仕事で1日中パソコンを操作している、プライベートタイムはスマホをずっといじっている…そんな女性の多くが、肩こりで悩んでいます。
中には肩から背中までこり固まって、まるで板のようになってしまうことも。
たかが肩こりと放置しがちですが、それが薄毛の原因となることがあるのです。
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肩こりがひどい!その原因とは
肩こりは筋肉痛の一種ですが、特に肩の負担になるようなことはしていなくても痛みが起こります。
その原因にはどんなことがあるのでしょうか。
①肩には頭と腕の重みがかかっている
頭は体重の約10分の1の重さがあるので、首や肩には常に5キロ前後の重量がかかっています。
また、腕は1本が体重の約16分の1なので、体重50キロなら片方の肩に約3キロの重みが常にかかっています。
これだけの重量がかかっているので、何もしなくても肩や首はこりやすいのです。
②姿勢が悪くなるとさらに負担がかかる
頭が5キロ前後というのは、首がまっすぐ上を向いている場合です。
約15度前に出ると約12キロ、30度なら18キロと、角度によって首と肩にかかる負荷が大きくなっていくのです。
スマホを長時間使用する人に多いのが「スマホ首」という、首の骨の湾曲がなくなってしまう状態です。
湾曲によって重みが分散するので、それがなくなると前に出た首とそれを支える肩に元の重さの数倍の負荷がかかるようになります。
すると筋肉が常に緊張している状態になり、それが肩こりにつながるのです。
③同じ姿勢を取り続けると血流が悪くなる
血液は心臓のポンプによって全身を回っていますが、それだけだと重力に逆らって心臓より上の部分に送るには力不足です。
そのため、筋肉が動く時に血管も伸縮し、血流を助けているのです。
しかし、パソコンやスマホの操作で長時間同じ姿勢でいると筋肉がほとんど動かないため、肩周りの血流が悪くなります。
さらに、筋肉は動かないと硬くなるため、周辺の血管が圧迫されてさらに血液が流れにくくなってしまうのです。
肩こりが抜け毛や薄毛を引き起こす理由
肩こりが続くと抜け毛や薄毛が増える原因は、大きく分けて2つあります。
血行不良で髪が成長できなくなる
髪の毛は、頭皮に張り巡らされた毛細血管から栄養と酸素をもらっています。
髪の製造細胞である毛母細胞は、栄養と酸素を血管から受け取ることで細胞分裂を繰り返し、髪が伸びていきます。
しかし肩こりによって肩から上の部分の血流が悪くなると、頭部まで送られるべき栄養が少なくなり、細いまま、あるいは短いうちに抜けやすくなるのです。
さらに、通常は髪が抜ける数か月前から毛母細胞が新しい髪を作り出し、寿命が来た髪を押し出して新しい髪が伸びていきます。
しかし血液が不足すると新しい髪を作ることができなくなってきて、髪の量自体が減ってきてしまうのです。
毛細血管そのものが消失する
頭皮の血管は耳から下には太い動脈が走っているものの、そこから毛細血管に分岐します。
1本の毛細血管は髪の毛の10分の1程度の太さしかなく、肩こりによって血液が送られなくなってくると次第に短くなり、最終的に消滅してしまいます。
これを「ゴースト血管」といい、栄養と酸素が一切届かなくなった部分の髪の毛は頭皮に軽く刺さっているだけの状態となり、ブラッシングやシャンプーなどで簡単に抜けてしまうのです。
女性は肩がこりやすい!その4つの理由
2015年と多少古いアンケートになりますが、ネット調査によると男性に比べ女性は肩こりを訴える人が約2割多く、特に30代~50代の女性の約8割が肩こりに悩んでいます。
女性が多い代表的な理由は4つあります。
冷え
筋肉には、熱を生み出す働きがあります。
しかし筋肉が少ない女性は熱をなかなか作り出せないため、冷え性になりがちです。
