頭皮のトラブルにはさまざまな種類がありますが、中でも皮脂のトラブルは薄毛につながる重大な問題です。
頭皮にとっては欠かすことができな皮脂だからこそ、トラブルにならないようなコントロールが必要になります。
分泌量を正常に戻すなど対処方法を知っておく必要があるでしょう。
頭皮を守る皮脂とトラブル
頭皮にとって皮脂は欠かすことができない存在です。
普段、肌のお手入れをする時に、化粧水をつけた後に乳液など油分を与えるでしょう。
理由は簡単です。
表面を油でコーティングすることで、水分の蒸発を抑えます。
これと同じことが頭皮でも行われていると解釈すれば、皮脂がどれほど重要な役割を持っているのかが分かるはずです。
ところが問題もあります。
肌に乳液をつけ過ぎれば、べたつきを感じ違和感が出てくるでしょう。
つけすぎだとすぐにわかりますが、頭皮はそうはいきません。
皮脂が大量に分泌されるような状況ができると、さまざまなトラブルを引き起こすからです。
トラブルにもいろいろな種類があり、対処方法も変わってきます。
薄毛などに発展する前に、抑えられる方法を理解しておく必要があるでしょう。
こんなトラブルが起きる
皮脂の分泌がトラブルになる理由は、いろいろと出てきます。
初期の段階では頭皮にべたつきを覚え、違和感が生じるでしょう。
髪の脂っぽさにも通じるポイントですが、皮脂が髪にまとわりつき、まるで整髪料によって光るような状態が出来上がります。
手で触ると湿ったような状態を感じ、清潔感のない感じに変わるのです。
次に起きてくるのが、この皮脂をエサとする常在菌が大量繁殖していきます。
常在菌と呼ばれるものは、普段は何ら問題はありません。
誰でも存在する菌であり、非常に多くの種類が存在しています。
これが過剰に繁殖してくると問題が起きるのです。
代表的なのがマラセチア菌で、ニキビのもとになることでも知られています。
この菌が繁殖してしまうと、頭皮に異常をきたすのです。
炎症を起こすもとでもあり、頭皮のターンオーバーに異常が出てきます。
フケが大量に出てきたり、頭皮に痒みを覚える原因になるのです。
本来常在菌は、ほかの菌が入ってきたりするのを防いでくれる大事な存在ですが、大量に繁殖させてはいけません。
頭皮から嫌な臭いがするというのも、この繁殖による問題が大きなウエイトを占めます。
さらに問題となってくるのは、汗と反応をし始めた時です。
初期の段階ではそこまで大きなは問題ではありません。
しかし、毛穴にまで炎症が広がり始めてしまう可能性があるのが脂漏性皮膚炎です。
頭皮に赤い湿疹が見られるようになり、フケはさらにひどくなります。
毛穴にも炎症が広がることから、かなりの抜け毛が出てくるのです。
ここまで来ると簡単に治療することはできないため、医師の診断が必要となるでしょう。
脂漏性皮膚炎は常在菌だけではなく、カビが繁殖したことにより起こる場合もあります。
非常に大きな問題を抱えるため注意しなければいけません。
過剰分泌を起こす原因
皮脂が過剰分泌を起こすのには、いくつかの原因が考えられます。
自然と皮脂が増えてしまうような状況はあまり考えにくく、どこかに引き金を引いた原因がいると考えたほうがいいでしょう。
皮脂も脂肪の一種ですので、体の中で作り出されます。
しかし、食事と共に摂取したことにより、過剰分泌につながる可能性は否定できません。
特に食生活が乱れている状態では、皮脂が増えていく傾向が見られます。
日常的に脂っこいものを食べていたりすれば、かなり増えてくるでしょう。
それだけではなく日常的に食事をコンビニで済ませていたりすると、バランスが崩れ皮脂を分泌させやすくなるのです。
日常生活という面では、過度な飲酒や喫煙も同じような状況を招くと考えられています。
