女性の薄毛

自然治癒力や免疫力をアップすると女性の薄毛にも効果が?その方法とは

「自然治癒力」とは病気やケガをした時、あるいは病気になりそうな時に薬を使わず自分の力で治すことをいいます。

また、「免疫力」とは免疫細胞が働いて実際に病気やケガを治療する力のことです。

たとえば、ケガした時にすぐに治って痕も残らない人もいれば、なかなか治らないばかりか化膿したりして、痕も残ってしまう人もいますよね。

これが「自然治癒力」や「免疫力」の差なのです。

自然治癒力や免疫力を高める方法は、いくつかあります。

そして、その方法はまさに薄毛予防・改善にもぴったりなのです。

自然治癒力とは

自然治癒力とは、人間が生き延びるために元々持っている能力だといわれています。

医学というもの自体がなかった太古、人間に自然治癒力がなければとっくに絶滅していたはずですよね。

もちろん、知恵のある人達が動物や植物に治療効果があるものを見つけ出したことも大きいですが、手に入らないことも多かったでしょう。

自然治癒力が強い人だけが生き延び、そのDNAが脈々と受け継がれているのです。

近年日本人の自然治癒力は低下している

よく、ご年配の方が「昔はほっときゃ自然に治ったもんだ」と、つい薬に頼りがちな現代人を批判しますよね。これはどういうことなのでしょうか。

医学の発達が自然治癒力を失わせる原因に

医学が発達してくると、ちょっとしたことでも薬や医者に頼りがちになります。

例えば、昔は風邪をひいた時は胃腸の負担にならないおかゆやうどんなどを食べて、ゆっくり1~2日寝て治す、というのが普通でした。

現在でも欧米では風邪で薬を処方することはあまりありません。

しかし日本では数種類の薬が出されます。

すると症状は早く改善するものの、自然治癒力を使う必要がないため、どんどん能力が低下してしまうのです。

自然治癒力が弱まると免疫力も弱まる

東洋医学では当たり前の概念である「自然治癒力」は、西洋医学では紀元前ヒポクラテスが発見したにもかかわらず、まだ正体がはっきりしていないという力でもあります。

しかし「免疫力」は自然治癒力から生まれるものだと考えられているため、自然治癒力=免疫力と考えるとわかりやすいかもしれません。

免疫力とは外部から侵入しようとする細菌やウイルスから守るための自己防衛システムで、白血球内に何種類もの免疫細胞が存在しています。

これらが細菌やウイルス、ガン細胞などを攻撃してくれるのです。

しかし、免疫力は20歳前後から落ちてきます。免疫細胞自体の機能が低下しやすくなるためで、思春期がピーク、40代で約50%、70代で約10%まで下がるといわれています。

免疫力が弱まると髪に影響が出やすくなる

ここでは、免疫力と髪との関係について解説しましょう。

髪に栄養が届きにくくなる

免疫力が弱まると、体調の回復により時間がかかるようになります。

食事から摂った栄養素をできるだけ病気やケガの修復に当てようとするため、髪の毛まで届かなくなるのです。

頭皮に雑菌が繁殖しやすくなる

免疫力が低下すると異物を排除する力が弱まり、頭皮についた雑菌が繁殖しやすくなります。

その結果かゆみや炎症を引き起こし、髪の毛の成長にも悪影響を及ぼします。

腸内環境が悪くなり血液の質が低下する

免疫細胞の約7割は腸内に存在しています。

善玉菌が多いほど免疫細胞の働きも良くなり、逆に免疫細胞が弱ると腸内環境も悪くなります。

腸内環境が悪くなると有害物質や老廃物が体内に蓄積されやすくなり、それらが血液に溶け込んでしまいます。

すると血液の質が悪くなるため、髪の毛が生えにくくなったり、細くもろい髪の毛になったりするのです。

免疫力が低下した時に最初に影響が出るのは、髪の毛だという研究があります。

髪の毛は末端組織で、なくても命の危険に関わるものではありません。

そのため、免疫細胞の働きが届きにくくなっているのです。

薄毛や細毛が進行している人は、免疫力の低下を疑いましょう。

自然治癒力や免疫力を高めるには

いつまでも健康で美しい髪を維持するには、自然治癒力や免疫力をアップさせることが大切です。

では、どのようにすれば良いのでしょうか。

腸内環境が良くなる食事をする

免疫細胞の大半は腸内に存在し、善玉菌が増えるほど細胞の働きが活発になります。

そこで、善玉菌を増やす食事を摂ることが重要です。それには、このようなものがあります。

・発酵食品

乳酸菌やビフィズス菌、酵母菌などの発酵食品は善玉菌を増やす働きがあります。
味噌、醤油、酢、漬物、納豆、チーズ、ヨーグルト、キムチなどを積極的に摂りましょう。

・オリゴ糖を含む食品
オリゴ糖はビフィズス菌のエサとなり、善玉菌の増加を促進させます。
オリゴ糖を多く含む食材には、大豆やゴボウ、たまねぎ、ニンニク、バナナなどがあります。

