画期的なダイエット方法として人気となっている糖質制限ダイエットは、実は薄毛を招く可能性があることをご存知でしょうか。
そこで今回は糖質制限ダイエットにより糖質が不足することにより起こる弊害や、薄毛との関係、また逆に糖質を多く摂取した場合にどうなるかということについて詳しく見ていきたいと思います。
Contents
そもそも糖質とは?
糖質とは身体を正常に機能させるために欠かせないエネルギー源であり、タンパク質や脂質と並ぶ3大栄養素のひとつでもあります。
厳密に言えば、炭水化物は糖質と食物繊維の総称であるため糖質とは異なりますが、糖質は人間の体において炭水化物と同じような働きをするため、同等のものであると考えた方がいいでしょう。
糖質制限ダイエットが薄毛を招く理由とは?
以下では、糖質制限ダイエットが薄毛を引き起こす理由について、詳しく見ていきたいと思います。
たんぱく質の不足
髪の約9割はたんぱく質で構成されています。
また髪だけではなく人間の筋肉や皮膚、爪や臓器、神経などもたんぱく質を元にして作られているため、炭水化物や糖質は健康的に生活するためには欠かせないものであると言えます。
ところがたんぱく質は糖質の摂取量が足りない場合には、身体を正常に機能させるためのエネルギーとして優先的に使われるため、髪を作るための糖質が不足し薄毛になってしまいます。
ですから糖質制限ダイエットを行う場合は、一日の適切な糖質の摂取量を把握しておき、しっかり自分でコントロールすることが大切です。
また糖質制限ダイエットだからといって、ご飯やパスタ類を食べないだけでは糖質が不足してしまうため、体が活動するために必要なエネルギーを得るために、卵や鶏肉のささみなどでしっかりとたんぱく質を取ることが重要です。
そうしなければ栄養不足となり髪が抜けやすい状態になってしまうだけでなく、筋肉も落ちてしまうためかえって痩せにくい体質となるためくれぐれも注意が必要です。
とくに卵は糖質が少なく、タンパク質やビタミン、ミネラルやカルシウム、亜鉛など髪の成長に必要な栄養素を豊富に含んでいるためおすすめです。
ホルモンバランスの乱れ
糖質制限ダイエットを行うと、体に必要な栄養素が不足してしまうため、女性ホルモンのバランスの乱れを引き起こす可能性があります。
特に女性ホルモンのひとつであるエストロゲンの分泌量が減少すると、直接抜け毛の原因になるため気をつける必要があります。
また糖質ダイエットによりあまり急激に体重を落としてしまうことも、ホルモンバランスの乱れにつながります。
ダイエットにより体重を落とす場合、1ヶ月にだいたい体重の3%ぐらい落とすのが理想的であると言われています。
つまり体重50キロの方であれば、1か月に約1.5キロほどのペースで落としていくのが、体に負担もかからないためいいとされています。
このように糖質ダイエットにより体重を短期間で落としてしまうと、ホルモンバランスにも悪影響を与える可能性があるため注意が必要です。
脂質の摂りすぎにつながることも
糖質制限ダイエットをすると、炭水化物以外なら何を食べても良いと考え、つい脂質の多く含まれている肉類などを食べ過ぎてしまう方も多いのではないでしょうか。
実は脂質は男性ホルモンの元になってしまうため、体内の男性ホルモンが増えると皮脂の分泌量の増加につながります。
そうすると頭皮環境が悪化してしまい、抜け毛が増え薄毛になってしまうこともあります。
糖質の過剰摂取も髪に悪影響を与える場合も
このように糖質が不足すると薄毛の原因となる可能性がありますが、実は糖質の過剰摂取も髪に悪影響を与えると言われています。
では糖質を多く摂取してしまうと、髪にどんな影響を与えてしまうのか以下で詳しく見ていきたいと思います。
タンパク質の劣化によるAGEの増加
