自分で頭皮のにおいを感じるのは簡単ではありません。
目に見えない場所だからこそ、気がついた時にはかなり問題が進行している場所でもあるのです。
ふとした時に感じたにおいや誰かに指摘された時には、薄毛にも発展するかもしれないサインとして捉える必要があるでしょう。
嫌な頭皮のにおい
頭皮のにおいに気が付いたり指摘された時には、そこに何らかの原因があることを理解する必要があります。
例えば、シャンプーなどの香りが漂ってくるのと、異臭がするのでは原因が違います。
そこに隠れている問題も違いが出てくるため、ひとつずつ原因となっている部分を考えていく必要があるでしょう。
実際に頭皮から異臭がして、悩んでいる人も少なくありません。
他の人にとって自分以外のにおいが漂うのは、決して気持ちのいいことではないからです。
不快に思うのも当然で、そこには危険な問題が隠れている可能性があるからこそ、受け入れがたく感じます。
自分に置き換えても同じですが、頭皮で異常が起きているからこそにおいが出ている可能性があるのです。
ひとつの可能性として上がってくるのが、頭皮で分泌されている皮脂と雑菌の関係です。
頭皮にも皮膚と同様に、常在菌と呼ばれる菌が住んでいます。
普段は悪影響を与えるどころか、他の菌から体を守ってくれる役割を持っている大事な存在です。
この常在菌が頭皮で分泌された汗や皮脂によって、過剰繁殖した結果、においが出てくる可能性が出てきます。
他にも汗と皮脂が反応しにおいが出てくるケースもありますし、常在菌以外のカビなどが繁殖することもあるのです。
頭皮はにおいを発生させやすい
頭皮の皮脂の量は非常に多いのが特徴です。
一般的に顔にあるTゾーンが皮脂の分泌量が多いことで知られていますが、分泌するための皮脂腺が頭皮は2倍以上持っているのです。
さらに汗腺は手のひらや足のうらに次ぐ量を持っており、皮脂の分泌と共に影響を与えやすいのは間違いありません。
汗と皮脂が混ざり合うと、反応を起こします。
汗によって皮脂が酸化しやすくなり、過酸化脂質と呼ばれる物質に変化するのです。
これが臭いを発する原因物質で、皮脂腺や汗腺が多くある頭皮では起こりやすいことがわかります。
雑菌が繁殖しやすい条件として、高い湿度環境が挙げられるでしょう。
これはカビは繁殖するのと同じですが、頭皮の周りには髪が存在し、囲われていることから、同じような条件が起こりやすいのです。
汗をかいた後の頭皮環境が相当しますが、清潔にするつもりで洗った後の頭皮も同じ状況が起こります。
それなのにも関わらず自然乾燥させたりすれば、雑菌の繁殖を手助けするほかありません。
常在菌が異常繁殖した時には、皮脂をエサとして増えていきます。
ただ単純に増えるだけではなく、皮脂を摂取した後に排出される脂肪酸も原因の一つとなるのです。
非常に強いにおいを発揮する物質で、不快な状況を作り出してしまいます。
特に大量発生した時には、頭皮環境のトラブルを引き起こす原因となるため、常に注意して生活しなければいけません。
状況によっては薄毛をもたらす原因となるからです。
臭いの原因はこれ
頭皮の環境が悪化する原因は、汗と皮脂の関係が大きな役割を持っていますが、そこに通じる部分を解決しなければいけないでしょう。
普段の生活環境として注目しなければいけないのが食生活です。
人間の体は普段摂取している食べ物によって維持されています。
どのようなものであっても体に変化をもたらすため、健康を維持するためには食べ物から考えていくでしょう。
逆も然りで、悪影響が出てきている時には、根本的な部分から見直しを図らなければいけません。
食生活の乱れとして注目しなければいけないのは、食事に含まれる脂肪です。
頭皮の皮脂が分泌されやすくなるには、それだけの材料がなければいけません。
材料とは何かと言えば、脂肪や動物性タンパク質などがあげられるでしょう。
これらをを過剰に摂取し続けていると、体から皮脂の分泌が激しくなります。
脂肪やたんぱく質を多く摂取していると、体の中で分解する際にアンモニアや硫化水素と言った強烈な臭いを発する物質ができてしまうのです。
これらは体の臭いにも影響する物質で、さらに体臭を激化してしまう原因となります。
頭皮の皮脂が過剰分泌されやすくなると共に臭いを作り出してしまうため、普段から注意して摂取する必要があるでしょう。
一時期大きな話題となった加齢臭もにおいの原因です。
加齢臭といえば男性のものというイメージがありました。
しかし、女性だから加齢臭がしないと思っているのは間違いです。
現在の研究では女性でも加齢臭が発生することが分かっており、ここにも食事が関係してくる可能性があります。
対策としては抗酸化効果の高いビタミンCを摂取するといった方法もあるでしょう。
やはり肉食を中心とするよりも、野菜を多く摂取する方向にシフトしていかなければいけません。
ストレスに対するケアも考えていかなければいけないポイントです。
人間の体にストレスがかかると、交感神経が活発化し興奮状態に陥ります。
興奮状態になると睡眠が阻害されやすく、うまく寝付けない日が出てくるのです。
なんだかイライラして眠れないというのは、この状態を指しています。
睡眠不足になると免疫力が下がり、常在菌とのバランスが崩壊しやすくなるのが問題点です。
繁殖させやすい状況を作ってしまうため、ストレスを発散しやすくするとともに、睡眠時間にも注意を払わなければいけません。
頭皮環境が悪化すれば、薄毛に発展する可能性を高めます。
においが出てきている状況は、間接的に薄毛につながる状況を意味していると言えるでしょう。
頭皮環境の改善
頭皮のにおいを防ぐという点では、頭皮環境の改善が役立ちます。
頭皮環境を改善することで薄毛対策にもなるため、十分に気をつけなければいけないポイントです。
頭皮環境の改善に注目するべきなのが、保湿するというところにあるでしょう。
保湿しすぎれば、菌の繁殖を手伝ってしまう可能性もあります。
しかし、皮脂が何のために分泌されているのかといえば、肌の状態を守るためです。
水分を保持しなければいけないため、皮脂の分泌が盛んになります。
適切な状態を維持するためには、適切な保湿が重要であり、これがにおいの改善にも役立ってくれるのです。
育毛剤を使ってみるというのも、頭皮環境を改善し保湿できる状態を作る方法となるでしょう。
育毛剤は髪を育てるという役割を持っており、そのために頭皮環境の改善に役立ってくれたりするからです。
頭皮に潤いを与えたりできる育毛剤であれば、皮脂の過剰分泌を防ぐ役割も持ってくれます。
これにより頭皮のターンオーバーも健全な状態を保ち、皮脂の分泌も正常な状態に抑えられるのです。
ターンオーバーが正常な状態に戻っていくと、皮脂だけではなくフケなどの発生も抑えられます。
常在菌やカビなどにエサを与える必要もなくなり、紫外線などによってダメージを受けても回復しやすい環境が出来上がるのです。
これが薄毛対策にも繋がっていくため、積極的に取り入れていくといいでしょう。
まとめ
頭皮からにおいが出てきてる時には必ず原因が隠れています。
この原因を放置しておくのは、周りににおいを振りまいてしまうだけではなく、薄毛に発展させるという意味でも非常に危険です。
食生活などを改善できるポイントはいくつも出てくるため、気になるにおいが出てきた時には、普段から意識して対策して行かなければいけません。