ヘアケア

頭皮が硬い!女性の薄毛の大きな原因となる「頭皮こり」とは

自分の頭皮をじっくり触ったことがありますか?

多分、多くの女性がかなりの硬さにびっくりするはずです。

「頭蓋骨に直接触ってるみたい…」

「すごく硬くて、岩が入ってるの?って感じ」

これはいわゆる「頭皮こり」で、血行が非常に悪くなっている証拠なのです。

そのままにしておくと、薄毛や抜け毛の原因になることも。

頭皮こりの原因と、その改善方法を解説します。

そもそも「こり」とは?

肩こりや首こり、背中のこり、また「こり」という言い方はしませんが「腰痛」もこりの一種です。

一体どういう状態のことを指すのでしょうか。

「こり」は筋肉が硬くなっている状態
こりとは、筋肉が緊張して硬くなっている状態のことをいいます。

健康な筋肉は、硬そうにみえても柔軟性があるのが普通です。

しかし、筋肉が張って硬くなってしまうと、こりになるのです。

「こり」の原因は筋肉の使い過ぎ
例えば重い荷物を持ち上げる作業が多い人は、無意識のうちに腰で荷物と身体を支えようとします。

すると常に腰周りの筋肉に力が入り、その部分が張って硬くなってきて、こりになるのです。

それがさらに硬くなるとしこりとなり、多少揉んだ程度では柔らかくなりません。

これを専門用語では「トリガーポイント」と言います。

使っていないようで酷使されている筋肉もある
デスクワークで特に身体を使うようなことはしていないのに、肩こりや腰痛が起こるのはなぜでしょうか。

同じ姿勢を取り続けるには、筋肉がある程度緊張していなければいけません。

そのため、長時間同じ姿勢を取り続けるとこりが生じるのです。

また、パソコン作業の場合キーボードを叩くのは指ですが、使っているのは指だけではありません。

指は腕と繋がり、腕は肩や首と繋がっていますから、指を使っている時は肩や首も緊張して硬くなっているのです。

さらに、椅子に座っていると楽なようですが、実は腰には上半身の体重すべてがかかっています。

そのため、姿勢が悪いとその負担が腰の一部に過剰にかかるため、その部分の筋肉が硬くなって腰痛を引き起こすのです。

筋肉のこり→血行不良→こりの悪化になることも
筋肉が硬くなると、そばにある神経が圧迫されます。

そのため、こりがひどくなるとその部分に触れなくても重だるい、痛いといった症状が出るようになります。

さらに、血管も圧迫されるため、血流が悪くなって疲労物質などが蓄積されやすくなり、こりや痛みが悪化してしまうのです。

頭皮こりが起こる原因

ここまでの解説で、こりがどういうものか、何となくおわかりいただけたと思います。

しかし、特に使っているように思われない頭皮が何故起こるのでしょうか。

頭皮の筋肉は酷使されている
頭皮には前頭筋、側頭筋、後頭筋の3つがあり、大きな動きこそないものの、毎日細かい動きを繰り返しており、こりやすいのです。

・前頭筋
眉から前髪の生え際あたりまでにある筋肉で、顔の表情を作っています。

特におでこや目の動きに連動しており、パソコンやスマホで長時間一点を凝視していたりすると前頭筋が緊張します。

また、ストレスでしかめっ面しがちな人も、おでこや眉間に力が入りやすいため前頭筋が硬くなりやすいのです。

・側頭筋
咀嚼筋の一種で、口を使う動作の時によく使われます。

そのため、コールセンター業務など長時間話す仕事の場合、側頭筋が疲労します。

また、側頭筋は目にも近いため、前頭筋同様目を酷使すると硬くなりやすいのです。

・後頭筋
首を支える筋肉で、前屈みの姿勢を取ると引っ張られ、緊張してしまいます。

そのため、スマホやパソコンを長時間使用すると、非常にこってしまうのです。

このように、頭皮の筋肉は使われていないようで実はかなり緊張しています。

そのため、頭皮全体が硬くなりやすいのです。

一年中紫外線を受けて柔軟性がなくなる
頭皮は全身の中で最も紫外線を浴びる部分です。

特に紫外線の9割は皮膚奥の真皮まで届くUVAです。

真皮には皮膚の柔軟性を保つコラーゲンやエラスチンがありますが、紫外線に弱く、どんどん劣化してしまいます。

すると頭皮が硬くなってしまうのです。

さらに、柔軟性を失った皮膚は下へ下へとたるんできます。

その重みがかかるため、頭皮がこってくることもあるのです。

ひっつめ編みやエクステが原因のことも
家事や仕事に邪魔だからときつく結んだり、ファッションでエクステをたくさん付けていたりしませんか?

