女性の中にも、ストレス解消や気分をリフレッシュするために喫煙する方が増えていると言われています。
しかし男女を問わず実は喫煙者の方は、薄毛や抜け毛になる可能性が高いと言われていることをご存知でしょうか。
そこで今回は、女性の喫煙と薄毛の関係やその対策方法についてご紹介していきます。
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女性の喫煙習慣と薄毛の関係性とは?
タバコに含まれるニコチンは体に悪影響を与え、内臓や肌などへダメージを与えるとされています。
そんなニコチンの影響は、もちろん女性の髪や髪にも及びます。喫煙すると血管が収縮し細くなるため、血液の流れが悪くなってしまいます。
血流が滞ると、髪を育てるために必要な栄養素や酸素や頭皮まで行き届かなくなり、毛母細胞の活動も低下してしまいます。
体や髪に悪い影響を与えるのはニコチンだけではありません。
実はタバコの煙に含まれている一酸化炭素もニコチンと同じように血流を悪くする原因となるため、頭皮や髪への影響が大きいと言われています。
血管を流れる酸素は血中のヘモグロビンと結合しますが、一酸化炭素がそれより先にヘモグロビンと結びついてしまうため、血液の中の酸素が不足して毛母細胞の働きを阻害してしまいます。
喫煙者以外も注意が必要な副流煙
タバコの煙には、喫煙者が吸う主流煙とタバコから出ている煙を吸う副流煙の2種類があります。
近年、喫煙者がタバコを吸うことにより直接口に入る主流煙よりも、タバコから立ち昇り周囲に広がる副流煙、つまり受動喫煙の方がニコチンや一酸化炭素タールなどの有害な物質が約2〜3倍も多く含まれていることが判明しています。
さらに刺激物質はアンモニアなどは、何と約70倍以上も含まれていると言われています。
受動喫煙の場合、どんなに本人が注意していても呼吸することによりタバコの煙を肺の奥深くまで吸い込んでしまいます。
つまり副流煙を吸い込むことにより、タバコを吸わない方も喫煙者と同じ害を受けることになってしまいます。
このように副流煙は自分がタバコを吸わなくても、喫煙者のそばにいるだけで髪や頭皮に悪い影響が及び、薄毛や抜け毛が起こる可能性が高くなると言えるでしょう。
女性の喫煙が髪や頭皮に与える影響とは?
以下では、喫煙習慣が髪や頭皮に与える影響について詳しく見ていきます。
頭皮の血管を収縮させ血行不良を引き起こす
薄毛や抜け毛を防ぐためは、頭皮の毛細血管の血液の流れが非常に重要です。
タバコに含まれる有害物質であるニコチンは、体内に入り込むと自律神経を刺激して血管を収縮させ血せ血液の循環を妨害します。
血行不良が起こると頭皮に十分な栄養が行き届かなくなり、髪は細くなったりコシやハリがなくなるなどしてボリュームダウンして、薄毛や抜け毛が進行してしまいます。
また血行が悪いと頭皮が硬くなり、髪を作りだす毛母細胞まで血液が流れにくくなるため、ヘアサイクルにも影響を及ぼすことになってしまいます。
髪の健康に大切な栄養素の消費
ビタミンCには、頭皮へ髪の成長に必要不可欠な栄養素の吸収を促したり、ストレス緩和を手助けする働き、またビタミンEには血行を促進する働きがあります。
一方ビタミンCは、タバコを吸うことにより体内に侵入した有害物質を体外に排出する役割も担っています。
また毛母細胞の新陳代謝に必要なビタミンB群や、血行促進に欠かせないビタミンEも喫煙により大量に消費されると言われています。
このように喫煙の影響により髪の成長に必要なビタミン類が失われることで、栄養不足の状態となり薄毛や抜け毛の引き金になります。
活性酸素の増加により老化が進む
老化を進行させる原因となる活性酸素は、タバコをたった一本吸っただけで体内で100億兆個も発生すると言われています。
このように増加した活性酸素は不飽和脂肪酸と結びついて過酸化脂質となり、毛母細胞の老化を加速させてしまい薄毛や抜け毛を招く原因となります。
体内の悪玉コレステロールが増加する
喫煙は体内の善玉菌を減らし、逆に悪玉コレステロールの増やすことにもつながります。
悪玉コレステロールが増えると体内でタウリンが生成されますが、これは髪を作るために必要なアミノ酸を大量に消費してしまうため、栄養不足となり結果的に薄毛になってしまいます。
電子タバコであれば薄毛にならない?
最近になって急速に普及している電子タバコには、大きく分けてタバコの葉を使用したタイプとリキッドタイプの2種類があります。
タバコの葉を使用した電子タバコは、葉を熱することでニコチンが含まれている水蒸気を発生させて、それを吸うという仕組みとなっています。
一方、リキッドタイプの電子タバコにはニコチンが含まれまていません。
またどちらのタイプにも一般的なタバコに含まれているタールは含まれないため、紙タバコよりは害が少ないといわれていますが、やはりニコチンが入っているかいないかが最も大きな違いであると言えるでしょう。
頭皮に悪影響を与えるのはタバコに含まれているニコチンにあるといえるため、電子タバコであってもニコチンが含まれているタイプはやはり薄毛につながる可能性が高いと言えます。
またリキッドタイプに含まれているプロピレングリコールという物質は、人体に悪い影響はないという話もあれば、大気中で有害物質に変わるという説もあるため、髪や頭皮に害がないとはけして言い切れません。
どうしても禁煙できない場合は禁煙外来の受診がおすすめ
喫煙者の中には、禁煙したためにそれがストレスとなり、抜け毛や薄毛の原因になるケースもあります。
特に急にタバコを止めようとした場合には、感じるストレスもかなり大きくなってしまうことが考えられます。
禁煙外来は総合病院の他にも、内科や循環器科などさまざまな診療科で医師の診察を行っています。
禁煙外来では、医師が問診によりニコチン依存度をチェックしたり、禁煙補助薬を使った禁煙プログラムを行うことにより治療を行います。
また医師は経過観察していく中で、離脱症状が起こってもうまく乗り越えられる方法を指導してくれるなど、禁煙に関するさまざまをサポートしてくれるため、安心して治療を進めることができます。
禁煙外来に保険は適用される?
禁煙外来での治療は、ある一定の条件を満たせば、健康保険などを使うことが可能となっています。
しかも、一日にかかるタバコ代と比べてみても治療に支払う費用のほうが安くなるケースもあるため、将来の病気や薄毛や抜け毛などへのリスクなども考えると、やはり禁煙外来に通いきちんと禁煙することはかなりメリットが高いと言えるでしょう。
禁煙補助薬には、ニコチンが含まれていない内服薬やニコチンパッチ、ニコチンガムなどがあり、禁煙外来では内服薬を処方されます。
この薬を使うとタバコを止めた後に起こる離脱症状も軽く済みますし、タバコを吸ってもおいしいと感じなくなり、やがて自然に喫煙習慣がなくなり無理なく禁煙することができます。
薄毛や抜け毛を防ぐためには禁煙するのがベスト
今回ご紹介したように、喫煙習慣はさまざま要因で薄毛や抜け毛を助長させてしまうため喫煙者である自分はもちろん、家族や同僚など周囲の人達の体や髪のことを考えるのであれば、できるだけ早く禁煙することをおすすめします。
ただし、タバコを止めるということはストレスにつながりますし、ストレスが蓄積されると自律神経やホルモンのバランスが乱れて血行が悪くなりかえって薄毛や抜け毛につながるケースもあります。
このような場合は、禁煙外来を受診して一度専門医に相談してみることをおすすめします。