自分のつむじ、見たことがありますか?
つむじは頭頂部より後ろ側にあるため、鏡を2枚使わない限りチェックできませんから、ほとんどの女性はどんな状態か気づいていません。
しかしもし「つむじ、ぱっくり割れてるね」などと言われたら、薄毛の兆候が表れているかもしれません。
今回は、薄毛の危険な兆候について解説します。
つむじはどんな状態になっている?
普段見ることのないつむじ。
実際にはどうなっていて、どういう状態であれば正常なのでしょうか。
Contents
つむじとは
つむじは「旋毛(せんもう)」ともいい、その字の通りうずを巻いている部分のことです。
頭頂部より後ろ側にあり、多くの人は1ヶ所ですが、中には2ヶ所以上、まれにつむじがない人もいます。
日本人の場合約7割が右巻きで、すでに胎児の頃に決まっているといわれています。
どんなつむじが正常?
つむじの中心部は、必ず地肌が見えています。
男性はこの地肌を見てハゲの兆候だと恐怖を感じるようですが、それは違います。
問題は、地肌の周りの髪の毛の状態です。
正常なつむじの場合、
・周りの髪がこんもり盛り上がっている
・地肌は小さな丸状で、髪に覆われて見えないこともある
・髪がうずに沿ってきれいに流れている
・つむじ周りとそれ以外の髪の太さや量がほぼ同じ
・地肌の色が白または青白い
といった特徴があります。
正常でないつむじの状態
以下のような症状が出てきたら、つむじ割れが起こっていると考えましょう。
・地肌が広がってきたり、点ではなく線になってくる
・髪の流れがはっきりしなくなってくる
・つむじ周辺の髪が細く、あるいは少なくなってくる
・地肌の色が赤っぽくなってくる
シャンプー後髪を乾かしたら、鏡で見るかスマホで撮影してみてください。
このような状態になっている場合、つむじの状態が良くないということです。
つむじ割れが起こる原因は2種類ある
つむじ割れの原因には、普段の髪の扱い方に問題がある場合と、薄毛の兆候の場合があります。
髪の扱い方の場合の原因
・分け目の位置を変えない
髪の毛は、そのままにしているとつむじを基準に自然に左右に分け目ができます。
そのままの位置で固定してしまうと、いつも同じ部分からブラッシングしますから、地肌に強い圧力がかかります。
するとつむじと分け目がつながり、さらにその部分の髪が抜けやすくなってしまうのです。
この場合は、分け目を変えると改善されます。
・髪を結んでいることが多い
髪の毛を結んでいる時は、つむじ、分け目、顔周りの部分が強く引っ張られています。
特につむじは髪の毛の重さが最もかかる部分なので、しょっちゅう結んでいるとその部分の髪が抜けやすくなります。
ひどくなると、その部分に髪が生えてこなくなることもあります。
この場合も、髪の毛を結んでいる時間をできるだけ減らすことで対処できます。
薄毛の兆候の場合の原因
紫外線を一年中浴びている
髪と頭皮は、顔の2倍以上紫外線を浴びています。
しかし、顔はケアしても髪の毛や頭皮の紫外線ケアまでしている人はあまりいません。
紫外線にはUVAとUVBがありますが、どちらも髪と頭皮に良くありません。
UVAは皮膚の真皮まで届くため、その部分にある髪の毛母細胞を傷つけてしまいます。
髪の毛は毛母細胞が分裂を繰り返すことで伸びていくのですが、傷つくと分裂できなくなったり異常な分裂を起こしたりして、髪の質が悪く弱くなってしまうのです。
また、UVBは頭皮表面に炎症を起こさせます。
すると頭皮が乾燥して硬化し血管を圧迫するため、血行が悪くなって髪が栄養不足になってしまうのです。
黒髪には紫外線をある程度は吸収する働きがあるものの、特にUVAは髪を透過して毛母細胞まで届いてしまいますし、そもそもつむじや分け目にはガードしてくれる髪がありません。
そのため、地肌がどんどん広がってしまうのです。
男性ホルモンの影響
頭皮には、男性ホルモンの影響を受けやすい部分があります。
それが頭頂部と前頭部で、この部分の抜け毛は男性ホルモンが原因といわれています。
男性ホルモンの一種には強力な脱毛作用があるためです。
女性にも男性ホルモンがあるため、特に男性ホルモンが多めの女性はこの部分が薄毛になりやすくなります。
さらに、男性ホルモンには皮脂の分泌量を増やす働きがあります。
そのためつむじや頭頂部は他の部分と比べて皮脂分泌が多く、雑菌が繁殖しやすい状態になっています。
雑菌が皮脂を食べ脂肪酸を排出すると、それが紫外線によって過酸化脂質となって毛穴に入り込み、毛母細胞にダメージを与えてしまうのです。
血行不良
つむじや頭頂部は心臓から最も遠く、しかも心臓より高い位置にあります。
そのため、血液が届きにくくなっています。
さらに、血液を押し上げるには筋肉の力が必要ですが、頭頂部には筋肉がありません。
あるのは帽状腱膜という膜で、これを前頭筋、側頭筋、後頭筋が支えているのです。
しかし、これらの筋肉は顔や口を動かした際に使われる筋で、加齢とともに硬くなってしまい帽状腱膜を引っ張る力が弱くなるため、血流がますます悪くなってしまいます。
すると頭皮に充分栄養が行かなくなるため、薄毛になりやすくなるのです。
ドライヤーの長時間使用
女性の多くはドライヤーを毎日使用していますが、温度設定を気にしていますか?
