薄毛の原因は、いろいろな理由が問題が隠れています。
その一つとして、トリコチロマニアと呼ばれる原因が知られるようになりました。
知らず知らずのうちに、自分自身の行動が薄毛にしているかもしれないのです。
自分で髪を抜いてしまう行動
女性にとってヘアスタイルはファッションの一部というだけではなく、精神的な部分にも大きな影響を与えます。
髪が薄くなってしまえば、そのヘアスタイルにも影響が及び、気持ちの上でもとても大きなダメージを受けるでしょう。
薄毛になるということはそれだけ大きな問題を抱えるのです。
その原因が自分で自分の髪を抜いてしまうという状況であったら、問題は少し変わってきます。
自分で自分の髪を抜いてしまうことを抜毛症と呼びます。
髪の悩みの一つとして知られていますが、トリコチロマニアと呼ばれる疾患です。
自分で意識して抜いてしまうようなケースもあるほか、無意識のうちに引き抜いているような状態もあります。
子供や女性に多いとされていますが、実際には何が問題であるのかはっきりとわかっていません。
きっかけもどのようなものか人によってさまざまで、決定的な原因がこれと分かっていないのです。
気持ちを紛らわすために行われている場合もあり、ストレスを発散する方法としている場合もあります。
普段の行動の癖として繰り返される場合が多く、治す方法も明確にこれだといったものがありません。
はっきりとしていることは、そのままにしておけば髪は薄くなる一方だということです。
他の薄毛とは大きく異なり、治療する範囲としては精神科が対象となるでしょう。
トリコチロマニアの特徴として、4割にも及ぶ人が自分で抜いてしまった髪を噛んだり食べたりするという食毛性を持っています。
髪を食べてしまうという状態は非常に危険です。
体の中で消化ができないものであり、猫や犬と同じように毛玉になってしまいます。
これが溜まった状態になれば、消化不良や栄養失調だけではなく、腸などで詰まる可能性もあるのです。
行動を認識するところから
自分で髪を抜いてしまうため、ある範囲からどんどんと薄くなるのがトリコチロマニアの特徴です。
しかし、自分では意識的に行っていなかったりするため、止めることが難しいと言えるでしょう。
そこで自分が髪を抜いているという状態を認知するところからスタートします。
まずは無意識の行動を意識化するようにいくつかのチェックポイントを挙げて、何をしているのかをはっきりさせるのです。
気づきの訓練と呼ばれていますが、記録を残すことで、自分自身で抜いてしまっているというところに意識を向けていきます。
次に髪を抜くという行動に出た時に、逆らう行動ができる練習が必要です。
髪を抜きたい衝動に対し、その意識を持たないため反射的な行動が取れるようにしていきます。
これを拮抗行動と呼びますが、いろいろな方法があります。
人によって向いているものがあり、ほんのわずかな行動ですむため、周囲に誰かいても気が付くような事はありません。
拮抗行動も無意識でできるようになれば、仕事などにも支障をきたさずに済みます。
これらの行動は、自分で意識的にできるようになるまで、誰かのサポートが必要となるでしょう。
髪を抜いてしまう行動自体が無意識なため、自分自身だけでは治せない可能性が高いからです。
助けてくれる人が必要になる以上、信頼し否定しないという意識が欠かせません。
これらを繰り返していくことにより、髪を抜くという行動が他に置き変われば、行動が自然と修正されていくのです。
薬を使った方法もある
精神療法のとして、行動で修正できない場合には、薬を使った方法も取られます。
ただし、どんなものがはっきりと効果をあげられるのかがわかっていません。
原因が多岐にわたる上、人によって大きな差があるため、直接治療できる薬はないと言ってもいいでしょう。
抗不安剤や抗うつ剤が使われることが多く、同時に現れている精神疾患に対して使われている薬を利用するといったパターもあります。
不安感が募るトリコチロマニアのため、育毛剤を使うのも方法です。
自分を鏡で見た時に、髪が薄くなってしまう状況は誰しも不安になるでしょう。
髪が生えてくれば不安感の解消につながるため、育毛剤が使われます。
特に子供たちに発症した場合には、精神的に安定できるような方向性が使われるケースも多く見られます。
注意しなければいけないのは、自分自身が悪いことをしているという感覚がない点です。
これがトリコチロマニアの難しい部分でもあり、治すきっかけを見つけにくい特徴を持っています。
髪を引き抜いてしまうため、頭皮にも大きな影響を与える問題も忘れてはいけません。
専門医の領域ともなるため、自分達だけで解決しようとせず、病院で治療を受けるようにしていきましょう。
セルフチェックからスタートしてみる
自分がトリコチロマニアかもしれないと思った人は、セルフチェックを進めていくといいでしょう。
いくつかのポイントがわかっており、その中で当てはまるものがあるのなら、一度病院に相談してみることが大切です。
セルフチェックの内容としては、自分の容姿に関わるような髪やまつげなどを向いてしまう行動があるかどうかです。
眉毛を揃えるというのとは違い、容姿にデメリットを与えるような行動が自分の意識にある場合には問題と言えます。
どこかで辞めたいと思っていても、止めることができない時もトリコチロマニアの可能性があると言えるでしょう。
その行動は恥ずかしいものだと認識していても、止められないような時も危険です。
これが生活に支障を与えているのであれば、早い段階で医師に相談しなければいけません。
認識しているだけではなく、寝ている間に向いている可能性があるのなら、これもトリコチロマニアの可能性が高い行動です。
これらのセルフチェックポイントは、気が付いているだけわかりやすい内容と言えます。
もっと無意識のレベルで行動している可能性もあるからです。
髪が薄くなっている状況を理解していても、自分が抜いているという意識がなければ、身近にいる人に聞いてみるといいでしょう。
客観的に見て髪を抜く行動をしているのなら、こちらもできるだけ早く専門医に相談するべきです。
トリコチロマニア以外の脱毛症
トリコチロマニア以外にも、いろいろな脱毛症が存在します。
もしかしたら、他の原因が隠れているかもしれません。
トリコチロマニアの場合には、手に届きやすい範囲で抜いて行きますが、女性に多く見られる脱毛症はびまん性脱毛症と呼ばれる全体的に薄くなる傾向です。
円形脱毛症も近い状況が起きますが、ストレスを起因としているものや名駅脳の異常などが原因と考えられています。
しかし、こちらもはっきりしない部分が多く、初めのうちはトリコチロマニアと区別がつかない可能性もあるのです。
大きな違いとしては、一部分だけがはっきりと抜け落ちてしまうため、まばらに抜いてしまうトリコチロマニアとは違いが出てきます。
何か病気に対して飲んでいる薬が薄毛を引き起こす可能性もゼロではありません。
特に抗がん剤が知られてはいますが他にも可能性は出てくるため、おかしいと思った場合には医師に相談する方がいいでしょう。
まとめ
トリコチロマニアは、誰でも突然起こる可能性があります。
大きなストレスがかかっている時などもありますし、何の気ない行動が癖となり止めることができなくなる場合も考えられます。
自分自身では、抑制するために限界があるため、誰かに指摘された時には素直に病院に行って相談すると良いでしょう。