頭皮ケア

薄毛女性の頭皮にも発症!脂漏性皮膚炎の治療方法とは?

思春期以降、また30代から40代にさしかかると、頭皮のフケが多くなったり、細かい皮が頭皮にこびりついたりして炎症やかゆみを引き起こすことがあります。

このような症状が長引いている場合には、脂漏性皮膚炎である可能性があるため、くれぐれも注意が必要です。

そこでここでは、脂漏性皮膚炎とはどんな病気であるのか、またその原因や治療方法、改善策などについて詳しく見ていきたいと思います。

脂漏性皮膚炎とはどんな病気?

脂漏性皮膚炎は、頭皮や鼻の周りなど、皮脂の分泌が多い部分に起こりやすい皮膚の炎症です。

皮脂には元々皮膚や髪を保湿する働きがあります。ただし皮脂が過剰に分泌されてしまうと、ニキビや吹き出物ができたり、皮脂に含まれている脂肪酸が酸化して、いわゆる加齢臭と呼ばれる臭いを発する場合もあります。

脂漏性皮膚炎になると、頭皮が炎症を起こして赤くなり、かゆみを引き起こします。

また頭皮が荒れてはがれ落ちたり、フケが多く出るようになります。アレルギー性皮膚炎や刺激性皮膚炎と区別がつきにくいとされていますが、炎症による赤みやかゆみ、かさつきなどを何度も繰り返す場合には、脂漏性皮膚炎であることを疑ってみてもいいかもしれません。

脂漏性皮膚炎の原因である真菌マラセチアとは?

脂漏性皮膚炎の主な原因として、現在最も有力であると言われているのが真菌、いわゆるカビの一種であるマラセチアの存在です。

マラセチアは皮膚に常在している菌であり、増殖するためには脂質が必要であるとされています。

皮膚には、汗を出す汗腺と皮脂を分泌する脂腺がありますが、マラセチアは脂腺から分泌される皮脂をエサとして繁殖します。

マラセチアは脂質を分解する酵素を持っており、皮脂の成分の1つであるトリグリセリドを遊離脂肪酸に分解する働きがあります。

この遊離脂肪酸が皮膚に刺激を与えるため、脂漏性皮膚炎を引き起こすのではないかと言われています。

日常生活における脂漏性皮膚炎の原因となる習慣とは?

以下では、普段の生活の中で脂漏性皮膚炎の原因となりうる生活習慣について、詳しく見ていきます。

栄養の偏った食生活

栄養の偏った食生活は、脂漏性皮膚炎を悪化させる原因の一つになる可能性があります。

動物性脂肪や糖質、香辛料の過剰摂取など極端に栄養の偏った食事は、他の病気を引き起こす原因にもなりますので、毎日できるだけバランスの良い食事をとるように心がけてましょう。

またビタミン類の中でも、水溶性のビタミンB群は皮膚との関係が非常に深いとされています。

ビタミンB群にはB1、B2、ナイアシン、パントテン酸、ビタミンB6などがあり、それぞれが脳や神経系、皮膚を健康に保ちエネルギー代謝を手助けする働きがあります。

特に健康的な皮膚を維持するためには、ビタミンB2やビタミンB6などが深く関わっているとされています。

ですからなんらかの理由でこれらのビタミンが不足した場合には、皮脂が過剰分泌して脂漏性皮膚炎などが起こりやすくなると言われているため、気をつけるようにしましょう。

シャンプーが不十分である

シャンプーが不十分だと頭皮に皮脂が溜まりやすくなり、その皮脂を栄養分としてマラセチアが繁殖し、炎症を起こして脂漏性皮膚炎を悪化させる場合があります。

ただしシャンプーの頻度は1日1~2回を目安にして、くれぐれも洗いすぎないように注意してください。

ストレスや睡眠不足

ストレスが溜まったり睡眠不足になると、男性ホルモンの分泌量が増えるため、皮脂が増えると言われています。

皮脂の分泌量が増えると、脂漏性皮膚炎を悪化させる要因となるため注意が必要です。

脂漏性皮膚炎の治療方法とは?

