女性の薄毛にはいろいろな原因が隠れており、何か決まったものではありません。
その中で大量に抜け落ちてしまうような状況が起きる休止期脱毛症があります。
大量に抜けてしまった場合には、精神的なショックも大きくなるため、特徴を知って対策も考えておくといいでしょう。
急性休止期脱毛とは
休止期脱毛症は、そこまで珍しいものではありません。
大量に髪が抜け落ちやすいパターンのであり、いくつかの形に分類が可能です。
休止期脱毛症の中でも急激に起きるのが、急性休止期脱毛と呼ばれる状態です。
人間にはヘアサイクルが存在し、いつまでも髪が成長し続けるわけではありません。
一定の成長を見せた後には、髪は成長を止め、抜け落ちてしまう時期がやってきます。
これが休止期ですが、本来は緩やかに進んでいくものです。
ところが、成長期の髪が急激に休止期へ進んでしまった時に、急性休止期脱毛が起こります。
急激な変化が生まれてくるため、髪が成長をする前の段階で抜け落ちてしまうのが特徴です。
産毛のような髪も抜け落ちてしまうのは、それだけ成長していない証拠となります。
残った髪も細くて力のない細いもので、これ以上成長できない状態を作ってしまっているのです。
原因は色々と考えられますが、栄養がうまく届いていない可能性があります。
頭皮へは、血液に乗って栄養が送られてきますが、とても細い毛細血管が通っているだけです。
薄い皮膚である頭皮には太い血管が通る幅がありませんが、何かの原因により収縮してしまうと栄養不足に陥ります。
髪の成長のための栄養が足りなくなるためで、ヘアーサイクル2急激な変化が生まれてくる時があるのです。
他にもストレスや出産などホルモンの変化が原因となっているケースもあります。
慢性びまん性休止期脱毛とは
ヘアサイクルの変化は急激に起きるだけではありません。
時間をかけてゆっくりと進行していくケースもあります。
慢性びまん性休止期脱毛は、急性休止期脱毛のような急激なものではありません。
6ヶ月以上の時間をかけ緩やかな変化が特徴です。
緩やかに変化が進んでいくため、どうしても発見が遅れます。
びまん性とは全体的に影響が及んでいることを意味しており、どこか一点が薄くなったりするものではありません。
びまん性の大きな原因となるのは、ホルモンバランスと考えられます。
女性の場合には、年齢とともに女性ホルモンが減少していきますが、発毛と大きな関係を保つため徐々に薄くなってしまうのです。
この状態が休止期に起きるため、慢性びまん性休止期脱毛と呼ばれています。
原因となるのはホルモンバランスだけではなく、貧血や甲状腺疾患も問題に繋がるとわかってきました。
栄養不足によって全体的な薄毛の進行が見られるケースがあるため、急激で過激なダイエットも原因となるでしょう。
ゆったりと体重を減らしていくようなダイエットであれば、体の負担は少なくてすみます。
健康な状態を作るのにも適していますが、急激に摂取カロリーを削ってしまうと栄養のバランスも崩れてしまうのです。
これが髪の成長にも大きな影響を与えるため、休止期に入ると全体的な髪のボリュームを失う原因となります。
原因を取り除けば解決していきますが、ホルモンバランスなどは簡単には改善できないでしょう。
他にも肝機能障害といった原因の場合にも改善は容易ではありません。
この場合には、髪の専門家ともいえる皮膚科ではなく別の専門医の領域ともなってきます。
慢性休止期脱毛とは
休止期脱毛の中でも、原因がはっきりしないものを慢性休止期脱毛と呼んでいます。
髪が抜けてしまう原因は全て解明されているわけではありません。
円形脱毛症のように症状が分かっていても、原因がわからないものはいくつもある状態です。
慢性休止期脱毛に関しても、何が原因なのかは分からない状態で、長期にわたって症状が出てしまうところだけに共通点があります。
非常に判別がつきにくい部分を持っており、FAGA女性男性型脱毛症と区別するのも非常に困難と言えるでしょう。
ただし、FAGAの特徴的な症状である前頭部や頭頂部からの薄毛の進行だけではなく、側頭部から薄くなるケースもあります。
FAGAでも男性ホルモンの影響から薄毛が進行しますが、影響を受けやすいのが前頭部と頭頂部です。
しかし、慢性休止期脱毛は男性ホルモンを起因としているとは限らず、側頭部からも症状が見られるケースが出てきます。
慢性休止期脱毛の原因の追求は非常に難しいため、適切な対処もはっきりとしません。
効果があると考えられる方法を幾つも試しながら、その中で適切な対処法を見つけていくほかないのです。
できるだけ髪が成長できるような準備をし、休止期が長引かないようにコントロールするといった方法が取られます。
根本的な解決とは言い難い部分がありますが、髪の成長をできるだけ促してあげることで、負担を減らしていくのです。
休止期脱毛症につながる原因を探る
休止期脱毛が起きる可能性は誰にでもあります。
ヘアサイクルが変化してしまい、休止期に大きな影響を与えるためです。
原因を見つけることが要点となりますが、非常に多くの可能性が考えられます。
髪を育てるための女性ホルモンの影響が考えられるため、出産後に大きな影響が出るパターンがあるでしょう。
出産後の脱毛症はよく見られるもので、一定の時期を越えれば安定してきます。
産後脱毛症とも呼ばれますが、あまり心配する必要はありません。
改善方法として生活習慣の見直しはとても有効です。
生活リズムの中でうまく睡眠が取れていない状況など、気が付くポイントもいくつかあるでしょう。
運動不足も大きな問題を抱えます。
血液の流れが悪くなると、ヘアサイクルにも大きな影響を与えます。
運動不足が続くと体の筋力が落ち、血液を押し出す力が弱まるからです。
どのような育毛剤を使っていようとも、体の中の栄養が届かなければ効果を上げることはできません。
運動によってストレス発散も出来ますし、副交感神経を刺激し睡眠のバランス改善にもつながります。
何か病気の対策で薬を飲んでいる時にも、休止期脱毛症が起こる可能性があります。
薬によっては血液の流れを左右するものもあり、これがヘアサイクルに影響を及ぼすことも少なくありません。
抗がん剤の影響が有名ですが、他にも可能性がある薬はいくつも存在しています。
薬の服用が原因であれば、投与の必要性が終わった段階で回復を始めるのも特徴といえるでしょう。
その間は、医療用ウィッグなどで対処するのも方法です。
精神的なストレスを減らすことにより、影響を少しでも小さくできます。
薬を服用しているだけではなく、もっと内臓的な問題が隠れているケースもあるでしょう。
こちらは他の原因よりも深刻です。
非常に重い病気が隠れている場合もあり、休止期に大きな影響を与えている可能性があります。
ただし、なんでも病気のせいにするのはいいことではありません。
他にも症状が出ており、確認できている時には、すぐに医師の診断を受けましょう。
この心配事も解決させることにより、ヘアサイクルの異常が改善できる可能性もあるからです。
まとめ
休止期脱毛症は、ヘアサイクルの乱れが原因ですが、狂わせているものは何かを突き止めて行かなければいけません。
とても単純な場合もありますし、産後脱毛症のように一定期間で解決できるケースも出てきます。
原因がわからないケースもありますが、問題になりそうなことはひとつずつ解決していくのが大切です。