鏡を見て薄く感じたり、髪の毛が細くなったような気がして悩む事があります。
誰にも相談できず、自己判断でアレコレ試しては「全然効果がない」と次々と買い込んだりしていませんか?
その行為が、逆に頭皮の痛む原因になったり、考え過ぎでストレスになっていたり、悪循環になる事があります。
私もアラフォーで常々、抜毛について考えています。
美容師として、努力を重ねてきました。しかし、胸を張って「コレは絶対に効果あります」と言える事がありません。
その一方で、私には効果がなくても、別の人には効果のある事も判明しました。
お客様から喜ばれる事もあります。実際に見た目にも変化がありました。
不思議ですね。
そこで今回は、多くの女性が悩む「薄毛」について、少し掘り下げて一緒に考えていきましょう。
Contents
情報社会に振り回されない事
一般化粧品類は「これで治る!」と言える事は、まだありません。
医療行為では、原因がハッキリしている薄毛なら、適切な治療で改善する事は可能だと思います。
ただ、薄くなったからと言って、直ぐに医療機関を受診する方は少数です。
薄毛を気にする女性は全体の6割にもなります。2人に1人は悩んでいることになりますね。
また、その方たちの中で、悩みを相談できない人が8割もいらっしゃいます。
(参照 産経新聞電子版)
自力で回復しようと、通販などの口コミで色々と試しに購入したり、この方法が効果あったと言われれば挑戦したくなりますよね。
本気で気にしている訳なので、当たり前の行動です。
しかし、実年齢が戻る訳はありません。
でも、キレイな方はいらっしゃいます。
共通して言える事は、キープする事を継続している点です。
それこそ、方法は千差万別です。
ですから情報が溢れているわけですね。
最初に申し上げましたが、私に効果があっても、あなたに効果があるとは限りません。
では、どのように選べば良いのか、基本的な事から見直してみましょう。
薄毛の基準って?
実際、自分では薄くなったと思っていても、他人から見たら気にならない事があります。
逆に、自分では気付かない方もいらっしゃいます。
では、薄毛とはどういう状態でしょうか?
良く相談される内容から見てみましょう。
地肌が少し透ける気がする
セットしてもすぐにペタンと潰れる
ハリやコシがなくなった
数年前より髪が細くなってきた
分け目がハッキリしてくる
頭皮のコンディションが悪い(ベタベタする・カサカサする)
炎症を良く起こす事がある
頭皮が硬い
抜毛が気になる
心当たりがあると思います。
これらは、薄毛予備軍です。
気づく方は、この時点でケアを始めています。
何もせず、このまま放置していると、やがて誰の目から見ても「薄い」と思うほど、地肌が見えてきます。
そして、髪1本1本が細くなります。
こうなると薄毛と言わざるを得ない状況だと思います。
薄毛の状態になる前のテストを紹介
髪の毛を指で挟んで引き上げます。
ティッシュなどの白いところに抜け毛を置いてください。
数回で良いです。
細くて短い弱々しい毛髪はありましたか?
抜け毛でも通常のサイクルである抜け毛は問題ありません。
注意するべきは、成長しきれない毛髪がどのくらい混ざっているのか?です。
抜け毛の中で、このような軟弱な毛髪が2割以上ならば、そろそろ対策をたてる頃です。
半数以上が定期的にあるならば、医療機関に相談すると良いと思います。
注意点
季節の変わり目は抜け毛が多く感じることもあります
長さがあると、30本でも大量に見えます。
個人差が多少ともありますので、普段から時々チェックして変化に気付けると早めに対処でき、現状が見てわかるようになります。
実は薄毛の定義は存在しない?
専門的な定義はありません。
現時点では明確な線引きがないのです。
つまり、自分の基準が薄毛と判断する要因になります。
しかし、先程も申し上げましたが、多数の方は、予備軍です。
個人的な思考ですが、ハッキリと言える薄毛は『誰から見ても、地肌が全体的に見えるほど抜けて細い髪の毛しかなく、長く伸びない場合が多い』このような状態かと思います。
早めに気付く方法はないのでしょうか?
