女性の抜け毛は、男性とは異なる原因で進行していきます。
何が原因なのかを理解した上で、対策を講じていくのが基本です。
基本を重視しなければどのような方法をとっても役に立たなくなるため、どこからスタートしていくべきなのか、特徴を踏まえて考えていくべきでしょう。
女性ホルモンの変化に起因する原因
女性の抜け毛の基本的な原因は、ホルモンのバランスにかかっています。
これは男性でも同じ部分を持っていますが、その過程が異なるところが重要です。
男性の場合には、男性ホルモンが起因し、酵素と反応することで発毛を阻害してしまいます。
女性の場合には、発毛を司っている女性ホルモンが減少し、徐々に髪が育ちにくくなったり薄くなったりするのです。
どちらもホルモンが関わっていますが、そもそもの部分で違うことが分かります。
実際に多くの人が薄毛の悩みを抱えており、対処法を考えてきましたがなかなかうまくいかないのはホルモンが関わっているためで、目に見えてはっきりと伝わってこないからです。
若い頃には髪がフサフサでも、年齢とともに抜け毛が目立つようになり徐々に薄くなってきたと感じるのも、年齢とともに女性ホルモンが減少する特有の問題が関わっています。
この部分から対処を始めて行かなければいけません。
実際に女性ホルモンの減少を完全に食い止められないのはよく知られています。
これは人間の体の構造的に不可能な部分もあるからです。
しかし、適切な対処法により少しでも緩やかな状態にはできます。
抜け毛という部分でもアプローチの仕方を考えていけば、少しでもダメージを減らせるのです。
対策として重要なポイントになります。
エストロゲンの減少をカバーする
女性の抜け毛の特徴として、全体的に毛量が減ったように見える症状があります。
びまん性脱毛症と呼ばれますが、女性ホルモンの減少によりホルモンバランスが崩れ、発毛サイクルに問題が生じた状態です。
この時に減っているのはエストロゲンで、毛母細胞を活発に活動させるために必要なホルモンとなっています。
エストロゲンの分泌量が下がると、毛母細胞が活性化できなくなり、ヘアサイクルの中でも重要な成長期が短くなってしまうのです。
ヘアサイクルの中の成長期が短くなれば、髪は成長しにくくなります。
さらに抜け落ちるまでの時間も短くなるため、全体的な量も減るのです。
こうした薄毛の状態は、いきなり抜け毛が増えて目立つわけではありません。
女性の場合にはゆっくりと進行していきやすく、気がついた時には頭皮が見える状態になるのです。
抜け毛自体も大量に出てくるわけではないため、発見が遅れます。
対処方法としては、エストロゲンの減少をカバーするしかありませんが、全て防げるわけではありません。
最近ではよく知られるようになった大豆イソフラボンがあげられるようになりました。
大豆イソフラボンを摂取すると、腸の中で酵素と反応しエストロゲンと似たような働きをする物質に変わります。
これが更年期障害などの症状を緩やかにすると考えられており、対処方法としても使われるようになりました。
ただし、誰でもこの反応が出てくるわけではないため、100%の対処方法ではありません。
他にも育毛剤を使うといった方法が考えられます。
髪を健やかな状態に保つために育毛剤を使い、少しでもびまん性脱毛症の症状を緩和する方法です。
この方法は外部からの刺激は栄養となりますが、体に負担をかけずにできます。
そしてやはり若い頃から対処していくといいでしょう。
薄くなってきたと気が付いてから使うよりも、効果を高められるからです。
アレルギーカラーを切る抜け毛
ホルモンを起因とするもの以外にも、女性の抜け毛につながる原因が考えられます。
その一つにあげられるのはアレルギー症状で起こるものです。
頭皮は人間の体の一番高い位置にあり、紫外線の影響を受けやすい特徴を持っています。
さらに花粉などの影響でアレルギーを起こす場合もあり、これによって炎症が起こり薄毛に発展するケースが見られるのです。
女性の場合には髪が長い人が多く、カバーしているケースもありますが、つむじは露出している部分であり、炎症が広がってしまう場合もみられます。
ヘアカラーやパーマなどで炎症を起こし抜けてしまうケースもあるでしょう。
男性よりも女性のほうが髪に関するおしゃれで施術するケースが多く、こうしたアレルギーなどの反応での薄毛の可能性が高いと言えます。
清潔にする意識が逆効果となる
清潔にしようという意識が強すぎて、逆効果を生む場合も少なくありません。
シャンプーを使って髪を洗うのはとても大切ですが、頭皮にとってはかなりダメージを与える可能性があるからです。
シャンプーの多くは化成品であり、皮脂を洗い落とすことを中心に考えられています。
汚れを落とすのも特徴ですが、同時に皮脂を洗い落としすっきりとさせることを目的としているのです。
この時に適切な量が洗い流されているのであれば問題はありません。
しかし、しっかりとを落とそうと思ったあまり、洗い流しすぎてしまうとトラブルを発生させます。
皮脂は頭皮にとって欠かすことができない役割を持っています。
頭皮の水分を維持するために、表面で蒸発しないようにコーティングしているのです。
その皮脂が洗い流されてしまえば、頭皮にとって重大な問題を抱えてしまうことになるでしょう。
そこで不足した分を補給しようとします。
補給されてしまえばさらにべたつきを感じるようになり、シャンプーを繰り返したり、さらに強い洗浄力を持ったものに変えていくのです。
ここで落とされた分はさらに補給されていきます。
これが頭皮のトラブルにつながるのは容易に想像できるでしょう。
永遠に同じようなことが繰り返されるだけではなく、補給される皮脂がさらに多くなっていくのです。
やがて炎症を引き起こすようになり、毛穴にもつまり出していきます。
常在菌の反応も激しくなり、毛穴の中でも炎症を起こせば薄毛につながるのは間違いありません。
このケースも女性の抜け毛でよく目立つパターンで、洗浄力が穏やかなシャンプーに変えたり、洗うタイミングを1日1回に収めるなどの対処方法が考えられます。
引っ張られることで生まれる抜け毛
主に女性に見られる抜け毛のパターンとして、牽引性脱毛症もあります。
原因は髪型で、女性のように髪を縛ってしまう時に起こりやすい特徴を持っているのです。
牽引性の名前の通り、引っ張られることで毛根がダメージを受けます。
このダメージは、一時的であればそこまで問題ではありません。
しかし、同じ髪型を繰り返していると、やがて毛根の周りが弱くなり抜け落ちてしまうのです。
毛穴が閉じるような時期もやってくるため、その部分だけが髪が生えなくなります。
男性でも分け目で同じようなことが起きますが、女性の方が髪型という部分で顕著と言っていいでしょう。
ポニーテールが代表的ですが、後ろに縛るような髪型はできるだけ繰り返さないようにするべきです。
若いうちから同じような髪型ばかりしていると、必ず負担が増加するため休ませる日も作らなければいけません。
毛根にかかる負担を減らすだけでも違いがあるため、仕事で同じような髪型をしなければいけない人は、休みの日は負担を減らせるように楽な状態を作ることで対処できます。
まとめ
これらの抜け毛のパターンは、あくまでも基本的な例です。
さらにいろいろな条件が重なり、もっと深刻な状態も引き起こします。
対処方法としても基本的なものであり、原因を深く探っていくともっと別の方法をとらなければいけない場合もある点に注意が必要です。
特に生活習慣に関わる部分は原因の特定が容易ではありません。
さまざまな条件が重なり合って出来上がってくるので、ひとつずつ解決していく必要があるでしょう。