過度な飲酒も喫煙も体にメリットがありません。
ダメージを残す問題点となるため、皮脂の分泌だけではなく修理しなければいけないのです。
頭皮がべたつくと、シャンプーで洗い流そうとします。
自然な流れですが、洗い残しがあればだんだんと蓄積していくでしょう。
しっかりと洗い流さなければいけませんが、ここにも落とし穴が存在します。
頭皮は皮脂を使って内部の水分を守っていますが、あまりに落としすぎてしまうと、皮脂を分泌しようとするのです。
分泌していなければ守れないためで、さらにシャンプーで落とせば、おいかけっこのように皮脂を分泌していきます。
つまり、悪循環を生み出すきっかけとなるのです。
落とさなければ蓄積し、落とし過ぎれば過剰分泌につながるため、適度に洗うという習慣が必要になります。
他にもスタイリング剤が落ちていなかったりするのも原因ですが、あまり強い洗浄力のシャンプーは逆効果になると思って間違いありません。
生活のリズムとして、睡眠時間が少なくなると髪がべたついて感じるようになるでしょう。
これはホルモンバランスの影響もあり、皮脂の分泌量が増えてしまっているからです。
同様にストレスなどでも同じような状況が生まれます。
睡眠不足による成長ホルモンの分泌の低下が、頭皮の新陳代謝と連動し乾燥しやすくなるため、守るために皮脂を分泌している時もあるのです。
一つのことだけが影響するのではなく、多くの条件がある連動して皮脂の分泌を促している可能性か分かります。
改善を目指す際には一つずつ対策を施し、解決できるようにしなければいけません。
皮脂を落としすぎないシャンプーの仕方
頭皮の皮脂の量を適度な状態に保つためには、シャンプーの仕方の見直しも必要です。
強く洗えばいいというわけではないため、洗い方一つで状況も変化します。
髪を洗う時には、まずは予洗いをするのが大切です。
シャンプーで落とす前にぬるま湯で髪をすすぐ方法で、汚れの大半を落とすことができます。
ぬるま湯で落とすことにより、必要以上に皮脂を落としたりしません。
過剰な分泌を防ぐために、初期の段階で対処しておくのが予洗いのポイントです。
ゆっくりと負担をかけないように洗い流してからシャンプーをしましょう。
シャンプーも頭皮を洗うように意識するのがポイントで、直接つけるのではなく一旦泡立ててからにしなければいけません。
直接つけて泡立て用とすると、どうしても負担が増えます。
同時にマッサージするように指の腹で柔らかく包み込み、揉み込むように洗うのが大切です。
最後にシャンプーは全てすすぎ落とすというイメージを持ちます。
髪を洗う時に行った予洗いと同じで、ぬるま湯でゆっくりとすすぎますが、頭皮にシャンプーを残してはいけません。
シャンプーが残っていると炎症を起こすきっかけとなり、皮脂の過剰分泌など異常をきたすかもしれないからです。
頭皮にとってはシャンプーは必要なものではなく、余計なものでしかありません。
ぬるま湯を使ってゆっくりと落としていくだけでも、頭皮環境の改善につながるでしょう。
洗う時よりも落とす時に時間をかけるといったイメージがぴったりです。
シャンプー自体もあまり洗浄力の強いものではなく、1日1回にとどめます。
これ以上シャンプーを繰り返してしまうと、洗い過ぎになる可能性が高いからです。
一日一回あれば汚れも十分に落とせるため、夜洗うという習慣を身につけましょう。
まとめ
皮脂の過剰分泌は、さまざまな要因が関わっています。
その要因をひとつずつ解決していく必要がありますが、まずはシャンプーの方法から考え直してみると良いでしょう。
トラブルを解決するつもりが、過剰分泌を引き起こす原因になっている場合が出てきます。
徐々に変化が見られるようになるため、ここから他の部分の改善もしていけば、効率的に直しができるのです。