天頂部や後頭部は特に自分では見えにくいので、気になっていても一人で確認するのは少し難しいと思います。
そのような時は、『爪』を見るようにしましょう。
実は、髪は爪と同じタンパク質で作られています。
ですから、爪のコンディションが悪い方は、髪の毛のコンディションにも注意が必要です。
これなら、地肌よりも確認しやすいと思います。
ネイルしているなら、オフの時に確認すると良いです。
爪がボコボコしたり縦筋が入ったり、ガタガタな方は、髪の毛も十分に栄養が行き渡っていないことが多いです。
参考程度に、一つの目安として意識しておくと良いと思います。
原因の再確認
薄毛が気になる方は、きっと原因なども調べていると思いますが、改めて薄毛の原因になりやすい事を確認してみましょう。
年齢別
10代~20代
急激なダイエット(栄養不良)
学業や仕事でのストレス
髪の毛を同じように束ね続けた
30代(毛髪のうねり。艶がなくなってくる)
結婚や出産など環境の変化
30代後半になると老化の初期症状
40代(分け目など見た目も気になる)
更年期の初期症状があらわれる
50代~(女性ホルモンの減少)
更年期になる
閉経後は老年期になる
症状による分類
びまん性脱毛症(加齢と共に発症しやすくなります。女性ホルモンの低下や血行不良など様々な原因があります)
FAGA (女性男性型脱毛症と言われます。天頂部を中心に全体的に薄くなる傾向があります)
分娩後の脱毛症(産前産後の急激なホルモン変化で発症します。産後、数カ月で改善します)
円形脱毛症(科学的根拠はありませんがストレスが原因と言われています)
牽引性脱毛症(常に同じ方向に引っ張られる事で毛包が傷み血行不良になる事が原因と言われています)
頭皮のトラブル(洗い過ぎや雑菌による事が原因と言われています)
原因がわかる方の対処方法
これらの原因で大切なのは、医療機関を受診するのか否か?と言う事です。
例えば、2番目と4番目と6番目は、医学的に診断できる分野です。
医師の指示で改善も見込めます。
1番目と3番目と5番目は対処法を理解して様子を見る事ができます。
医療機関に行くべき症状が当てはまる方は、自己判断せずに皮膚科などで診察するのが良いと思います。
なるべく早めに受診する事で良い治療が見込めます。
円形脱毛症は小さい物(五百円玉以下)は自然に回復する事もありますが、何ヶ所も発症したり大きく見えやすくなっている場合は、広がる可能性もありますので、医師の指示に従ってください。
医療機関を受診するほどではないが心当たりのある場合
様子を見る、対処する事はどんな事なのか、見ていきましょう。
原因にあげた例をもとに対処方法を確認しましょう。
過剰なダイエット
栄養不良や偏った食事は禁物。
バランスの良い食事にする事。タンパク質は必要。
タンパク質を有効にする為にはビタミン・ミネラルや炭水化物も同時に摂取する事が理想です。
ストレス発散
自分がストレスと感じれば、それは取り除くべきですが、食べ物とは違い容易には無理です。
簡単なストレス発散は、「汗をかく運動」と「お腹から大きな声を出す事」です。
筋肉を使うと代謝も上がりますので、心身共にリフレッシュできます。
それぞれ得意な事は違いますから、自分の好きな分野が良いと思います。
歌や自然の中で大声出したり、ウォーキングやヨガなど体を動かしたり、薄っすら汗をかくリフレッシュがポイントです。
これらは、健康美にも欠かせない要素です。
同じ髪型ばかり
部活動やダンス系など、まとめ上げる事が日常的な方は、髪型のONとOFFを切り替えると頭皮の負担が減ります。
OFFの時は、なるべく束ねないのがベストですが、束ねたい時は引っ張る方向が同じにならないような髪型が良いです。
また、キツく束ねず少しゆるめにまとめるのも予防になります。
ホルモンバランスの変化
~出産後の脱毛~
なるべくリラックスして産前の体調に戻るようにしたいですが、育児で大変な時期だと思います。
私も子どもを授かり育てましたが、考えている暇もないですね。
これは、家族や周囲に助けを求める環境作りが大切です。
お風呂にゆっくりと入れる時間や少し育児から解放される時間が作れると体の回復も早く、産後の脱毛も軽く済みます。
一時的な事が多いので、心配しなくても大丈夫です。
ただし、産後は髪質が変わったり、うねり等の変化が出ることがありますので、気になる方は医療機関や毛髪診断士、信頼できる美容師に相談すると良いアドバイスが聞けます。