しかも筋肉が生み出した熱を全身に送るのは血液なので、冷えで血管が収縮してしまうとますます熱が送られにくくなってしまう上に、凝り固まってしまうのです。
皮下脂肪が多い
よく、皮下脂肪が多いと身体が温まりやすいと言いますが、実際にはそうでもありません。
皮下脂肪には血管が少ないため内部から充分温めることができず、外気によって一旦冷えてしまうとなかなか温まらないのです。
そのため、特に血液の循環が悪くなる冬は皮下脂肪が冷却作用を持ってしまい、全身を冷やして肩こりが起こりやすくなるのです。
仕事や家事、育児
女性は仕事、家事、育児などで前かがみの姿勢を取ることが多く、それを毎日何年間も続けることで筋肉が硬くなってしまいます。
特に育児で赤ちゃんを抱いたり背負ったりすると、肩には何キロもの重量がかかることになります。
すると肩の骨が歪みそれを筋肉が支えることになるため、肩こりが慢性化してしまうのです。
ファッション
首や肩、胸などには太い血管があるため、その部分を露出するとせっかくの熱が逃げやすくなります。
すると筋肉が硬くなると同時に血管も収縮してしまい、痛みやこりを発するのです。
その他、身体に張り付くようなデザインや、スーツのように身体を自由に動かしにくいタイプの服をよく着ている場合も、血行が悪くなって肩こりの原因となります。
さらに、案外見落としがちなのがブラジャーです。
本来、胸を支えるのはカップの下からバックベルトにかけての部分ですが、中にはストラップを短くすることで支えたり、無理にバストアップさせようとしてしまう人がいます。
すると胸の重みが肩にかかる上にストラップで締め付けられてしまうため、血流が悪くなって肩こりがひどくなるのです。
肩こりを解消して薄毛を予防改善するには
肩こりをすぐに解消することはできないものの、日常生活の見直しで徐々に改善させることは可能です。
以下の方法をおすすめします。
①湯船に浸かって血行を良くする
一番簡単かつ効果的なのが、湯船に浸かって全身をほぐすことです。
身体が温まると筋肉が緩み血行が良くなるため、肩のこりが改善するのです。
また、血行が良くなると頭皮にも充分な栄養が回るようになるので、薄毛改善にも効果的です。
できれば毎晩お湯に浸かるのが良いのですが、それができない場合はこっている部分を中心に、強めのシャワーを当てるようにしましょう。
②長時間同じ姿勢を取らないようにする
スマホやパソコンに真剣になってしまうと、どうしても猫背のまま身体が固まりやすくなります。
ちょっとでも肩がこったと感じたら、思い切り伸びをしたり肩を上げ下げしたり回したりといった運動を、血行が良くなるのが感じられるまで続けましょう。
③意識して腕を動かす
これまでより少し大きく腕を動かすことで、肩への血流が良くなります。
歩く時にちょっと腕を大きく振ったり、シャンプーの時に肘をぐっと左右に開いて洗うなど、ちょっとしたことの積み重ねが肩こりを緩和し、薄毛を予防してくれます。
④ショルダーバッグは同じほうの肩にばかりかけない
案外クセになっているのが、いつも同じほうの肩にショルダーバッグをかけてしまうことです。
これを続けると身体が歪んできて、バランスを取るために筋肉に負荷がかかります。
すると、バッグをかけているほうの肩が凝りやすくなるのです。
鏡や写真をチェックし、どちらかの肩が上がっているようなら、意識して反対側にかけるようにしましょう。
⑤ペットボトルやダンベルで肩を鍛える
500ml~1L程度のペットボトルや1キロ程度のダンベルを両手に持ち、片方ずつ上げ下げするだけで筋肉がついてきて、肩こりしにくくなります。
1回につき片方ずつ10回程度で良いので、1日数回続けましょう。
まとめ
女性の薄毛は正しいケアを続けることで、予防も改善も可能だといわれています。
ボリュームがなくなってきた、抜け毛が増えたと感じたら、まずは肩こりを改善して頭皮に充分な血液と栄養を送ってあげるようにしましょう。