元は中国の食べ物だったラーメンですが、日本で食べられるようになってから独自の進化を遂げ、今では中国のものとは全く違うものになっています。
また、インスタントラーメンやカップラーメンは日本が発祥で、ご当地ものを含めると軽く100種類を超えるでしょう。
これだけラーメン好きの国民ですが、あまり食べ過ぎると薄毛の原因になってしまいます。
その理由は?
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ラーメンの成分をチェック!
ラーメンは身体によくない、というのは以前から言われていましたよね。
一体どんな成分でできているのでしょうか。
ラーメンの成分
お店のラーメン、インスタントラーメン、カップラーメンそれぞれの成分はこのようになっています。
お店で食べる醤油ラーメンの成分を表にしました。もちろん店舗ごと、ラーメンの種類ごとに違いますが、一応の目安としてみてください。
エネルギー | 470kcal 1,400~2,000kcal |
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パントテン酸 | 2.05mg 5mg |
炭水化物 | 73.2g 187.5g |
食塩相当量 | 6.35g 7.0g |
タンパク質 | 21.1g 50~55g |
カリウム | 767.5mg 2,000mg |
脂質 | 8.6g 41.7g |
カルシウム | 79.1mg 650mg |
ビタミンA | 23.1μg 650~700μg |
鉄 | 1.6mg 6.0~6.5mg |
ビタミンB1 | 0.83mg 1.0~1.1mg |
亜鉛 | 1.1mg 8.0mg |
ビタミンB2 | 0.3mg 1.1~1.2mg |
銅 | 0.2mg 0.8mg |
ビタミンB6 | 0.3mg 1.2~1.3mg |
ヨウ素 | 21.4μg 131.5μg |
ビタミンB12 | 0.83μg 2.4μg |
リン | 357.3mg 800mg |
葉酸 | 48.48μg 240μg |
マグネシウム | 69.3mg 270~290mg |
※左:量 右:目安摂取量/日
※目安摂取量は18歳~69歳までの女性の平均値
※炭水化物の目安は総エネルギーを1500kcalとした場合の50%として計算
※脂質の目安は総エネルギーを1500kcalとした場合の25%として計算
ラーメンを3食のうちの1食とすると、かなりビタミンやミネラルが不足しているのがわかります。
その一方、塩分は1食でほぼ1日分摂ってしまいます。
また、脂質が思ったほど高くないのですが、これはあっさり系の醤油ラーメンだからです。
成分を公表している「天下一品」のこってりの場合、1杯で66.2gと、1日の目安摂取量の1.6倍近く含まれています。
さらに、炭水化物も多めですね。
1杯で1日の目安量の4割程度を占めるので、ちょっと油断するとオーバーしてしまいます。
こちらは、一般社団法人 日本即席食品工業会のサイトに書かれている成分表です。
エネルギー | 量:432kcal |
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炭水化物 | 量:61.4g |
タンパク質 | 量:10.1g |
脂質 | 量:16.2g |
食塩相当量 | 量:2.0g(麺・かやく)2.8g(スープ) |
カルシウム | 量:200mg |
平均して1食100g、女性ならそこそこ満腹感が得られる量ですが、塩分は4.8gと、1日の目安摂取量の7割近くになります。
また、炭水化物と脂質は問題ありませんが、ビタミンとミネラルはかなり不足しています。
こちらも、一般社団法人 日本即席食品工業会のサイトに書かれていた平均的な量です。
エネルギー | 量:357kcal |
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食塩相当量 | 量:2.0g(麺・かやく)2.8g(スープ) |
炭水化物 | 量:45.4g |
ビタミンB1 | 量:0.23mg |
タンパク質 | 量:10.3g |
ビタミンB2 | 量:0.31mg |
脂質 | 量:15.0g |
カルシウム | 量:113mg |
こちらの平均は78gなので1個でお店のラーメンほどの満腹感はなく、それでも塩分は4.8gと高めです。
おかずに塩分の多いものを選んでしまうと、さらに摂取量が増えてしまいます。
また、炭水化物と脂質は問題ありませんが、やはりビタミンとミネラルはカルシウム以外かなり不足しています。
ラーメンが薄毛の原因に?その理由
成分を見ると、健康に良いとは言いにくいラーメンですが、髪の毛にはどのような影響があるのでしょうか。
成分別に解説します。
塩分(ナトリウム)を摂り過ぎると?
