近年、コオロギをおやつに加工した商品が話題を呼んでいます。
海外進出もしている大手企業でもコオロギせんべいが売り出されていて、ご存じの方も多いでしょう。
なぜそんな生き物を食べるの?と思う人は少なくないですね。
これは、美容やアンチエイジング、髪の毛の悩みを持つ方々にも全く関係のない話ではないのです。
なぜなら、地球環境問題を中心とした世界的な「たんぱく質問題」がすぐそこまで来ているから。
髪の毛にはたんぱく質
髪の主成分はたんぱく質。
ミネラルやビタミンの力を借りて良質なたんぱく質を毛根に届けることが美しい髪を保つために必要です。
いくら、亜鉛やビタミンを摂っていても、要のたんぱく質が足りないのであれば髪の毛は美しく育ちません。
もちろん、髪の毛だけでなく、肌・血管・内臓など全身を通常運転させるために欠かせないものですね。
良質なたんぱく質も、健康な内臓で吸収され、健康な血管で運ばれることが重要です。
そのどこか一つでも順調に稼働しなかったり、他の障害が生まれてしまったら、髪の毛への栄養の輸送はストップ、もしくは足りなくなってしまう可能性があると考えられます。
たんぱく質を摂る方法は、肉・魚・豆・卵・乳製品など食材からプロテインでも摂取は可能ですね。
今世界で問題になっているのは、このお肉のもとである「家畜」です。
ホエイプロテインも乳たんぱくなので家畜が関係してきますね。
今何不自由なく取り入れることが出来ているお肉やプロテインが、危ぶまれている問題とは?
なぜ昆虫を食べるの?
昆虫を食べると聞くと、蜂やイナゴが想像できるでしょうか。
それでも、その外見に抵抗感が否めなく、食べたことは無いし食べたいとも思わないという方も多いでしょう。
先ほども書きましたが、たんぱく質は基本どのような食材から摂取していますか?
ヴィーガンやベジタリアンの食生活を心がけている方でなければ、「お肉」という声は多いのではないでしょうか?
家畜に関しては、環境問題の面で対策を講じていかなければいけない点が多々あります。
家畜が発するガス・糞などの処理が不十分で汚水汚臭問題。
必要なエサや水の量が多いことなど。それと比較し、昆虫は少ないエサで育てることができ、温室効果ガス排出量も勿論少ないのです。
身体が小さいし納得でしょう。その小さいからだに沢山の栄養素を備えていて、可食部が多いのでロスも少ない。小さいから育てる場所も狭くて済みます。
世界の人口がどんどん増え、身体にももちろん、髪にもとても大切なたんぱく質が不足したら…。
世界は既にみらいを見据えて行動に出ているのです。
家畜の代用に昆虫が注目されているのはこれが理由と言えます。
コオロギの栄養素
コオロギにはたんぱく質が豊富に含まれ、ビタミンB12・鉄分・亜鉛・食物繊維も含んでいます。
コオロギ一匹で、たんぱく質65%・脂肪20%・食物繊維5%の割合で含まれていると言われいます。
乾燥されたことにより水分量が減りこの含有率になっているので、鰹を乾燥させてかつおぶしの栄養素の含油率が上がるのと同じ仕組みですね。
粉末になれば、少量でもたんぱく質を効率よく摂取できると考えられます。
100gあたりのたんぱく質量は、豚や牛に比べて約3倍と言われています。
必須アミノ酸もバランス良く含まれているとし、髪の毛の主成分のたんぱく質を作り出す栄養素がこんなに入っているとはもはや「スーパーフード」と言ってもよさそうですね。
コオロギの製品はどんなものがある?
大手企業で企画販売されているので有名なのはコオロギせんべいでしょう。
その他にも、チョコレートがあります。
コオロギ粉末が入ったものや、なかには「コオロギ丸ごと」と書かれたものもありました。
驚いたのは、購入をしてみようとしたときほぼ【売り切れ】になっていたこと。
お味は、「普通のチョコレート」で「コオロギだ」と言われなければわからないという感想が語られていました。
その他にもこのような商品がありました。
・コオロギパウダー入りのパン
・コオロギパウダー入り焼き菓子
・コオロギ粉末入りパスタ
・コオロギ粉末入りスナック菓子
・コオロギ粉末が原料のプロテイン
プロテインの原料は乳のものもあるので、そこを昆虫原料に変えることがまた地球環境への配慮に繋がるのでしょう。
他には、コオロギらーめん・コオロギビールを提供するお店がテレビで取り上げられたこともありました。
コオロギはうま味成分も豊富です。
そこを生かした商品がこんなにも沢山の企業から売り出されているのです。
コオロギの姿かたちがそのまま見えてしまうと悲鳴が出そうですが、粉末になっていれば多少抵抗感が薄れるのでは?
食用に育てられるコオロギ
食べられているコオロギは食用として飼育されているものです。
国内でも飼育している場所もあります。
エサによって味わいに変化が感じられたという研究結果もあったそうで、まだまだこれから調整・研究が続いていくことでしょう。
エビデンスは無い
コオロギを食べることによって身体の不調が改善する、予防に繋がるというハッキリとした研究結果はまだないようです。
これから更に研究が進むことを期待します。
デメリットはないのか?
コオロギ自体は、味がエビのような味だと言います。
エビやカニの甲殻類と似た成分が含まれているので、甲殻類アレルギーの方は控えたほうがいいでしょう。
その他ピーナッツなどのナッツ類が苦手な方もアレルギー反応を起こす可能性があるので、心配な方は確認してみましょう。
あとは、粉になっていたとしても原形を想像してしまい食欲が出ない。
昆虫を食べるということ自体に拒否感があり、それを食べることによりストレスが生まれてしまうということもあるでしょう。
お肉やお魚が食べられないからコオロギにしましょうということではないので、無理に食べるものではありません。
「世界を広げる」という意味で、挑戦してみても全く変ではない時代に来ていることは確かです。
さいごに
もしかしたら牛や豚を食べ始めた時も、木になっている実を食べ始めた時も、最初はみんな抵抗があったのかも知れません。
でも、いつの間にかそれが普通になった。そして今そんな食生活が危ぶまれてまた新たな食資源を開拓しているのだとすれば、まだまだこれは食の歴史の途中でしかないのかもしれません。
毎日身体は、様々な部位を新鮮で健康な状態で保つために新しい栄養素の摂取を求められます。
お腹が空くのは、生きるために「栄養素を取り込んでください」と言われているようなものなのかもしれません。
昆虫は今のところ、どうしても食べなければいけないものではありません。
また、これを食べたら髪の毛が健康に育つというものでもありません。
髪の毛が抜ける原因は、ホルモンバランスやストレス、または栄養素の補給が不十分な状況にあり、人それぞれだと言えます。
髪の毛が元気に育つ為に十分な種類・量の栄養を摂取し、それを体内で吸収、健康な毛細血管を通して頭皮まで送り届けなければならないのです。
その為に今一度、栄養価の高い食材に興味を持つことも必要な一歩だと言えるでしょう。