髪をとかした時に、ブラシで髪が残っていると、気になってしまうものです。
それも大量に髪が残れば、正常な状態なのかどうか、薄毛になるのではないかと悩みの誰にもなるでしょう。
特にドライヤーをかけてブラシがけをしている時には、いろいろな原因で抜け毛が増えたりするため理解を高めて予防していかなければいけません。
髪の構造と熱の関係
人間の髪は、1日100本程度抜けていきます。
これは何も珍しいことではなく、人間の髪のヘアサイクルから見ても正しい状態です。
本数から見ても少ないものではありません。
ドライヤーをかけた時のブラシを見ると、結構こっそりと残っているような感じになるはずです。
そのため通常であれば何ら問題はありません。
ブラシをかけた時には摩擦も生じ、力もかかります。
弱く脆くなった髪が切れて残るケースもあるでしょう。
それを考えれば、通常の範囲内であれば何ら問題はないのです。
1日100本程度抜けたとしても、それをカバーするだけ伸びていきます。
しっかりと成長していけば、ブラシ程度で抜けた量は心配する必要がないのです。
ドライヤーをかける瞬間にも理由が隠れています。
髪は濡れると、表面を覆っているキューティクルが開く特性を持っています。
このキューティクルは髪の中心部を守る大事な組織で、盾のような役割を持っているのです。
キューティクルは根元からうろこ状に並んでいるのが特徴で、根元からゆっくりとブラッシングをするでしょう。
これもキューティクルに逆らわないための方法なのです。
実際に抜けた髪を逆方向に触ってみると、キューティクルが引っかかるのがわかります。
特に濡れた状態のキューティクルは、非常に脆い状態です。
ドライヤーで乾かしながらブラッシングするだけでも、抜けたりする原因になります。
この摩擦を避けるようにブラッシングしなければいけないため、かなり丁寧に行う必要があるでしょう。
ドライヤーは熱で髪を乾かしますが、このダメージもかなりのものです。
温度としては100度から120度にもなり、少し離れた場所でも90度近くになります。
髪はたんぱく質でできており、変質する温度は150度を超えたあたりです。
つまり、キューティクルが熱から守ってはくれますが、開いた状態で長時間ドライヤーの熱にさらせば傷みが出てしまいます。
水分が多いほうが限界温度は高くなりますが、キューティクルが損傷してしまえばどうにもなりません。
ドライヤーの上手な使い方
抜け毛を防ぐためには、ドライヤーのかけ方から考えなければいけません。
髪を洗った後に乾かす場合には、まずはしっかりとしたタオルドライが必要です。
タオルで水分を吸い取りますが、ここで髪をこするとダメージを与えるため、軽く叩くように水分を取ります。
特に頭皮の水分をとるのを忘れがちです。
髪を育てるのは頭皮なのでしっかりと水分を取り除きます。
次にブラッシングをして絡まった状態をほぐします。
とても重要なことですが、濡れている時に絡まっていると、それだけで摩擦が増えてダメージが増えてしまうのです。
ただし、髪が濡れている状態で、キューティクルも開いて弱い状態のため、目の粗いブラシでゆっくりと丁寧にかけなければいけません。
少しでも強い力がかかれば、簡単に切れてしまうからです。
乾かす時には距離をとって、根元から風を当てていくのがポイントです。
ひとつの場所に強く当ててしまうと、そこだけ熱がこもります。
たとえ限界の温度に達しなくても、どんどんとダメージを蓄積するため、ドライヤーの首を振りながら熱を与えると良いでしょう。
ドライヤーの距離は、最低でも20cmは取ります。
これだけの距離があれば、熱も伝わりつつ必要以上の温度になりにくくなるからです。
熱がこもった状態のままでは、髪に負担をかけるため、最後に冷風で冷やしてあげます。
これで髪の傷みの予防につながり、ブラシをかけた時の負担を減らせるのです。
温度を下げることでキューティクルが収縮し、髪のツヤもでてきます。
美しい髪を作りたいと思っている人は、実践してみると良いでしょう。
自然乾燥は危険
ドライヤーをかけるのは必要なことです。
髪を守っていくために大切な工程ですが、面倒くさがって自然乾燥している人も少なくありません。
熱がかかるからプラスをかけた時に髪が残ってしまうのではないかと考えるのも、一理あるのは確かです。
しかし、ドライヤーを使わずに乾かさない選択が、とてもリスクがあることに気がつかなければいけません。
濡れたまま放置すると、気化熱によって頭皮の熱を奪われます。
水分が蒸発する時に周りの熱を奪っていく現象ですが、頭皮が消えてしまう原因になるのです。
冷えた頭皮は血流が悪くなり、髪の成長のために必要な栄養が届きにくくなります。
これがヘアサイクルの狂いを作る原因で、抜け毛が増えてしまう要因ともなるでしょう。
ヘアサイクルをしっかりと維持することは、ブラシに髪が残る人にとって注意しなければいけないポイントだからです。
濡れた状態をそのままにしておくと、風呂上がりで温まった状態のため、高い湿度を続けてしまいます。
本来あまり影響のない雑菌等の繁殖を手伝うこととなり、臭いやかゆみの原因となるのです。
このかゆみが大きな問題で、ただかゆいだけではなく、雑菌の影響で頭皮が炎症を起こしています。
これが毛穴にも影響を起こし、やがて毛根のダメージにも繋がります。
髪が弱くなり、抜けてしまう状況も起こるため、改善しなければいけないポイント2なるのです。
自然乾燥は決して良いものではなく、ダメージを作る原因等を取らなければいけません。
トリートメントとヘアアイロンの注意
ドライヤーを使う際には、髪が耐えられるように抑えなければいけません。
そのポイントになるのは首を振って分散させるところにありますが、瞬間的でも高温になるのは髪にとっては辛い状態です。
そこで対策を取る必要がありますが、中でも簡単な方法として使われているのがトリートメントの活用と言っていいでしょう。
トリートメントをつけるのは、髪にツヤを出すためだけではありません。
表面をコーティングして守ってくれるため、キューティクルにかかる負担も減らせるのです。
トリートメントは表面を保護する状態となるため、ドライヤーの温度に対しても耐えやすくなります。
ドライヤーは髪を乾かすために使いますが、濡れた状態でヘアアイロンを使う人もいるでしょう。
同じように熱を与える点では共通しているものの、ドライヤーよりもさらに高温になります。
濡れた状態でヘアアイロンを使うと、乾かすどころかダメージを増やします。
大量の水分が急激に蒸発したことで髪を痛めるリスクを増やすため、非常に危険な状態を作ることからも、ドライヤーで乾かしてから利用するのが大切です。
温度の調節も重要で、150度程度の低温設定で使うのも髪のダメージを抑えるために考慮しなければいけません。
温度を下げると効果が少なくなるように感じますが、ダメージを与えてしまえば後から回復しにくくなるため、ヘアアイロンは注意して使いましょう。
まとめ
ブラシに髪が残る理由は、傷みが残ってしまっているからです。
髪の傷みは容易に回復するものではなく、ひどい場合にはそこからカットしなければいけなくなります。
抜け毛が増える原因もドライヤーの使い方次第で変わる部分があるため、熱を考慮しながら乾かすようにしましょう。
特に自然乾燥を狙ってそのままにしておくことが、ダメージを増やす結果となるため、髪を洗ったら絶対に放置しないのが大切です。