体内の塩分濃度は決まっており、それ以上になると薄めようと水分を溜め込むため、血液量が増えてしまいます。
するとそれを流すために血管壁に圧力がかかるため、血圧が上がります。
この状態が長く続くと血管壁がダメージを受け、硬くなったり狭くなったりしてきます。
その結果、送られる血液量が減ってしまうのです。
髪の毛は毛細血管から送られる血液を栄養源にしていますが、元々毛細血管は非常に細いため、血管がダメージを受けるとすぐに栄養不足になってしまいます。
その結果、髪の毛が抜けやすくなってしまうのです。
腎臓には、体内で不要な塩分や老廃物をろ過し、尿にして排出する役割があります。
塩分を摂りすぎた時、それを排出するために腎臓が働くのですが、この状態が続くと腎臓に非常に負担がかかってしまいます。
すると次第に機能が低下し、老廃物が体内に蓄積されやすくなるのです。
これらが血中に入り込むと血液が汚れ、頭皮に届いても髪を健康に育てることができなくなってしまいます。
これまでの研究で、塩分摂取量が増えると尿内に塩分だけでなく、カルシウムも増えることがわかっています。
すると体内のカルシウムが不足するため、骨のカルシウムが溶け出して不足分を補おうとするのですが、その際に血中にも入り込み、血管壁に吸着してしまいます。
その結果、血管が細くなったり硬くなったりして血流が悪くなり、頭皮まで届きにくくなるのです。
さらに、女性の場合骨粗しょう症になる危険性もあります。
脂質を摂り過ぎると?
脂質はラーメンの種類によって大きく違います。
塩ラーメンや醤油ラーメンは脂質が少なめですが、豚骨系は1日の目安摂取量を軽く超えます。
また、塩バターラーメンなどバターを入れると、一気に10g程度アップしてしまいます。
こってり系が好きな方は、以下のようなリスクがあることを知っておいてくださいね。
脂っこいものをよく食べていると、頭皮の皮脂分泌量が増えてしまいます。
すると頭皮の常在菌のマラセチア菌が皮脂をエサに大量増殖してしまい、頭皮が炎症を起こします。
これが悪化すると脂漏性皮膚炎となり、かゆみや大量の脂性フケが出るようになります。
さらに皮脂が毛穴に詰まるため髪が成長できなくなってしまい、抜け毛が増えてしまうのです。
これを脂漏性脱毛症といい、一旦罹ってしまうと治療に時間がかかってしまいます。
脂質を多く摂り過ぎると排出されずに蓄積され、血中に溶け出します。
すると血液がドロドロになり、細い毛細血管に入り込めなくなってきます。
それを放置すると、髪が栄養不足で細くなったり抜けやすくなったりしてしまうのです。
炭水化物を摂り過ぎると?
炭水化物は効率の良いエネルギー源なので、ある程度の摂取は必要です。
しかし摂り過ぎると以下のような問題が起こりやすくなります。
炭水化物を摂り過ぎると、消費されなかった分が中性脂肪に変化します。
すると善玉コレステロールを減らし、悪玉を増やして中性脂肪とともに血中に入り込んでしまいます。
これが続くと血液が汚れてドロドロになり、脂質摂り過ぎと同様、髪の成長に支障が出てしまうのです。
糖化とは、余分な炭水化物(糖質)とタンパク質が結合し、タンパク質を劣化させる現象のことをいいます。
最終的にAGEsという老化物質が生み出され、蓄積されてしまいます。
これが頭皮細胞に起こると、頭皮や髪を構成するケラチンタンパク質が変質してしまいます。
その結果、髪が短いまま抜けてしまったり、細い髪しか生えて来なくなったりして、薄毛が進行しやすくなるのです。
ラーメンで薄毛にならないために
ラーメンの食べ過ぎは、薄毛にかなり影響を及ぼします。
そこで、以下のことを守りましょう。
スープはできるだけ残す
スープには塩分がたっぷり含まれていますから、残すことが一番です。
しかし、ラーメン好きにはなかなか難しいところでもあります。
そこで、スープを飲む前にできるだけ水を飲んで、お腹を膨らませてしまいましょう。
これまで全部飲み干していたのを半分にするだけでも違ってきます。
野菜をたっぷり食べる
野菜には、カリウムが多く含まれています。
カリウムにはナトリウム(塩分)を排出する働きがあるので、ラーメンを食べた時は必ずたっぷりの野菜も食べましょう。
なお、味付けに塩をたっぷり使うと本末転倒なので、香辛料などで味を工夫し、塩の量はできるだけ少なめにしてください。
まとめ
ラーメンは今や国民食となっていますから、いくら髪に良くない影響があるといっても止めるのはつらいですよね。
薄毛を気にして無理に我慢するより、知識をしっかり持った上で、リスクを下げる食べ方を考えましょう。