生え際の薄毛というと、なんとなく男性の薄毛というイメージをもたれがちです。
ですが、実は女性でも生え際の薄毛に悩んでいる人はたくさんいます。
顔を洗おうとして前髪をあげたり髪を洗って乾かそうとしたりしたときに、薄くなっているのに気がついてひそかに困っている人もいるのではないでしょうか。
前髪や生え際は場所的に目につきやすいので、なんとかしたいところです。
ここでは、生え際が薄くなる原因や対処法について紹介します。
女性によくある生え際が薄くなるパターン
男性は頭頂部がまばらになったり額がM字に後退したりと、特定の部分が薄くなることが一般的です。
対して、女性は全体的にまばらになるケースがよくみられる一方、生え際のひどい抜け毛や薄毛で悩む人も増えています。
ただ、ひとくちに生え際の薄毛といっても、いくつかのパターンがあります。
生え際が後退しておでこが広くなってくる
女性ではそれほど多くありませんが、生え際全体が後退してしまうことがあります。
こめかみの部分が剃り込みのように薄くなる
こめかみのあたりに産毛や細かな毛が増え、剃り込みを入れたような状態で薄くなっていくパターンもみられます。
前髪の量が減ってざんばらに
前髪のある人は、全体の量が減ってすかすかになってしまうことがあります。
なまじ前髪が少しあることで薄さが目立ってしまい、老けた印象を与えがちです。
生え際が薄くなる原因は?
男性で生え際がM字型に薄くなる場合、ほとんどのケースでAGA(男性型脱毛症)が原因とされています。
しかし、女性の生え際が薄くなる場合は、さまざまな原因が考えられます。
きつめに髪を結っている
前髪が長い人がひっつめ髪やポニーテールにすると、前髪もまとめて後ろに強くひっぱられてしまいます。
たまに結ぶ程度なら問題ありません。
しかし、毎日のように前髪もふくめて後ろできつめに結っている人は、ひっぱられている部分の頭皮や髪に負担がかかり続けています。
その結果、髪が抜けやすくなり、薄くなってしまうことがあるのです。
これを牽引性脱毛症と呼びます。
髪をセットしたりストレートにしたりするために毎日ヘアアイロンやコテを使って強くひっぱっている人も要注意です。
ファンデーションやスタイリング剤がきちんと落ちていない
女性ならではの原因として、メイクがしっかり落ちていないケースが挙げられます。
生え際ぎりぎりまで下地クリームやファンデーションを塗っていると、クレンジングの際にうっかり落とし忘れて皮脂づまりを起こしてしまうことがあります。
毛穴がつまると健康な髪の成長を阻害してしまい、抜け毛につながることがあるのです。
スタイリング剤も、髪の根元までつけるような使い方をし、きちんと洗い流せていないときに毛穴づまりを起こしてしまうことがあります。
女性ホルモンのバランスの乱れ
女性ホルモンは、女性らしい体づくりをするだけでなく髪にも影響を与えています。
女性ホルモンが豊かに分泌されているうちは、髪も太くつややかに育ちやすいです。
ところが、年齢を重ねるごとに女性ホルモンの分泌量は次第に減ってしまいます。
その結果、髪の成長期が短くなったり次がなかなか生えてこなくなったりして、薄くなることがあるのです。
女性ホルモンは、加齢だけでなくストレスや生活習慣の乱れなどが原因で分泌量が減ることもあります。
なお、女性ホルモンの分泌量が原因で薄毛になるときは、生え際だけでなく全体的に影響がでやすい傾向があります。
女性の体にも男性ホルモンは存在します。
とはいえ、通常は女性ホルモンが優勢なため、ふだんはあまり影響を及ぼすことはありません。
しかし、女性ホルモンの分泌量が減ると相対的に男性ホルモンが優位になるので、女性型男性脱毛症(FAGA)になることがあります。
FAGAになると、前髪やこめかみが薄くなりやすいです。
シャンプーが合わない、洗いすぎる
髪の健康を保つには、頭皮を清潔に保つことが不可欠です。
しかし、肌質や体質に合わないシャンプーを使っていると髪や頭皮がダメージを受けてしまうことがあります。
ダメージが幾隻すると髪が丈夫に育ちづらくなり、すぐに抜けてしまうようになることがあります。
また、肌質に合うシャンプーを使っていても、1日2回など洗いすぎるのは良くありません。
頭皮にダメージを与え、薄毛につながることがあります。
ヘアカラーによるアレルギー
白髪を黒くしたり黒髪を明るい色にしたりするために、ヘアカラー剤を使っている人もいるでしょう。
このヘアカラー剤に含まれている成分が原因でアレルギー反応を起こし、頭皮に炎症や肌荒れが起こることがあります。
頭皮が荒れてしまうと、髪が健やかに育ちづらくなってしまい、結果として薄毛を招くことがあるのです。
気になる生え際の薄毛!6つの対処法を紹介
生え際が薄くなると、人目も気になりますよね。
ここでは、具体的な対処法について紹介します。
髪型を変える
いつも後ろで1つにまとめて結っている人は、それをやめましょう。
思い切ってショートヘアにするのもおすすめです。
髪が短くなるとそれだけ軽くなるので、頭皮にかかる負担が軽減されます。
かかりつけの美容院で、生え際や前髪が薄くなっている状態がカバーできる髪型にするよう相談するのもおすすめです。
クレンジング、洗顔は丁寧に行う
クレンジングや洗顔をする際は、洗い残しやすすぎ残しのないようにすみずみまで丁寧に行うように気をつけましょう。
また、面倒だからとメイクをした日も洗顔だけで済ませたりしていませんか。
メイクは石けんや洗顔料では落とし切ることはできません。
面倒でも、メイクをしたときはクレンジングと洗顔を行うことが大切です。
生活環境を改善する
加齢で女性ホルモンの分泌量が減ってしまうのはどうしようもありません。
ただし、生活習慣を整え、心身を健やかに保つことでいくらかカバーできる可能性があります。
睡眠はしっかりとり、決まった時間に起床・就寝するなど生活リズムをしっかり整えることが大切です。
ストレスを解消し、血行を良くするため、適度に運動するのも良いでしょう。
シャンプーを見直す
洗髪したあと、なんだか頭皮がかゆい、赤くなる、かさつくといったことはありませんか。
合わないようであれば、低刺激で洗浄力がマイルドなシャンプーに変えてみましょう。
肌の調子を整えるには潤いを与えることが欠かせません。
シャンプーも保湿成分が配合されているものならなおおすすめです。
育毛剤を使う
女性用の育毛剤を使うのも1つの方法です。
頭皮の炎症を抑えたり血行を促進したりなど、髪が育ちやすい状態へと整えてくれます。
すぐに効果がでるものではないので、3~6カ月程度は使い続けるようにしましょう。
クリニックで相談する
加齢によるホルモンの減少やFAGAが原因のときは、セルフケアだけでは限界があります。
頭髪外来やAGAクリニックなどで相談し、適切な治療を受けるのも良いでしょう。
まとめ:生え際の薄毛は適切な対処でケアしよう
生え際が後退したり、前髪が減ったりすると目につきやすく、気になるものです。
いつも髪をまとめていたりクレンジングや洗顔を丁寧に行っていなかったりなど、心あたりがあるときは、まずそこから対処しましょう。
身体の健康は生活習慣を整えることが欠かせません。
これは、髪の健康にもいえます。
よく眠り、早寝早起きを心がけることも大切です。
それでも改善の兆しがみられないときは、育毛剤を活用したりクリニックで相談したりすることも検討しましょう。