日本には健康に良いとされ活用されてきたものがたくさんあります。
民間伝承として利用されてきたものもありますが、今では科学も進み本当に影響のあるものがうまく利用されるようになりました。
そこで注目されるようになったのがセンブリであり、エキスとして育毛剤などにも使われるようになりましたが、どのようなものなのか理解しておきましょう。
育毛剤に使われているセンブリとは
育毛剤にも利用されるようになったセンブリは、古くから自生している植物です。
日当たりの良い所に育つ2年草で、星の形に似たような花をつけます。
山野草として親しまれてきたもののひとつでしたが、現在は数を急激に減らし、絶滅危惧種を表しているレッドリストに掲載されることになってしまったのです。
それほど珍しい植物とはなりましたが、栽培ができるため一部の地域で繁殖しています。
天然のものは珍しくなりましたが、非常に苦い味を持っており、お湯に入れて1000回振り回したとしても、一向に苦味が抜けないことからセンブリという名前がついたのです。
それほど強い苦みがある野草であり、唾液や胃液、胆汁などの分泌を促進させてくれると考えられてきました。
それほど苦い植物ですが、実は別名を当薬(とうやく)と呼びます。
漢方で使われている名前で、いろいろな薬の中に含まれているため名前を聞いたことがある人も多いでしょう。
センブリが胃腸薬として多く使われてきたのには、消化不良などに対しての整腸剤の目的がありました。
胸焼けや食欲不振の解消にも役立ってくれるためで、胃を刺激して血行を改善できたのです。
そこで注目されたのが、末梢の毛細血管を拡張してくれる作用です。
頭皮環境で大きな問題となるのが、血流の状態改善でしょう。
血が流れてこなければ、頭皮で栄養を受け取ることができません。
栄養がなければ髪を作り出せないのは誰でもわかるところですが、髪を作り出すというよりも細胞分裂によって増えているのです。
それには多くのエネルギーが必要であり、その供給源が血液になります。
血管が細く締まってしまえば、血液の流れが悪くなります。
それどころか血液が流れてこない可能性もあるため、末梢血管を広げるのはとても意味が出てくるのです。
このような状態をゴースト血管と呼びますが、この状態の改善に対し期待されているのがセンブリエキスであり、育毛剤などにも多く使われるようになりました。
センブリに含まれている栄養成分
センブリエキスに含まれている栄養はいろいろとあります。
以前はセンブリ自体が効果があるととらえ、細かな成分までは注目されてきませんでした。
現在では分析が進み、単なる民間伝承で利用されているわけではありません。
センブリに含まれている要素として、苦味を司っているのがスウェルチアマリンです。
スウェルチアマリンは、唾液は胆汁などの分泌を促進する効果を持っており、胃腸薬として大きな意味を持っています。
消化不良や食欲不振の改善にも役立つ特徴を持っているのです。
血行促進を司っているのが、スウェルチアニンです。
あまり聞いたことのない名前かもしれませんが、キサントン誘導体であり、苦味のもとともなりますが毛根部の血流を促進してくれる役割をもちます。
育毛を助けてくれるだけではなく、髪が抜けにくい状態を作るのもスウェルチアニンの役割です。
オレアノール酸は、抗菌作用は抗ガン作用が認められている成分で、センブリエキスにも多く含まれています。
虫歯の抑制効果でも知られるようになりましたが、アンチエイジングにも活用されるようになりました。
非常に多くの機能を持っていることが分かっており、ぶどうの表面に浮かぶ白い物質も同じ効果を持っています。
三大機能性トリテルペンとも呼ばれており、抗高脂血症効果なども持つのが特徴です。
植物でしか生成されない化合物でもあり、天然のものから抽出しなければいけません。
実際に有機合成するのは難しく、センブリを活用するポイントにもなるでしょう。
ダイエットにも役立つ可能性が指摘されており、代謝効率を上げたりすることで注目されています。
毒性はほぼない
センブリは有効な天然成分であるのは間違いありませんが、非常に低い刺激を持っており、軽度の皮膚炎につながる可能性があります。
これはあくまでもゼロではないというレベルであり、人によっては注意しなければいけません。
皮膚感作性と呼ばれているアレルギー反応はほぼゼロです。
全くないと言い切れる部分ではありませんが、心配する必要はほぼないといっていいでしょう。
実際に毒性などの問題もほぼないと考えられており、研究も進んできています。
天然の成分の中には、効果に問題があるものもありますが、センブリの配合されている状態での安全性が非常に高いのは確かです。
そのため化粧品などにも使われるようになり、一般化したといっていいでしょう。
頭皮につける際も、センブリが含まれているからといってそこまで心配する必要はなく、安全に使用できる天然素材となるのです。
育毛剤を利用する時のタイミング
育毛に大事な力を持っているセンブリエキスですが、育毛剤を利用する場合には使用方法も考えていかなければいけません。
効果を最大限発揮させるために重要なポイントがいくつもあるからです。
そのために重要なポイントが、つけるタイミングにあります。
どんな時でも使用すればいいわけではなく、髪を洗った後の清潔な状態で利用しなければいけないでしょう。
髪を洗った後であれば、清潔なだけではなく、血行が高まった状態です。
この状態で利用してあげると、育毛剤が浸透しやすく、効果が広がりやすい状態となります。
この時に頭皮を揉み上げるようにしながら使ってあげれば、さらに効果を高められるでしょう。
髪を洗うタイミングも重要ですが、夜洗うのが大切です。
朝シャンをする人も増えましたが、夜髪を洗うことで1日の汚れを落とし、清潔な状態で眠りに入れます。
雑菌の繁殖するタイミングなどを防ぐという意味でも、夜洗うのが大切です。
汚れたまま時間を過ごせば、無駄に菌を繁殖させてしまいます。
頭皮の環境を悪化させるようなことを繰り返していると、センブリエキスが配合された育毛剤を使ったとしても役に立ちません。
髪を洗うのは1日1回で十分です。
髪を洗いすぎてしまうと、皮脂を落としすぎてしまい、炎症を起こすきっかけを作ります。
皮脂の過剰分泌という大きな問題を作り出す可能性もあるため、1日1回夜洗うという習慣をつける必要があるでしょう。
この方がダメージを与えにくく、育毛剤を使うのにも適した環境が出来上がります。
洗う際にはシャンプーでこすりすぎないようにして、頭皮を守らなければいけません。
シャンプーやリンスなどは頭皮に残らないように徹底的にすすぎ落とし、育毛剤が染み込みやすいような環境を作ります。
トリートメントなども頭皮の表面を覆ってしまうため、せっかくのセンブリエキスの効果も吸収されにくくなるからです。
朝つけるという人も多いはずですが、複数回利用しても問題ない育毛剤なら、夜と併用するのが良いでしょう。
寝ている時間は夜つけた育毛剤の効果を利用し、日中は朝つけた育毛剤の効果を利用できるからです。
まとめ
センブリエキスは非常に有効な成分を持っており、さまざまな面で注目を集めるようになった素材です。
古くから利用されてきた植物であることを考えても、安心して利用できる成分のひとつとして挙げられるでしょう。
だからこそ有効に働いてくれるように活用する必要があるのです。