~女性ホルモン~
加齢と共に、毛量も髪質も変化します。肌だけではなく毛髪も同じです。
女性ホルモンは減少していくのが普通です。40歳前後から減り続けていきます。
これは更年期の対処と同じで、女性ホルモンの減少を緩やかにする事が大切になります。
大豆イソフラボンを摂取したり、良質の睡眠と適度な運動をしたり、婦人科で更年期の症状を緩和する方法を相談する事で、女性ホルモンの急激な減少スピードを落とす事が見込めます。
★加齢と共に減少する女性ホルモンが関係している薄毛や抜け毛は、現状維持を心がける事で対応していきます。
又、美容師としてアドバイスできることは、髪の毛のハリやコシを与える事と毛髪サイクルを正常に整える事で、ボリュームアップが期待できる点です。
時々、しっかりとトリートメントをして、頭皮のマッサージ(ヘッドスパ等)を利用する事で、頭皮と毛髪を健やかにキープできます。マッサージはリラックス効果もあるので、試してみるのも良いと思います。
実際、これで見た目の変化もあり、ストレスが減少したお陰なのか、お客様の中では発毛や抜け毛の減少など、嬉しいお言葉をいただけました。
共通してできる対処方法
適切な対処方法がわかったら、まず3ヶ月は頑張りましょう。
どんな事でも即、効果ある事はほとんどありません。
医療行為なら別ですが、正しい習慣で前向きに取り組んでください。
結果、毛髪だけではなく心身ともにストレスが軽減され、あなた本来の健康美に近づく事が可能です。
残念ながら簡単にラクして手に入れることはできません。
そのための努力は不可欠です。
あなたの目標をしっかり決めて、途中であきらめない事が大切になります。
経験上、本気で悩んでいるならできます!
どこかで「まあいいか」と思っていたら続きません。これはたくさんの人を見てきて思うことです。
まずは、高度なことよりも身近にできることを試してください。
生活習慣を見直す事
栄養のバランスで特に必要なのが、抗酸化物質です。
ナッツ類や鮭などのアンチエイジングに必要な栄養を普段の食生活に取り入れましょう。
日中に散歩でも良いので、運動するとホルモン(幸せホルモン)が活性化されて、良質の睡眠につながります。
幸せホルモンは睡眠中の成長ホルモンを活性化させます。
爪や肌のコンディションが良い方は、髪質も良いです。
髪だけに特化したケアだけで潤うのは難しいので身体の中から綺麗になりましょう。
お肌もツヤツヤで一石何鳥もの、お得な方法です。
ターンオーバーを意識する事
これは、肌も同じですが、正常なサイクルにする事で、自己再生能力を高めます。
ヘッドスパだけではなく、各種マッサージなど取り入れて、血行促進や新陳代謝に有効な場所を、自分でもマッサージしてみましょう。
リンパマッサージなど本気で行うと、汗をかくこともあります。
このくらい血行促進できるとデトックス効果も期待できます。
最初は痛いので、気持ちの良いマッサージから始めてください。
(関連記事がありましたらリンクしてください)
★普段、何気なくしている方もいらっしゃると思います。
しかし「本気」は効果が上がります。
痛い・苦痛な事はしなくて良いです。
それは続きません。自分が良いと思う範囲から始めて、3ヶ月は続けば効果が見えるはずです。
まとめ
薄毛や抜け毛は、見た目も老けてきます。すると覇気(はき)もなくなり、「女を捨てた」なんて言われてしまいます。
それは、本当に屈辱的な気持ちになります。
しかし、ポイントを把握すれば、自分が今やるべき事が見えてきます。
自分の原因をしっかり見ることで、この先の未来が明るくなります。
それが自分で対処できるのか、医療機関に相談するべきか、見直して最善の方法が見つかることを願っています。
その上で、発毛促進のシャンプーや育毛剤を取り入れてください。ブラッシングやドライヤーの使い方など合わせた相乗効果は、決して悪い事ではありません。
正しい知識で行う事でより良い結果が得られます。
それぞれの効果については、関連記事を読んでいただければ幸いです。
この記事で、薄毛や抜け毛に悩む女性が前向きに取り組んでいければ良いと思いました。私も今の髪をキープし、良い情報を提供できるように、美容師として頑張りたいと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。