年齢を重ねると、髪からはハリやコシがしだいに失われてしまいます。
全体のボリュームがなくなるので、スタイリングしてもペタンとしてしまうでしょう。
なんとなく貧相になってしまうので、若いころのように元気な髪をとりもどしたいと願っている方も多いのではないでしょうか。
加齢でハリやコシが失われるのは仕方ありません。
しかし、対処次第ではある程度はハリやコシを取り戻せます。
ここでは、ハリやコシとはどういうものか、どうしてなくなってしまうのか、どのようなケアをすれば良いかなどについて紹介します。
Contents
ハリやコシってそもそもどういうもの?
髪についてて語るとき、何気なく口にされるのがハリやコシという言葉です。
このハリやコシとは、そもそもどういうものかご存知でしょうか。
ハリ:髪の強さ
髪の両端を持って逆方向に引っぱったとき、健康な髪であればすぐにプツンと切れることはありません。
健康な髪は意外なほど強く、乾いた状態であれば10本で1kgの重さにも耐えられると言われているほどです。
ちなみに、濡れると強度が4割程度落ちます。
このような強い髪を、ハリがあるといいます。
一方、弱った髪はもろく、少しの刺激で切れてしまいます。こ
れがハリのない状態です。
コシ:髪の弾力
コシとは弾力のことです。
うどんを食べたとき、「コシがあって美味しい」と評価することがあるでしょう。
このうどんのコシも、噛んだときに心地よい噛みごたえを感じるような弾力があることを指します。
まれに誤解されることがありますが、コシは硬さとは別物です。
ハリとコシは区別されるものですが、どちらも美しい髪には欠かせない要素です。
中身がスカスカの髪はハリコシがない
髪の表面はキューティクルと呼ばれる物質で覆われていることは知っている人も多いでしょう。
キューティクルはわずか0.005mm程の薄さしかありませんが、何層にも重なり、髪を外部刺激から守っています。
内部の栄養や水分が蒸発しないようにするのもキューティクルの役割です。
キューティクルがびっしりと重なって隙間のない髪はハリやコシがあります。
また、中身がしっかり詰まっている髪もハリコシのある健康な状態です。
ところが、キューティクルは摩擦や紫外線によるダメージなどで、剥がれたり損傷したりします。
すると、キューティクルの隙間から中身が漏れ出てスカスカになり、結果としてハリやコシのない髪になるのです。
ハリやコシのある美しい状態を維持するためには、髪を丁寧にケアしてダメージを受けないようにする必要があります。
ハリやコシがなくなるのはどうして?
髪からハリやコシが失われる理由はさまざまですが、大きく次の3つが挙げられます。
加齢
生活習慣の乱れ
誤ったヘアケア
それぞれ、詳しく見ていきましょう。
加齢による老化現象
年を重ねると、肌と同じように頭皮も徐々に衰えていきます。
すると、髪の元となる毛母細胞の活動も低下してしまうのです。
結果として髪がしっかり育ちにくくなり、ハリやコシのない弱くてもろい状態で育ってしまいます。
また、女性ホルモンは50代前後を境に分泌量が減少し始めます。
女性ホルモンのうち、エストロゲンは発毛や髪の美しさの維持に関わるホルモンです。
減少すると、髪が健やかに育ちにくくなり、ハリやコシのない髪が増えてしまいます。
生活習慣の乱れ
仕事や子育て、家事など何かと忙しい世代の女性は、睡眠が満足に取れないなど生活習慣が乱れていることも多いでしょう。
睡眠は疲労をとるだけでなく髪を成長させるためにも必要な時間です。
充分に寝ないと成長ホルモンが十分に分泌されず、髪が健やかに育ちにくくなるでしょう。
睡眠不足が続くと自律神経のリズムも乱れがちになります。
自律神経の乱れは過緊張を招き、血行不良に陥ることがあります。
その結果、頭皮に必要な栄養が届かなくなることがあるのです。
