女性の薄毛対策には、さまざまなものが考えられてきました。
髪は女性の命というように、大事にされてきたからです。
その対策の一つとして、オメガ3とオメガ6と呼ばれる存在が注目を集めるようになりました。
人間に必須な油
人間の体の中には、作り出せるものとを作り出せないものが存在します。
なんでも作り出せるように見えますが、作れないものは食べ物などとして摂取していかなければいけません。
それも作れないものの存在がとても大きく、必須の存在として利用されているものもあります。
普段の食生活を考えても、油を使わない日はあまりないでしょう。
何かしらの油を取って生活しているのが人間です。
炒めたりするときに油を使うことがありますが、素材自体にも油が含まれています。
これらを摂取することで、体を維持しているのは確かなのです。
この油にも色々な種類があります。
日本人の感覚からすると、サラダ油が中心であり、他の油は珍しいものとして捉えてしまいがちです。
最近では、ごま油やオリーブオイルも手軽に使われるようになりました。
バターなどもありますが、亜麻仁オイルなど健康に良いとされる油も注目されるようになったでしょう。
この油の中には脂肪酸と呼ばれる成分が含まれています。
とても重要な要素で、主に4つに分けることができます。
それが飽和脂肪酸、オメガ3脂肪酸、オメガ6脂肪酸、オメガ9脂肪酸です。
この中で体の中で作り出すことができないものが、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸になります。
これらを必須脂肪酸と呼びますが、体を維持するためには必ず取らなければいけません。
この必須脂肪酸が、薄毛対策にも役立つかもしれないのです。
体に良い不飽和脂肪酸
脂肪酸という名前を聞くと、体に悪いのではないかと思うでしょう。
イメージとしては正しいことではありますが、実はそうでもありません。
脂肪酸を分けた時に飽和脂肪酸がありましたが、実はそれ以外のものは不飽和脂肪酸に含まれます。
その中で一価不飽和脂肪酸と呼ばれるのがオメガ9脂肪酸です。
もう一つは多価不飽和脂肪酸です。
こちらが必須脂肪酸で、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸が含まれています。
悪いイメージに繋がっているのは飽和脂肪酸のことであり、必須脂肪酸であるオメガ3脂肪酸はオメガ6脂肪酸ではありません。
逆に摂取しなければいけない脂肪酸なのであり、体の役に立ってくれるのです。
この必須脂肪酸は、色々と研究が進められています。
体の中で必要だというだけではなく、オメガ3とオメガ6が相互作用を持っているからです。
このオメガ3とオメガ6は、まるで正反対の役割を持っているところに注目が集まりました。
オメガ6は白血球を活性化する働きを持っており、病原菌に対して戦う準備ができます。
逆にオメガ3は白血球を押さえ込み、過剰に増えてしまった時に起こる炎症を抑えられるのです。
この二つがバランスをとっていれば、健康な状態を保てるようになるでしょう。
問題は二つのバランスが整っている状態が大切で、どちらかに偏ってしまうのはよくありません。
特にオメガ6脂肪酸に偏ってしまうような状態は、体を気をつけてしまう可能性が出てきます。
そこで重要となるのはオメガ3を増やすような食事です。
現在の食事の中にはオメガ6の方の比重が高いことが分かっています。
日本人の食生活からすると、オメガ3脂肪酸を高めるためには、イワシやサンマといった青魚をとるようにすると良いでしょう。
鯖が注目されるようになったのも、オメガ3脂肪酸が注目されてきたからです。
薄毛対策として注目された試験
不飽和脂肪酸が注目されるようになった背景の一つとして、育毛に役立つ可能性がめいてきたからです。
海外の研究で女性を対象にした試験が行われており、オメガ3脂肪酸はオメガ6脂肪酸、抗酸化作用をもつ物質のサプリメントの投与が行われました。
この結果が重要でしたが、発毛サイクルの休止期の割合が短くなり、成長期が長くなっていたのです。
つまり、髪が抜けるタイミングが短くなり、成長して伸びていく時期が長くなりました。
薄毛を予防するだけではなく、育毛という意味でも大きな意義があったと言えるでしょう。
それも参加者の約9割が抜け毛が減ったと感じたと報告されています。
髪の太さも変わったと感じた人が多く、不飽和脂肪酸が重要な役割を持ったのは確かです。
可能性として他の栄養素との影響もありますが、不飽和脂肪酸を中心に摂取していけば、効率的に働くと考えられます。
薄毛対策としてやはり重要なのは、不飽和脂肪酸は必須脂肪酸であり、体内で合成することができない点でしょう。
意識的に摂取するのも大切ですが、それだけバランスの良い食事をしていないために薄毛が起こるとも考えられます。
日常の生活が、薄毛の進行に大きな影響を与えているのは間違いありません。
理想的な割合は
不飽和脂肪酸の中でも、オメガ6脂肪酸は現代社会で過剰に摂取されているとも考えられてきました。
特に日本人の食事が欧米化していくにつれ、オメガ6脂肪酸の摂取量は増えてきます。
自然に生活している動物の肉にはオメガ6脂肪酸はそこまで含まれていませんが、家畜用の穀物を使って飼育されていた動物には、かなりの量が含まれているのです。
欧米化し肉食が中心に変わりつつある現代では、オメガ6脂肪酸の摂取量が過剰となって閉まっています。
オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸の理想的な割合は、1対2です。
この割合が理想とされるのは、実はよくわかっていません。
ですが、オメガ6脂肪酸が過剰な状態で生活できるような動物は人間ぐらいしか使っていないのです。
オメガ3脂肪酸の方が多い動物もいますが、かなり希少な存在といえます。
普段の生活でオメガ6脂肪酸が増えてきている以上、意識的にオメガ6を減らすと共にオメガ3を増やす食生活を目指さなければいけません。
魚が重要な役割を持っているのは間違いありませんが、日本人の食生活という面では難しくはないでしょう。
元々魚を多く食べてきた日本人にとって、馴染み深い食生活に戻すだけでも、理想的な割合に近づけます。
薄毛対策としても、青魚が注目されたりしますが、この背景にあるのは必須脂肪酸の摂取割合が隠れているのです。
植物由来のオメガ3脂肪酸に繋がるくるみ
オメガ3脂肪酸を摂取する上で、注目されるようになった食材がくるみです。
なかなかくるみを中心とした食べ物が思い浮かばないかもしれませんが、くるみにはオメガ3脂肪酸の前駆体であるアルファリノレン酸が豊富に含まれています。
前駆体とは何かと言えば、これらの物質を作り出す親のような存在と捉えればいいでしょう。
体の中に入ると、一部が青魚に含まれているEPAやDHAに変換されるのです。
体の中で作り出すことができないアルファリノレン酸ですので、くるみは非常に有効な食材といえます。
さらに植物由来のオメガ3脂肪酸と海洋由来のものは性質が異なり、両方を摂取することで相乗効果が生まれるとも考えられています。
非常に高い相乗効果があるとされており研究が進められていますが、どちらかというよりも両方バランスよく摂れるような食事を考えていくといいでしょう。
これから未来の食生活という意味でも、薄毛対策に重要な意味を持つ可能性が高いのです。
まとめ
女性の薄毛対策として、オメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸は大事な役割を持つのは間違いありません。
薄毛対策には健康な身体をつくるという意味も隠れています。
健康な体がなければ、髪は健やかに育たないからです。
そのためにも、一度食生活を見直し、欧米化が進むのではなく、魚を中心とした昔ながらの日本の食生活に戻してみるのも良いでしょう。