抜け毛・薄毛の大きな原因として女性ホルモンの減少があげられます。
そこで女性ホルモンに似た働きをすると有名なイソフラボンは、皆さんすぐに思いつくでしょう。
近年は同じように女性ホルモンに似た働き(エストロゲンに似た働き)をすると注目されている「エクオール」という成分があります。
今回はこのエクオールという成分が一体何なのかご紹介したいと思います。
Contents
女性ホルモンの働きについて
女性ホルモンには2種類あります。
黄体ホルモン・プロゲステロン。
これは受精卵の着床の為に子宮内膜を整えたり、基礎体温を上昇させたりする働きがあります。
生理前の体調の変化はこのプロゲステロンの働きが原因とされています。
卵胞ホルモン・エストロゲン。
これは女性らしい身体を保つためのホルモンです。
肌や髪の毛の潤いを守ったり、女性特有の丸みのある体系を作り上げるホルモンです。
エストロゲンの分泌量によって脳や自律神経の働き方も変わるので、身体だけでなく精神面でも影響が出ます。
基本的に、加齢に伴って分泌量が減ってしまうのは仕方のないことです。
また、ストレスなどが原因で年齢が若くても減ってしまうことも十分にあり得ます。
年齢と共に卵巣の働きは低下してきます。
脳が「もっと出して」「もう出さないで」とコントロールしようとするのと、実際に卵巣がその命令通りに動くことが出来ずに分泌されるホルモン量にギャップが発生し、脳が混乱します。
そして自律神経が乱れ身体には様々な不調が現れるようになるのです。
その一つに抜け毛ももちろんあるわけです。
エクオールの働きとは
近年注目されているのが、エクオールという成分です。
これは前々からエストロゲンと似た働きをするといわれていたイソフラボンから作られるとされています。
エクオールはイソフラボンが体内の腸内細菌によって変換されて作られるといいます。
イソフラボンのままよりも女性ホルモンに似た働きを強くするのではないかと考えられています。
現時点で認められているエクオールの作用は以下の点です。
・エストロゲンに似た作用
・エストロゲンが過剰に分泌された時働きを抑える作用
・男性ホルモンの働きを抑える作用
・抗酸化作用
このエクオールが体内で活躍してくれれば更年期のイライラや女性ホルモンの乱れによる諸症状が和らぐのではないかと期待できますね。
このエクオールは、腸内細菌がキーになっているようです。
その点について少し掘り下げていきましょう。
エクオールを作れる?作れない?
なんと残念なことに、エクオールを作り出す腸内細菌は100人中100人が持っているわけでは無いようです。
名前は「エクオール産生菌」といわれる腸内細菌。
その割合は2人に1人。
日本人の約50%だといわれています。
その差の理由は食生活にあるようです。
大豆製品を摂取する率が高い方がエクオールを作り出せる割合も高くなると考えられています。
更にそうなると、年代別にも差が出てきます。
中高年女性の方がエクオールを作り出す腸内細菌を5割持っていて、20代がなんと2割という結果に。
これはまさに食生活の変化(欧米化してきている)というのが理由として挙げられます。
欧米に比べて日本や中国など大豆製品を摂る習慣がある地域は、やはりエクオールを作り出すことができる人数の割合が多いのです。
「大豆が女性にはおすすめ」「イソフラボンが効果的」といわれて意識して摂取しているのになかなか効果が実感できないという方は、もしかするともともと腸内細菌を持っていないのかもしれません。
腸内細菌がなければ、大豆を摂取してもエクオールに変換できずに吸収されてしまいます。
また、腸内細菌は食生活や体調によっても変化するので、以前は作れていたけれど作れなくなってしまったという場合もあります。
エクオールを取り入れる
大豆製品(イソフラボン)を取り入れて効果を実感できていないという方は、是非生活習慣の見直しを先にしてみてはいかがでしょうか。
腸内細菌を持っていたとしても、乱れた生活をしていれば腸内環境が乱れることもあり腸内細菌が本来の力を発揮できない可能性もありますね。
それに大豆製品を摂取していなければ原料が無いわけですから、もちろんエクオールも作り出すことができません。
積極的に摂取していても効果が実感できないという方は、サプリメントも最近は増えてきているようです。
エクオールは体内に蓄積することもできません。
用法容量を守って利用することが大切です。
効果がどの程度であるかも人それぞれですし、効果が出るにしても2日や3日で表れるものでもありません。
あくまで特効薬ではないわけですから、なるべく続けてみるといった努力は必要かもしれませんね。
これも、もちろん日々の生活習慣を見直すことが必要です。
不眠・運動不足・栄養不足といった根本的な悪影響があればまずそれを改善する必要があります。
大切なことは
髪の毛が抜ける、思い通りに綺麗なつやのある髪が育たないと言った悩み、その原因を探り解決法を探すのは当然のことです。
エクオールが期待できるとし、その道を試すのももちろん一つの方法。
でもそこだけに捉われないようにしましょう。
もしサプリが身体に合わなかったり、大豆製品を無理に毎日摂取しようとしてストレスになってしまっては元も子もありません。
女性ホルモンの減少が原因で抜け毛だけでなくとも日々の生活に支障が出ていると感じているのならば、婦人科にいって診てもらうのも一つの手です。
そしてなにより、生活習慣を整えることが重要です。
睡眠時間が十分にとれているか
入眠までのプロセスを大切にする心がけが必要になってきます。
身体を温めたり、血流を促すこと。
起きる時間や寝る時間のサイクルを乱さないこと。
寝る前に眠気を欠いてしまうような刺激の強い行為は避ける事(飲酒やスマホなど)。
加齢とともに睡眠ホルモンが減り睡眠の質も落ちるといわれますが、若くても同様に大切なことです。
栄養を十分に摂る
ここではイソフラボン・大豆製品に着目していましたが、身体は様々な栄養素で成り立っています。
それらは、お互いを助け合ったり効果を調節しあったりします。
特にたんぱく質・ビタミン・ミネラルは必須です。
その他にも、腸内を整える為には腸内細菌のエサになる物があるとなお良いので、食物繊維を程よく取り入れ腸内環境を整えましょう。
オリゴ糖も腸内まで届きエサになるといわれます。
いつもの砂糖からオリゴ糖に変えてみるだとか、普段の生活で簡単に取り組めることは沢山あります。
楽しく過ごす
感情は自律神経に繋がります。
感動したりドキドキしたり、嬉しいことがあって笑ったり、好きな存在に寄り添って幸せな気持ちになったり。
ハッピーホルモンと呼ばれるセロトニンの分泌が促され、脳の神経細胞が活性化します。
セロトニンはメラトニンの原料で、メラトニンは最も抗酸化作用があるホルモンだといわれます。
海外の大学では、「作り笑いでも快感をもたらすエンドルフィンの分泌が高まる」という研究結果が出ているそうです。
悲しい時でも笑ってみると脳は楽しいことがあると予感し、セロトニンなどのハッピーホルモンを分泌するのだそうです。
笑いは、ちょうどいい具合に自律神経のバランスを調節してくれる最高の薬です。
まとめ
エクオールがどの程度効果を発揮するのか、人の身体は1000人いれば1000通りです。
個人差があるので抜け毛や薄毛が解消できるかどうかは人それぞれ。
でも、何もしないでそのままでいるよりは、どの様な事でも前向きに行動することが大切なのではないでしょうか。
なりたい姿を想像しそれに向けて行動すること自体が、薄毛で不安になっている気持ちを明るくする光になるでしょう。