充分な栄養がなければ、髪は当然弱くもろくなり、ハリやコシがなくなります。
ダイエットをしていたり忙しくてコンビニのおにぎりやパンなどで食事を済ませていたりする場合も同じです。
頭皮が栄養不足気味になり、髪から元気がなくなります。
誤ったヘアケアによるダメージ
毎日の何気ないヘアケア習慣が髪にダメージを与えるケースも多いです。
たとえば、以下のようなことをしていませんか。
洗浄力の強いシャンプーを使っている
シャンプーしたあと自然乾燥させている
ドライヤーのかけ方が良くない
雑なブラッシングをしている
洗浄力が強いシャンプーはすっきり汚れを落としますが、頭皮に必要な皮脂も落とす恐れがあります。
皮脂は肌から水分が蒸発するのを防ぐ役割がある大切なものです。
必要以上に取りのぞくと頭皮の乾燥を招き、健康な発毛を妨げます。
洗ったあと、すぐに乾かさず自然乾燥させるのもよくありません。
自然乾燥自体が髪にダメージを与えることはないものの、濡れた髪は水分を吸収して膨張しキューティクルが開くため、傷つきやすい状態です。
不用意にブラッシングしたり寝具とこすれたりすることで、簡単にダメージを受けてしまいます。
ドライヤーを近づけすぎて乾かす、一カ所にずっと温風をあてるなど誤った乾かし方をしているときも、髪に熱がたまりすぎてダメージとなります。
ブラッシングも気を付けたいポイントです。
丁寧に優しくブラッシングすれば、頭皮の皮脂が毛先まで行き渡ってツヤを生みます。
しかし、髪のもつれや絡みをほぐさず、トップから毛先に向けて一気に梳かしおろすようなブラッシングをすると切れたりキューティクルが引っかかったりして傷んでしまうでしょう。
ハリやコシのある髪になるには
残念ながら、髪はダメージを受けると修復することはありません。
ただし、トリートメントなどで表面をコーティングすることで美しく見せかけることは可能です。
傷んでハリやコシを失った髪はトリートメントでケアしつつ、育ってくる髪が傷まないように注意すると良いでしょう。
生活習慣の見直し
まずは、なるべく就寝・起床時間を同じにして、生活リズムを整えましょう。
睡眠不足は自律神経の乱れを招くのでよくありません。睡眠もしっかりとるようにしましょう。
運動することも大切です。
運動すると全身の血の巡りが良くなるので、頭皮にも栄養が行き渡りやすくなります。
ストレスも緩和されるでしょう。
栄養バランスを考えた食事をとることも欠かせないポイントです。
ミネラルやビタミンなど食事だけでは摂取しづらい栄養は、サプリメントを活用するのも良いでしょう。
ヘアケアを見直す
髪や頭皮に優しい低刺激のシャンプーにかえたり、洗ったあとはすぐに乾かしたりするなど髪を傷めないようにすることも大切です。
このほか、紫外線は髪にダメージを与えますので、外出の際は帽子や日傘などで対策すると良いでしょう。
頭皮マッサージ
頭皮を優しく揉みほぐすのもおすすめです。
指の腹で優しく揉みましょう。
このとき、上から下に動かさないよう注意することが大切です。
生え際から頭頂部、もみあげから頭頂部、襟足から頭頂部と、下から上に引き上げる動かし方をしましょう。
育毛剤を使うのも良い
女性用の育毛剤を使うのも良いでしょう。
育毛剤は発毛剤とはまた別のもので、土台となる頭皮の状態を良好にして髪が健やかに育つようにする薬剤です。
つけてすぐに変化がでることはないので、最低でも3~6カ月程度は使い続けましょう。
まとめ:ハリとコシのある美しい髪になろう
ハリやコシのある髪は美しく、若々しく見えます。
加齢によってハリやコシが失われることは避けられませんが、丁寧にケアすることである程度予防することは可能です。
生活習慣やヘアケア方法を見直す、頭皮マッサージをする、必要なら育毛剤を使うなど適切に対処して、髪の傷みを予防・ケアしましょう。