女性の薄毛には色々な原因が考えられますが、病気によって引き起こされるケースもあるのです。
自己免疫疾患と呼ばれる病気がその一つであり、女性の薄毛の原因の一つになります。
こうした病気があるということも理解しておくことが大切です。
自己免疫疾患とは何か
人間の体には入り込んできたウイルスや細菌に対して働きかける作用があります。
これが免疫ですが、本来の機能ではなく、自分自身を攻撃してしまう状況が自己免疫疾患です。
このままではわかりにくい話ですが、ウイルスや細菌が侵入すると、健康な状態を保つことができません。
そこで免疫が働くのです。
健康のために異物をを攻撃し撃退してくれますが、どこかに問題があり、その矛先が自分自身に向いてしまう状態なのです。
自己免疫疾患になってしまうと、慢性的な関節の痛みが出たりするのが代表的な症状です。
微熱が続くときもあり、倦怠感が抜けず続くことも珍しくありません。
有名な病気としては、難病として知られる全身性エリテマトーデスやシェーグレン症候群などがあります。
アメリカで自己免疫疾患が目立つようになり、だんだんと統計が取られてきました。
患者の男女割合を見ると、実際に8割近くが女性であるという報告があるように、日本でも男性の2倍から10倍の患者数がいると悩んでおられる方がいると言われています。
なぜ女性に多く見られるのか、未だによくわかっておりません。
研究が進んでいますが、なぜ体を守る働きが逆の作用をするのかはっきりしていないのです。
ただし、こうしたメカニズムを考えた場合、女性であることが関係していることは間違いありません。
そこで考えられるようになったのが、胎児を受け入れることにより、体内に自分ではない存在がいることが敵とみなすのではないかと言われています。
これもまだはっきりしていない部分であり、研究が進められているのです。
引き起こされる薄毛の類型
現代の病気の中でも、はっきりしない部分を多数持っている病気です。
ですが、髪に関して影響を与えることはわかってきました。
そのひとつが円形脱毛症に繋がるという研究です。
円形脱毛症には多様な原因があるものの、実感としては突然現れるといった感じがあるでしょう。
特に女性に目立つ薄毛の形の一つでもあります。
突発的に起こる円形脱毛症は、単発型と分類されています。
楕円形に脱毛してしまうことが特徴で、この部分は脱毛斑と呼ばれます。
髪に出ることで知られてはいますが、これだけではありません。
中には眉毛などに現れるケースもあるからです。
多発型は、単発型と比べ様々な場所に現れてくるのが特徴です。
単発型が多発型に移行するケースもあり、やはり頭髪以外に見られるケースもあります。
丸く脱毛してしまうのが円形脱毛その特徴ではありますが、実は細長く帯状に抜けてしまう症状もあります。
こうしたタイプを蛇行型と呼んでいますが、後頭部からスタートしていくことがよく見られるタイプです。
帯状に広範囲にわたって脱毛するためかなり目立つ状態にになります。
隠そうと思っても簡単に書くせるような状態ではありません。
蛇行型に関して言えば、非常に長い期間治療にかかることでも知られています。
蛇行型は後頭部から側頭部の生え際までが帯状に抜ける特徴を持っていますが、逆蛇行型と呼ばれるタイプは頭頂部から薄くなっていってしまう状態です。
生え際だけが残ってしまう状態ですが、自己免疫疾患から起こる薄毛としては、かなりレアなケースといえます。
それでも起こる可能性があることは覚えておかなければいけません。
小さく脱毛するのではなく、全身に影響する円形脱毛症として分類されている症状です。
頭前頭部もすべて抜け落ちてしまうことになるこのタイプを、全頭型と呼んでいます。
治療にも時間がかかるためウィッグなどの装着が必要になるでしょう。
この全頭型がさらに進むと、凡発と呼ばれる状態に移行します。
この状態は眉毛や睫毛なども抜け落ちてしまう状態で、最も重い状態と言えるでしょう。
当然、長い時間の治療が必要であり簡単には解決することができません。
自己免疫疾患に対する治療方法
自己免疫疾患から起こる薄毛に関して言えば、本当に多くの症状が見られ重度なものから軽度なものまで分かれてきます。
単純に分類できないことも珍しくありません。
自己免疫疾患から引き起こされているということを突き止めるだけでも時間がかかります。
自己免疫疾患自体が、はっきりと原因がわからないことから、治療法も絶対的に効果が挙げられるといったことではありません。
状況に合わせて選択していく必要が出てくるからですが、それでも時間をかけてゆっくりと対処していく必要があるのです。
基本的には医療機関が行う治療となりますので、専門の医師と相談しながら納得のできる方法を選択してことになるでしょう。
直接注射して対処するのが、ステロイド局所注射療法です。
ステロイド系の薬剤を注射する方法で、4週間から6週間に1回の割合で注射していきます。
一箇所ではなく、頭皮にだいたい5mm間隔程度で注射するのが特徴です。
症状が固定しており、薄毛になってしまっている面積が25%未満であることが条件となります。
ステロイドということもあり、未成年には行われることはほぼありません。
わざとかぶれさせることによって免疫反応を流すという方法もあります。
局所免疫療法と呼ばれ、わざとかぶれさせることによって発毛を促すという方法です。
ステロイドと同時に行われることもありますが、こちらは面積が25%以上の状態に対して使われることが辛いと言えます。
2週間に1回程度の通院で行う治療法で、なかなか治らないような場合に用いられる方法です。
外用剤を使う方法もありますが、保険適用になっている薬もあるので相談してみると良いでしょう。
こうした外用剤は、血行促進させていく方法です。
血行促進させることにより、頭皮に栄養を届けさせ発毛を促すというのが狙いとなります。
他にも冷却療法や紫外線療法といった方法が取られてきました。
どの方法もある程度継続的に治療していかなければ改善はしてきません。
専門医に相談から始めよう
原因の追求が難しい病気で、何が原因なのかその点がはっきりしないことが多く、対処できる療法も限られるのが現状です。
原因がわからないという不安感が、薄毛を加速させるケースも出てきます。
精神的なストレスにより、頭皮の血行不良が引き起こされ、さらに被害が出てくるケースです。
実際なかなか解決できる問題ではありませんが、まずは専門の医師に話すことが大切です。
自分で分からないようなことも、専門の医師であれば答えが出せるかもしれません。
少なくても相談することにより不安感を少しでも取り除く事ができるはずです。
1日でも早い治療を目指すということも大切で、進行性しまった薄毛に対してどのように付き合っていくのか考えなければいけません。
一朝一夕で治るような病気ではなく、時間をかけて解決してかなければいけないからです。
そのための方法も専門家とともに進められると、不安は少しでも解消できるようになるでしょう。
それが精神的なストレスを減らす大事なポイントです。
まとめ
自己免疫疾患は原因の追求すら難しい病気です。
そこから引き起こされる薄毛となれば、なかなか対処が難しい部分もあります。
それでも、薄毛を解決するよりも、まずは適切な対処をしなければいけないからです。
精神的にも辛い日々を過ごすことになりますが、専門医とともに前を向き対策してことが大切だと言えるでしょう。