歳を重ねるごとに悩むイメージが多い抜け毛ですが、近年、若い女性の悩みの種となることも少なくないようです。
ヘアアレンジを楽しみたい時期に抜け毛に悩まされてしまっては、せっかくのお洒落も素直に楽しめなくなってしまいますよね。
こういった若年性の抜け毛は、どのようなメカニズムで起こっているのでしょうか?
原因と対策についてご紹介します。
若年性の抜け毛・薄毛とは?
通常の抜け毛というのは、歳を重ねた際に頭皮や毛母細胞の老化が原因で起こります。
しかし、若年性の抜け毛は「若年性脱毛症」と言い、通常の抜け毛とはメカニズムが違い、原因や対策の仕方も異なるのです。
若年性の抜け毛というのは、10〜30代にかけて発症するものを指し、ヘアサイクル(毛髪のターンオーバー)が機能していないことによって起こります。
ヘアサイクルが機能していないと、髪の毛が本来抜けるはずのない成長段階で抜けたり、毛根そのものが細くなってきます。それにより、髪の毛全体が薄くなり、全体的に頭皮が透けて見える状態になってしまうのです。
部分的に抜け落ちる「円形脱毛症」などともまた異なる症状なので、これといって目立つものでもないですが、放置しておくことによって、「気が付いたら髪の毛が薄くなっていた」という事態になることも少なくありません。
若年性脱毛症、何が原因で起こる?
できることなら発症したくない、若年性の脱毛。
実は、日々の生活の中に、発症の原因が潜んでいるのです。
一体、毛髪を蝕む原因は何なのでしょうか。
①ホルモンバランスの乱れ
毛髪が育つには、「エストロゲン」と言われる女性ホルモンが必要不可欠です。
エストロゲンの働きによって、髪の毛にハリやコシが生まれ、丈夫で抜けにくい髪を育てることができるのです。
しかし、ホルモンバランスが乱れると、女性ホルモンよりも男性ホルモンの割合が多くなってしまうことがあります。
男性ホルモンの「テストステロン」が過剰に分泌されると、徐々に脱毛が進行してしまいます。
②過度なダイエットによる栄養の偏り
細くて綺麗な体型に憧れて、ダイエットに励む女性も少なくないでしょう。
努力そのものは素敵なことですが、それが間違った方向に向かってしまうと、脱毛を進行させる手助けをしてしまうことにも繋がります。
例えば、一日何か一つの食べ物しか食べない生活を続けたり、過度な食事制限をすることは、髪にとって好ましくありません。
髪の毛の主成分は、「ケラチン」と呼ばれるタンパク質でできています。
そして、そのケラチンを構成するのには「アミノ酸」が必要です。
アミノ酸を摂取するには、バランスのいい食事が必要不可欠です。
しかし、偏った食生活を続けていると、髪に必要なタンパク質を十分に摂取できず、うまく髪の毛が成長できなくなってしまいます。
結果、髪の毛自体が抜けなかったにしても、毛根が細くなっていくことで、結果的に髪の毛が薄くなってしまうこともあります。
③質の低い睡眠・睡眠不足
夜更かしをしていて気づいたら朝まで起きてしまったり、残業や飲み会で家に帰るのが遅くなってしまうのはよくあることですが、寝不足である状態は、髪の毛にとって非常によくありません。
髪の毛は、「成長ホルモン」が分泌される睡眠中に成長します。
睡眠をしっかり取ることによって、頭皮の血の巡りをよくすることにも繋がります。
しかし、睡眠時間が短いと成長ホルモンがうまく分泌されず、髪の毛の成長もあまりできなくなってしまいます。
④過度なストレス
現代社会において、女性も社会進出する機会が格段に増えました。
これまでの時代の女性たちとは生活スタイルも随分と変わり、結婚後も、家で過ごすことよりも、職場で過ごす時間が多くなりがちです。
人間が主にストレスを感じる瞬間は「人間関係」が多数を占めているそうです。
職場での人間関係、友人や家族との人間関係、数えるとキリがありません。
今やストレスとどれだけうまく付き合うかが人生をうまく生き抜く鍵とも言えますが、人生だけではなく、髪の毛にとっても重要な課題になっています。
「ストレスでハゲそう」という言葉をたまに耳にすることがありますが、あの言葉は間違ってはいないのです。
ストレスがかかってしまった時にうまくそれを発散できていないと、自律神経の乱れに繋がってしまいます。そして、自律神経が乱れてしまうと、体の至るところに不調が出てきてしまいます。
自律神経が乱れることによって、
・不眠
・食欲減退
・食欲過多
・胃腸機能の低下
などが引き起こされます。
不眠に陥ってしまうと、質の良い睡眠からは遠ざかってしまうので、髪の成長を妨げることになります。
食欲が減退してしまっても、うまく栄養を摂れなくなってしまいますし、食欲過多過ぎてもバランスのいい食事が摂取できるとは言えません。
いずれにせよ、ストレスとの向き合い方が抜け毛からいかに脱せられるかの分かれ道になってきます。
若年性脱毛症、どうやって改善したらいいの?
ここまで、若年性脱毛症の原因についてお話ししてきました。
決して先天性のものではなく、自らの生活習慣が引き金になって脱毛を引き起こしているケースが非常に多いことが分かるかと思います。
ということは、自分の心がけ一つで抜け毛を防ぐことももちろん可能だということです。
続いて、若年性脱毛症の改善策をご紹介します。
①バランスの取れた食事をする
前述したように、偏った食生活は抜け毛の原因になってしまいます。
3食きちんと、肉・魚・野菜を織り交ぜつつ、栄養バランスの良い食事をすることで、髪の毛を作るのに大事な栄養分をきちんと摂ることができます。
やはり、主成分はタンパク質なので、鶏肉や大豆食品、ヨーグルトなどの高タンパク食品をうまく取り入れると、抜け毛を抑えることができる上、髪質自体もさらに改善に向かうでしょう。
高タンパク食品はお腹に溜まりやすいため、食べ過ぎも防ぐことができますし、ダイエットに重要な筋肉を維持する手助けにもなってくれます。
髪だけではない、一石三鳥、四鳥にもなるお得な改善策ですので、ぜひ今日から取り入れてみてはいかがでしょうか。
②規則正しい生活をする
ここで述べている「規則正しい生活」というのは、
・午後10〜深夜2時のゴールデンタイムに就寝する
・食事の時間をきちんと決める
・ストレスを適度に発散する
ということです。
一気に全部頑張ろうとすると、それこそストレスになってしまう可能性があるので、無理のない範囲で、できることから始めてみましょう。
一日少しでもこのことを気に留めながら生活するだけでも、徐々に規則正しい生活を意識できるようになるでしょう。
身も蓋もないかもしれませんが、抜け毛に悩んでいることがすでにストレスになってしまうこともあります。
まずは「抜け毛のため」と思うよりも、自分の体をリフレッシュさせてあげるつもりで、取り組んでみるといいかもしれません。
まとめ
若くして抜け毛がひどくなってしまうと、悩んだり焦ってしまったりしがちです。
自分の生活習慣を思い返してみて、何か一つでも「これが原因かな…?」と思い当たる節があったときは、まずは一休みして、自分の心と体を休めてあげることから始めましょう。
もし、何を直しても抜け毛が治らない、といった場合には、病院で診察を受けることをお勧めします。
最近は、皮膚科や美容外科などでも抜け毛に関する外来を設置していることがありますので、女性でも通いやすくなっているかと思います。
ぜひ一度、お住まいの地域の病院を調べてみてください。