それらも頭皮こりの原因となります。

髪をきつく結ぶと、根元がずっと引っ張られるため頭皮が緊張し硬くなってきます。

また、エクステもその重みで根元が引っ張られるため、頭皮こりの原因となるのです。

「エクステは軽いので、頭皮の負担にはならず抜け毛は増えない」と主張するサロンもありますが、1本は約2~3グラムでも平均すると全体で80~150gです。

頭髪全体が100~150gであることを考えると、むしろ重いといえます。

急に髪の重さが1.5~2倍になったら当然頭皮にかかる負担も増えますから、頭皮がこりやすくなるのです。

ストレスも頭皮を硬くする一因
ストレスが蓄積されると、交感神経が活性化して全身の筋肉が緊張します。

頭部も例外ではなく、筋肉が硬くなります。

これが続くと頭皮がこるだけでなく、老廃物が貯まりやすくなり神経が刺激を受けて、緊張型頭痛が起こるのです。

緊張型頭痛は、スマホやパソコンの長時間使用で同じ姿勢を取っている人に多いとされています。

頭皮がこると抜け毛や薄毛の原因に
頭皮がこるということは、頭皮が硬くなっているだけでなく、血行が悪くなったり皮膚が老化を始めていたりするということです。

すると、髪の成長に悪影響を及ぼすのです。

頭皮が硬くなる→血行が悪くなる
最も大きい問題は、頭皮が硬くなるとその下にある毛細血管が圧迫され、充分な栄養や酸素が届かなくなるということです。

毛穴奥には毛母細胞があり、毛細血管から血液をもらうことで細胞分裂を繰り返し、髪を成長させていきます。

しかし血液が届きにくくなると充分成長できず、短いままで抜けやすくなったり細く弱い髪の毛が増えたりしてしまうのです。

頭皮が硬くなる→老化しやすくなる
肌の表皮には天然保湿因子や細胞間脂質が、真皮にはコラーゲンやエラスチンがあり、水分の蒸発を防いだり柔軟性を維持したりしています。

頭皮が硬くなるということは、これらの成分が減少したり紫外線などによって変質したりしているということです。

すると細胞が新陳代謝できなくなり、古い皮膚がそのまま残ってしまいます。

するとそれがフケやかゆみの原因となり、頭皮環境が悪くなって抜け毛につながるのです。

ストレスが原因の頭皮こりは活性酸素を発生させる
活性酸素は細胞を酸化・劣化させてしまう物質で、ストレスによって増えます。

すると活性酸素が毛母細胞を攻撃し、DNAを損傷させてしまうため、髪が細く弱くなったり切れやすくなったりするのです。

頭皮のこりをほぐしましょう

頭皮のこりは1日や2日でなったものではないので、ほぐすにも時間がかかります。

しかし、毎日の生活に組み込んで続ければ、徐々にこりがなくなっていきますよ。

頭皮をマッサージする気持ちでシャンプー
一番簡単で毎日できるのが、シャンプー時に頭皮をマッサージすることです。

一番硬くなりやすい頭頂部を中心に、全体を揉みほぐしましょう。

・左右の指全部を頭皮に固定し、その状態で小さく円を描くように回す
・頭頂部から左右10センチ程度離れたところに指を置き、ぐっと中心に向かって押す

なお、頭皮を無理に動かす必要はありません。

うまく回せない、押せないという場合は、指を固定し軽く揺らすようにすればOKです。

木製ピンのブラシで軽く叩く
太めの木製ピンのブラシを使い、頭皮を下から上に向かって軽く叩く方法です。

頭皮の毛細血管は表面から数ミリのところにあるので、強く叩くと内出血してしまう危険があります。

気持ち良いと感じる程度の強さで叩きましょう。

スマホやパソコンを長時間使用する時は休憩を入れる
スマホやパソコンをずっと見ていると前頭筋や側頭筋が緊張しやすく、頭皮のこりや眼精疲労、緊張性頭痛の原因となります。

少しでも疲れを感じたら、5分でも良いので休憩しましょう。

その際には、首を上下左右にゆっくり振ったりぐるっと回したりして、首や肩の緊張をほぐすようにするとさらに効果的です。

たまにはヘッドスパもお勧め
プロのエステティシャンにほぐしてもらうと、頭皮のこりが改善されるだけでなく、顔のリフトアップや小顔効果も期待できます。

1ヶ月に一度程度で効果が持続するといわれているので、試してみるのも良いですね。

まとめ

肩や首、腰のこりと違い、頭皮のこりはなかなか自覚できません。

しかし、頭部を触って全く柔軟性がない、あるいは動かないと感じたら、薄毛になりかかっているかもしれません。

毎日のケアで改善されるので、なかなか効果が出ないと感じても続けてくださいね。