ヘアケア

薄毛女性の髪の内部まで浸透するトリートメントとコンディショナーの違いとは?

髪の毛がギシギシしてる…ちゃんとトリートメントしてるのに…

女性の髪の毛の悩みの一つに、『髪の毛の傷み』があります。

特にカラーやパーマを定期的にされる方は、髪の毛の傷みとは常に付き合っていかないといけない悩みですね。

ご自宅でシャンプーをした後のトリートメントは1セットなので、必ずする必要があります。

それをやっているのにも関わらず、髪の毛が傷んでいるのであれば、もしかしたらそれはトリートメントではないのかもしれません。

この記事では、

トリートメント
コンディショナー
リンス

の違いについて、現役美容師の私が解説していきます。

トリートメントっそもそも何?

髪の毛は本来、弱酸性です。

シャンプーをした直後は、アルカリ性に傾きます。

このアルカリ性に傾いた髪の毛を本来の弱酸性に戻すのが、大まかなトリートメントの役割です。

さらにこの働きに加え、傷んでしまった髪の毛を補修させる効果があります。

トリートメント
コンディショナー
リンス

と分かれているのは、この補修効果の差によって名称が違うからです。

補修効果の一番強いものがトリートメント、次にコンディショナー、一番効果の弱いのがリンスになります。

トリートメントの意味

髪の毛に関してのトリートメントという言葉の意味は、『ケアする、手当する』という意味です。

間違って解釈している方も多いですが、決して『回復させる』という意味ではありません。

基本的に髪の毛というものは、一度傷んでしまうと元に戻すことはできません。

元には戻せない代わりに、手当してあげて本来の状態に近づけさせよう、というのがトリートメントの役割です。

こう書くと「なんか大した事なさそう…」と思われるかもしれませんが、これでもコンディショナーやリンスよりもかなり優秀なものです。

髪の毛の中に補修成分を入れ込むことによって傷んだ髪をケアしてくれますが、販売しているメーカーによってその補修成分は様々。

価格面での幅が広いというのも特徴の一つですね。

優秀なトリートメント成分

価格面での幅が広いということは、それだけ良質なものとそうでないものの差があるということ。

ですが、それを販売されている価格だけで判断するのも難しいですよね。

選ぶ時の判断の一つとして、配合成分を確認するのが分かりやすいです。

そのなかでも保湿効果に優れたトリートメント成分として

アスパラギン酸
アラニン
グリシン
バリン

があります。

これらは保湿効果として非常に優秀なトリートメント成分です。

気になって手に取ったトリートメントボトルの裏を見て、成分表にこれらの成分が入っているかを確認してみるといいですね。

コンディショナーの意味

コンディショナーは、『整える』という意味です。

補修効果のレベルでいうと、トリートメントよりも弱くリンスよりも高いと言えます。

トリートメントが髪の毛の内部まで補修成分を入れ込んでくれるのとは違い、コンディショナーは髪の毛の奥深くまでは浸透してくれません。

補修成分自体もトリートメントに使われる成分よりもグレードの低いものが多く、髪の毛の傷み自体を緩和することを期待できるものではありません。

トリートメントよりも価格帯が安価なことと、種類が豊富に販売されているのが特徴です。

好みの香りで選んだりしやすいのはコンディショナーですね。

リンスの意味

リンスは、『すすぐ』という意味です。

近年はあまりリンスという名称で販売するメーカーは少なくなってきましたが、これは元々、石けんで頭を洗っていた時代に生まれた製品です。

髪の毛を通常の石けんで洗ったことを想像してもらうと分かりやすいと思いますが、当然、髪の毛がギシギシになります。

その時代の女性たちが、洗髪後のギシギシをどうにかしたいと思って開発されたのがリンスです。

なので、リンスは本来シャンプー後の滑りの悪いギシギシを改善させることが目的であり、補修効果自体がありません。

髪の毛の傷みが気になっている方にはもともと適していない製品、ということになります。

トリートメントとコンディショナーを使う順番

トリートメントとコンディショナーを両方使う際には、その順番も大事になります。

使い方としては先にトリートメント、その後にコンディショナーです。

トリートメントは上記したように髪の毛の内部に補修成分を浸透させてくれます。

コンディショナーは髪の毛の表面を整えてくれる効果の方が高く、キューティクルを保護する役割があります。

先にコンディショナーをしてしまうと、キューティクルが保護されてしまいトリートメントの補修成分が内部まで浸透してくれません。

トリートメントとコンディショナーの両方を使いたいときは、この順番にも気を使ってあげることが重要です。

とは言え、もともとトリートメントにも表面のキューティクルを保護する効果はありますから、トリートメントだけの使用でも特に問題はありません。

実際に私が働いている美容室でもシャンプー後はトリートメントの処理だけで十分です。

トリートメントとコンディショナーのダブル使いをするぐらいなら、より質の高いトリートメントを使用した方が時短にもなります。

ノンシリコンを選ぶべき?

一時期ノンシリコンシャンプーが話題になり、シリコン自体が悪者のような扱いを受けていました。

それに便乗して、ノンシリコントリートメントというものを出しているメーカーもあります。

美容師によっても未だに意見の分かれる問題ですが、本来シリコン自体に髪の毛への悪影響はないのです。

毛穴を詰まらせてしまうというのも、よほど低品質なシャンプーでなければまず起こらないことです。

トリートメントに関しても同じことが言えますし、トリートメント自体がもともと頭皮につけるものではないので、そもそも毛穴が詰まるということはありません。

香りや価格が見合ったものがたまたまノンシリコントリートメントであったのなら是非、それを使っていただければと思いますが、わざわざノンシリコンのトリートメントを探す必要はありません。

美容室でのトリートメントとホームケアでのトリートメントの違い

同じ名称のトリートメントなので混同しやすい美容室での施術とホームケア用品としての違い。

実は全くの別物です

ホームケア用のトリートメントが『手当する、ケアする』というものなのに対し、美容室でのトリートメントは『髪質改善』を謳うことができます。

ホームケア用のトリートメントは、基本的にポンプから2~3プッシュした1種類のテクスチャを髪の毛につけます。

美容室での施術では、大体3~4種類のトリートメントを順番に髪の毛に浸透させていき、その内容成分もそれぞれに違います。

そうして髪の毛の内部に補修成分と栄養を浸透させてあげることで、本来の髪質に改善させてあげることが美容室でのトリートメントになります。

時間にしても約30~40分ほどかかりますし、金額的にも3,500~8,000円ほどとかなりの幅があります。

使用しているトリートメントの種類や美容室によって様々ですが、あまりにもハイダメージ毛になってしまった髪の毛には、ホームケア用のトリートメントでは対応できません。

髪の毛がかなりの傷み具合になっている状態であれば、しっかりとプロの美容師に一度見てもらったほうがいいでしょう。

まとめ

実際に美容師としてお客様にご相談をされることはよくありますが、話を聞くと意外と多くの方がコンディショナーやリンスをトリートメントだと思って使用されています。

必ずしもコンディショナーやリンスが悪いということではなく、大事なのは髪質によって合わせる必要があるということです。

カラーやパーマなどで傷みが目立つ状態であれば当然、コンディショナーでは対応出来ませんし、重度であれば美容室でのトリートメントが必要になります。

是非、ご自分の髪の毛の状態に合ったものを選んでいただけたらと思います。