると換気と湿度管理はとても大切です。
まとめ
考えれば考えるほど、健康な状態をできるだけ保つためには様々な面から取り組めることがありそうです。
もちろん既に取り組んでいるという方は、ぜひ続けましょう。
それがウェルエイジングになっています。
たまに見直しながら、自分の身体と心が気持ち良いというのが一番大切なポイントです。