 
以下では、脂漏性皮膚炎の主な治療方法について詳しく見ていきます。

まずは皮膚科などの専門医を受診するのがおすすめ

脂漏性皮膚炎の場合、最初は症状が軽いため、ほとんどの方が市販の軟膏やクリームなどで対応しようとします。

そうすると一時的に症状が収まる可能性もありますが、マラセチアの繁殖そのものがおさまらないと、すぐに再発してしまったり、クリームなどの刺激により、かえって症状が悪化する場合もあるため注意が必要です。

ですから軽い症状であっても、炎症やかゆみ、かさつきが長引いている場合には、早めに皮膚科などを受診することをおすすめします。

病院ではステロイド剤や抗真菌剤を処方

病院での脂漏性皮膚炎の治療は、まず弱いステロイド剤から使用してみて、なおかゆみが強い場合には、強いステロイド剤に変更する場合もあります。

またマラセチア菌が原因となっていること多いため、はじめから抗真菌剤を併用する場合があります。

抗真菌剤はステロイドと比べ効果が出るまでに時間がかかりますが、副作用がほとんどないため、軽症の場合や再発予防のためによく使われます。

また、分泌される皮脂を減少させる効果があるビタミンB2やB6を処方される場合もあります。

症状が改善してきたら、外用抗真菌剤のみで様子を見るケースもあります。

また内服薬として、かゆみを抑える抗ヒスタミン剤を使用したり、細菌感染を起こしている場合にはさらに抗生剤を服用する場合もあります。

頭皮の場合は軟膏やクリームタイプでは塗りにくいため、ローションタイプを処方されることが多いようです。

炎症が起きている部分に直接塗らなければ効果が期待できないため、ローションタイプはなるべく髪の根元につけるように心がけましょう。

また頭皮の場合には、シャンプーを見直す必要もあります。低刺激のシャンプーや抗真菌剤の入りシャンプーなどもあるため、医師や薬剤師に相談してみるのがいいでしょう。

なお処方薬は、それぞれの体質や頭皮の状態により、場合によっては体に合わないこともあります。

ですからだいたい1~2カ月使用してみて、効果が感じられない、あるいは悪化していると感じた場合には、自己判断せずに、必ず医師に相談してくださいね。

日常生活の中で注意すべきこととは?

ここでは、普段の生活の中で気をつけるべき点について詳しく見ていきたいと思います。

脂肪分の多い食事を避ける

脂肪分の多い食事を続けていると、皮脂の分泌量が増えマラセチアの繁殖につながるため、なるべく避けるようにしましょう。

またビタミンB2とB6、ビタミンCには、皮膚の代謝を促しダメージの回復を早める働きがあるため、毎日の食事から積極的に摂取するようにしてくださいね。

しっかりシャンプーを行いすすぎ残しに注意する

シャンプーする際には、抗真菌剤入り、または低刺激のシャンプーを使い、爪を立てないようにして指の腹で頭皮を優しく洗うようにしましょう

またシャンプーが髪や頭皮に残らないようにしっかりすすぐようにしてください。

さらにシャンプー後はすぐに髪や頭皮をドライヤーで乾かし、雑菌などが繁殖するのを防ぐことが重要です。

うまくストレスを発散する

普段からストレスを溜めないように、自分なりのストレス解消法を見つけておくことが大切です。

友人とおしゃべりする、しっかり睡眠時間を確保する、また適度に運動するなど上手にストレスを発散して、脂漏性皮膚炎の原因となる皮脂の分泌を抑えるようにしましょう。

紫外線予防を行う

紫外線は頭皮のダメージの原因となり皮脂の分泌量を増やす原因にもあるため、特に紫外線の強い季節は、帽子や日傘をうまく利用して紫外線予防につとめましょう。

まとめ

脂漏性皮膚炎は真菌マラセチアが原因であるとされていますが、栄養の偏った食生活やストレス、またシャンプーなどが不十分であると症状が起こる可能性が高くなるため、普段から注意が必要です。

病院では薬を使った治療を行いますが、その他にも脂肪分の多い食事は避けたりきちんとシャンプーを行う、ストレスを発散するなど、日常生活においてもさまざまな面において気をつけるようにしましょう。