・食物繊維
食物繊維は有害物質を吸着して排出させる作用があります。
また、分解されると善玉菌のエサとなります。不溶性・水溶性両方を摂りましょう。
不溶性食物繊維が多い食材には雑穀や豆類、芋類、ゴボウ、タケノコ、とうもろこし、ブロッコリーなどがあります。
また、水溶性食物繊維はシイタケ、海藻類、果物などに多く含まれています。

適度な運動をする

運動不足になると血行が悪くなり、白血球内の免疫細胞の働きが悪くなるため、自然治癒力や免疫力が弱まってしまいます。

ハードな運動をする必要はなく、1日20~30分ウォーキングやジョギング、サイクリングなどやりやすいことから始めましょう。

意識して行ないたいのが、足を使った運動です。足には全身の約7割の筋肉が集まっているため、足を動かすと筋肉が熱を発し、それが血液によって全身に運ばれます。

すると免疫細胞も一緒に身体を巡るので、免疫力が高まるのです。

これまでの研究で、免疫力が正常に機能するには体温が36.5℃前後は必要といわれています。

体温が1℃下がると約3割低下するといわれており、低体温の人ほど免疫力が低くなっていますから、体温を上げることは非常に重要です。

なお、薄毛防止には頭皮マッサージもおすすめです。

頭皮をマッサージすることで熱が生まれて血行が良くなり、血液が充分に届くため育毛効果が期待できます。

質の良い睡眠を取る

免疫細胞は睡眠中に修復や新陳代謝を行なっています。

そのため、睡眠時間が少ない、あるいは熟睡時間が短くなるほど免疫力が低下します。

このことは、睡眠時間が平均7時間以下の人のほうがそれ以上の人に比べると約3倍風邪をひきやすくなる、というデータが裏付けています。

これは成長ホルモンの働きによるもので、このホルモンは就寝後約30分~3時間の間の、「熟睡中」に多く分泌されることがわかっています。

そのため、たとえ睡眠時間が長くても眠りが浅いと成長ホルモンの分泌量が増えず、免疫力がアップしません。

また、免疫細胞は同じ細菌やウイルスが二度目に侵入した際は、一度目の記憶によって素早く対応します。

この最初の記憶を脳に覚え込ませるのも、成長ホルモンの働きだといわれています。

頭皮の雑菌の繁殖を防ぐためにも、質の良い睡眠が不可欠なのです。

なお、成長ホルモンには毛母細胞を修復し新陳代謝を促す働きもあります。髪の毛の健康な成長も、質の良い睡眠にかかっているのです。

ストレスの解消

免疫細胞の約7割が腸内に存在しますが、後の3割は自律神経が大きく関係していると考えられています。

ストレスが強くなると免疫細胞の働きを食い止めるステロイドホルモンや神経伝達物質が大量に分泌され、免疫力が非常に低下してしまうのです。

また、ストレスが蓄積されると交感神経が常に活性化してしまいますが、交感神経には血管を収縮させる働きがあります。

そのため、髪に栄養が届きにくくなり、薄毛や抜け毛の原因となるのです。

さらに、ストレスが増えると男性ホルモンの分泌量が増えます。

男性ホルモンの一種DHT(ジヒドロテストステロン)には強力な脱毛作用があるため、常にストレスにさらされていると男性のように頭頂部や前頭部が薄くなってしまうこともあるのです。

このようなことを避けるために、自分なりの方法でストレスを解消しましょう。

また、笑うことで免疫細胞の一つ、ナチュラルキラー細胞が活性化することがわかっています。

これは作り笑いや口角を上げるといったことでも効果があることがわかっています。

まとめ

自然治癒力や免疫力を上げることは、健康を維持するために必要不可欠です。

そして、健康が維持できれば太くしっかりした、ハリやコシ、ツヤのある髪の毛を育てることも可能なのです。

食事や軽い運動、睡眠、ストレス解消など、できることから少しずつやってみてくださいね。