泡洗顔や泡ハンドソープなど、最近は押すだけで泡状の洗浄剤が出てくるものが増えています。
スーパーの棚を見ても、「液タイプ」より「泡タイプ」のほうが売れているようです。
しかし、シャンプーに関してはまだ主流にはなっていません。
また、泡シャンプーのメリットとしてよく挙げられるのが「わざわざ泡立てなくて良いので楽」というもの。
でも、泡シャンプーのメリットはそれだけではありません。
抜け毛や薄毛、ぱさつきの防止など、たくさんの効果が期待できるのです。
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多くの人がしているシャンプーの仕方は?
・まずは髪をシャワーで全体的にざっと濡らす
・次にシャンプー剤を適当な量手に取る
・それをそのまま髪につけ、ゴシゴシ泡立てながら髪全体に広げ洗う
多くの女性が、このような洗い方をしているのではないでしょうか。先日TVで3人のモニター女性の洗髪方法を見たところ、全員がこのような洗い方でした。
最も特徴的だったのが、髪が長い人ほど髪の毛を丁寧に洗うことでした。
手ぐしをしたり軽く揉むようにしたりしながら泡で包み込み、最も時間をかけて洗っていたのです。
その反面、頭皮までしっかり洗っている女性はいませんでした。
しかし、この方法は髪にも頭皮にも良くありません。
シャンプーのあるある誤解
ほとんどの人が、シャンプーの正しい仕方を学んだ経験はないと思います。
しかし自己流で行なっていると、知らず知らずのうちに髪や頭皮を傷めているかもしれません。
シャンプーは髪を洗うものではない
シャンプーすることを日本では「洗髪」と言いますが、そこからして間違っています。
髪の毛を大切にする=髪の毛を丁寧に洗う、と考えがちですが、本当に清浄にすべきなのは「頭皮」です。
髪の毛の汚れは、外部からのほこりと頭皮から出る皮脂による汚れです。
このうち、ほこりは正しくブラッシングすれば、それだけで7~8割は落とせます。
しかし皮脂汚れは頭皮の毛穴から分泌されているものなので、頭皮をきちんと洗ってあげないとどんどん髪に移ってしまうのです。
濡れた髪はダメージを受けやすくなっている
シャンプーで髪ばかり洗うことで良くないのは、濡れた髪はキューティクルが開いており、摩擦によって剥がれやすくなるからです。
しかも、キューティクルは30℃以上のお湯で開きやすくなるため、濡れる+30℃以上のお湯でかなりもろくなっている状態です。
そんな状態で髪を擦り合わせて洗ってしまうと、その摩擦でキューティクルが剥がれてしまうのです。
一度剥がれたキューティクルは、再生することはありません。
それだけでなく、剥がれた部分から主成分のケラチンタンパク質や脂質が抜け出してしまうため、髪がもろくパサパサになってしまいます。
さらにその部分から水が入り込むため、うねりの原因にもなるのです。
シャンプーを髪につけてから泡立てるのは絶対NG
シャンプーは、必ず髪や頭皮につける前に泡立てることが大切です。
その理由は、髪につけてからだと泡立てるために髪同士をこすりつけてしまうからです。
ただでさえ開いているキューティクルが、簡単に剥がれてしまいます。
また、水で薄まっていないシャンプー液を頭皮に直接つけると、それだけで刺激となります。
シャンプーの多くは強力な界面活性剤が配合されており、頭皮を乾燥させたり炎症を起こさせたりする原因となるのです。
頭皮もきちんと…でもゴシゴシで汚れが詰まることも
頭皮をきちんと洗っている女性も、もちろん少なくありません。
しかし、しっかり洗おうと思うばかりに力を入れてゴシゴシ洗っていませんか?