髪の毛や頭皮はタンパク質が主成分で、60度前後から変質を始め、一度変質したら元には戻りません。
そのため、60度以上の熱風を長時間地肌に当てていると毛母細胞の働きが低下し、髪を育てることができなくなるのです。
また、ドライヤーをかける時にブラシを使って髪を伸ばそうとするのも良くありません。
温まった頭皮は毛穴が開いているので、ブラシで強く引っ張ると抜けやすくなるのです。
特につむじ周りは頭皮の状態が他の部分より悪いため、そこから髪がなくなってしまうことがあるのです。
つむじの薄毛を改善するには
男性の場合、つむじの薄毛は男性ホルモンの影響が非常に強いため改善は難しいのですが、女性の場合は大丈夫。
これからご紹介する方法で、改善が可能です。
つむじや頭頂部を中心にマッサージする
血管は心臓部から離れると細くなり、頭頂部には髪の毛の約1/10の太さの毛細血管しかありません。
そのため、血行不良になるとすぐに血液が届きにくくなってしまうのです。
そこで、つむじや頭頂部を中心に、頭皮マッサージを行ないましょう。
側面から頭頂部に向かって押し上げたり、頭頂部周りに指を固定し軽く円を描くようにしたりすると効果的です。
ただし、毛細血管は表皮のすぐ近くにあるため、力を入れ過ぎると切れてしまい逆効果です。
気持ち良いと感じる程度にしましょう。
力の入れ具合がわからない場合は、ブラシで軽くトントン叩く方法もお勧めです。
紫外線ケアをしっかりする
紫外線による皮膚のダメージを「光老化」といい、放置すると頭皮はどんどん老化してしまいます。
それを避けるために、特に紫外線の強い5月~10月は帽子や日傘、UVカットスプレーなどを使用し、頭皮を守りましょう。
シャンプーは刺激の少ないものに
市販のシャンプーの多くは、洗浄成分として非常に脱脂力の強いラウレス硫酸やラウリル硫酸を配合しています。
洗浄力が強く必要な皮脂まで取り去ってしまうため、頭皮が乾燥しやすくなります。
皮脂には紫外線から肌を防護する作用があるため、それがなくなると毛母細胞がダメージを受けやすくなり、薄毛の原因となるのです。
薄毛が気になり出したら、脱脂力が穏やかなアミノ酸系やベタイン系洗浄成分がメインのシャンプーに切り替えましょう。
頭皮と髪に良い栄養をたっぷり摂る
頭皮や髪の主成分は、食べたタンパク質がビタミンCや亜鉛などによってケラチンタンパク質に変化したものです。
そこで、これらの栄養をしっかり摂るよう心がけましょう。
日本女性の場合、タンパク質の摂取量は充分ですが、ビタミンCと亜鉛は常に不足しています。
さらに、この2つの栄養素はストレスによって消費されてしまうため、ますます髪が育ちにくくなっています。
爪と髪は成分が似ているので、爪の形が悪くなったり縦線が見えたりしているようなら、髪の毛も劣化している可能性が高いです。
食事やサプリで充分補給しましょう。
まとめ
つむじは自分ではチェックしにくいため、人に指摘されて初めて気づくことが多いものです。
自分でもこまめに確認し、地肌が広がる前に改善させましょう。