糖質を過剰摂取すると、AGE、つまり終末糖化産物が作られやすい状態となり健康的な髪が生えにくくなってしまいます。
終末糖化産物とは、タンパク質の糖化反応によってできる物質です。
糖質を過剰摂取すると、余分な糖質は血液中に残り、糖化反応が起き糖質とたんぱく質が結合されます。
そうすると糖質の濃度が低下すれば普通のたんぱく質に戻りますが、高濃度の糖質に長期間さらされると劣化してしまいます。その劣化したたんぱく質のことをAGEと言います。
AGEには強い毒性があるため、頭皮にAGEが蓄積した場合、健康な髪が生えにくい状態になります。
また血管にAGEが蓄積すると薄毛を招く可能性があります。
髪の成長に必要な栄養素は、血液によって頭皮まで運ばれています。
しかし血管にはAGEが溜まると内壁が厚くなり、血液の流れが悪くなります。
血行不良になると髪の成長に必要な栄養素が十分に行き渡らなくなるため、薄毛や抜け毛の原因となってしまいます。
高血糖となり血行が悪化する悪くする
炭水化物は体内に入るとまず唾液アミラーゼにより分解され、さらに分解されブドウ糖となります。
ブドウ糖は小腸から肝臓に送られ、血液の流れによりにより全身に行き渡ります
一方で不必要なブドウ糖はグリコーゲンとなり、体内に蓄えられていきます。この血液中に蓄えられたブドウ糖の割合のことを血糖値と言います。
つまり、血液の中のブドウ糖の濃度が高ければ高いほど、高血糖と呼ばれる状態となっていきます。
また血液中のブドウ糖は血液を粘性のあるものに変えてしまうため、血液の流れが悪くなり、頭皮の毛細血管の血流も悪化します。
それが続くと、髪は成長に必要な栄養素や酸素を十分に摂取できなくなってしまうため、抜け毛が増え薄毛を招く結果となってしまいます。
体脂肪の増加
血液中の不要なブドウ糖は、グリコーゲンだけではなく中性脂肪にも変わります。
この中性脂肪は血液をドロドロにするだけでなく、血管を詰まらせる原因となり、心筋梗塞や脳梗塞といった重篤な病気を引き起こす可能性があります。
また血流の悪化は細胞の活性化の抑制につながるため、髪の成長を妨げる原因ともなります。
皮脂が過剰に分泌される
ビタミン類のうちのビタミンB群は、皮脂の分泌量をコントロールする役割を担っています。
糖質を過剰摂取すると、それを分解し代謝するために多くのビタミンB群が使われてしまうため、皮脂が分泌量が増加します。
また中性脂肪は体内に蓄えられるだけでなく、皮脂として体外から排出されるため、さらに皮脂が過剰に分泌されるようになってしまいます。
このように糖質は不足しても多すぎても、皮脂の分泌量が増える可能性があるためくれぐれも注意が必要です。
糖質制限ダイエットによる薄毛を防ぐ方法とは?
糖質制限ダイエットにより薄毛になる一番の原因は、どうしても栄養バランスの偏った食事になりがちだからであると言えます。
ですからたんぱく質や糖質が不足しないことはもちろん、アミノ酸やミネラル、ビタミンなどの体にとって重要な栄養素をしっかり摂取することも重要です。
鶏肉や豆腐、大豆などにはたんぱく質やアミノ酸が豊富に含まれています。
また亜鉛などのミネラル類を海藻類、ビタミン類は野菜から取ることができるため、意識して毎日の食生活に取り入れることをおすすめします。
逆に揚げ物やあんかけ料理、カレーやシチューのルーなど小麦粉を使った食品、ソースやケチャップ、さらに菓子類や甘い飲み物はできるだけ控えた方がいいでしょう。
まとめ
今回は、糖質制限ダイエットが薄毛を招く理由やその改善方法などについてみてきました。
糖質制限ダイエットは正しい方法で行わなければ、抜け毛や薄毛だけではなく、ホルモンバランスの乱れや脂質の摂りすぎなどを引き起こす可能性があるため、くれぐれも注意が必要です。
ですからきちんと栄養バランスの取れた食生活を送り、健康的に糖質制限ダイエットを行うこと心がけてくださいね。