温まった頭皮の毛穴は開いており、そこをゴシゴシし過ぎると皮脂が詰まってしまう原因となります。
毎日続けると毛穴奥まで皮脂が入り込んでしまい、排出するのが難しくなったり、悪臭の原因となったりするのです。
朝シャンは髪トラブルの原因に
若い世代を中心に朝シャンしている人が増えていますが、これは髪や頭皮に大きな負担となります。その主な原因は以下の4つです。
・1日の汚れを翌朝まで放置するため雑菌が繁殖する
・短時間で済まそうとすると洗い残しやすすぎ残しが増える
・ドライヤーでしっかり乾かす時間がないと髪が蒸れ、雑菌が増える
・頭皮の皮脂が取り去られ、紫外線の害を直接受ける
また、中には夜と朝2回シャンプーする人もいますが、髪にダメージを与える最も間違ったやり方です。
シャンプーで毎日2回も頭皮の皮脂が取り去られると、頭皮を保護するために皮脂量が増えます。
その結果雑菌が繁殖しやすくなり、かゆみや炎症、フケの原因となり、毛穴に入り込んで抜け毛の原因にもなるのです。
また、そのような状態を改善しようとシャンプー剤を大量に使ったりすると、ついには皮脂分泌が止まってしまいます。
すると今度は頭皮が荒れて乾性フケが増えたり、紫外線を直接浴びて頭皮細胞が酸化し、髪の成長に支障が出たりしてしまうのです。
泡シャンプーのメリット
ここから、泡でシャンプーするメリットについてお伝えしましょう。
シャンプー液を泡にするだけで、髪と頭皮にこんなに良いのです。
髪のキューティクルを摩擦から守る
泡のシャンプーは、すでに水と洗浄剤が均一に混ざった状態です。
その状態でシャンプーすると、水分と空気をたっぷり含んだ泡が髪の隙間に入り込んでクッションとなり、髪同士の摩擦を抑えてくれるのです。
摩擦が減れば、開いたキューティクルが剥がれにくくなります。すると髪の健康を守ることができるのです。
頭皮を洗浄剤の刺激から守る
すでに水分で薄まっている洗浄剤の泡は頭皮にもやさしく、刺激を和らげてくれます。
また、洗浄力が穏やかになるので頭皮の皮脂をすべて取り去ることがありません。
頭皮の皮脂には水分の蒸発を防ぎ、新陳代謝を正常に保つ働きがあるので、フケやかゆみが減り、頭皮環境を改善してくれるのです。
適度に残った皮脂が頭皮を紫外線から守る
皮脂には紫外線による害から頭皮細胞を守る役割もあります。
紫外線は髪を産み育てる毛母細胞の機能を劣化させて、髪の生育を妨げる働きがあります。
また、紫外線によって水分が蒸発すると頭皮の真皮にあるコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などが変質します。
すると頭皮の柔軟性がなくなり、硬化して毛細血管を圧迫してしまうため血行が悪くなり、髪に充分な栄養が届かなくなるのです。
泡シャンプーなら皮脂が適度に残るため、紫外線によるトラブルから頭皮を守ってくれます。
しかも、皮脂がある程度残っていると皮脂が過剰分泌されることもないので、雑菌の繁殖が起こりにくくなるのです。
泡シャンプーを自分で作りましょう
泡シャンプーが髪と頭皮に良いということがおわかりいただけたでしょうか。
使ってみたいと思われた方に、泡シャンプーの作り方をご紹介しましょう。
市販の泡シャンプーを使うのも、もちろんOKです。
でも、自分のお気に入りのシャンプーが泡シャンプーとして販売されていない場合は、自分で作ってしまいましょう。
とっても簡単!泡ポンプで作れます!
一番簡単な方法は、100円均一ショップなどで泡ポンプを購入し、シャンプーを入れて水で薄めること。
配合率は、シャンプー1に対し水は1~3程度で、使いやすい濃度を見つけましょう。
ただしあまり水が多いときめ細やかな泡ができなくなり、髪同士が摩擦しやすくなるので注意しましょう。
なお、この方法はあまり保存がききません。大量に作らず、一度に作る量はトータルで200ml程度にしましょう。
泡ネットで毎回作る方法も
お湯で濡らした泡ネットにシャンプー液をつけ、泡立てる方法も簡単です。
ただ、一度に作った泡では足りない場合、また泡立てなくてはいけないのがちょっと面倒かも。自分に合った量を把握しておきましょう。
ナイロンタオルやスポンジでも
ナイロンタオルやスポンジにお湯とシャンプー液を含ませ、くしゅくしゅすると泡ができます。特にスポンジは細かい泡ができやすいのでおすすめです。
注意!いつもの使用量を守りましょう
泡ネットやナイロンタオル、スポンジで毎回泡を作る場合は、それまでの使用量から増やさないようにしましょう。
泡をたっぷり作るためにシャンプー液をそれまでより大量に使ってしまっては、意味がありません。
いつもの量を充分泡立て、頭皮全体にまんべんなくつけてからやさしく洗いましょう。
髪の毛をわざわざ洗おうとしなくても、泡が髪全体まで包んでくれるので汚れはしっかり落ちますよ。
まとめ
ちょっとしたことで、頭皮や髪の状態は変わります。
どうも髪や頭皮が乾燥する、フケが出る、かゆみがあるという場合は、泡シャンプーを試してみてくださいね。
髪のまとまりが良くなって、ツヤやハリも出やすくなりますよ。