女性の脱毛症は、大きな悩みに繋がりやすい問題です。
髪型が維持できなくなるだけではなく、人からどのように見られているのか気になったりすれば、精神的にも大きなダメージを負うことになるでしょう。
そのような脱毛症の一つとして、ひこう性脱毛症と呼ばれる症状があるのです。
乾いたフケが大量に発生するひこう性脱毛症
ひこう性脱毛症とはあまり馴染みのない言葉かもしれません。
ひらがなで書かれると意味が通じないと思う人も多いでしょう。
ひこう性脱毛症のひこうとは、粃糠と書きます。
文字を分解してみるとわかりますが、米という文字がついている通り、米ぬかともみのことを指している熟語です。
これが脱毛症として大きなヒントとなっています。
ひこう性脱毛症とは、まるで米ぬかのようなフケが現れてくる特徴を持った脱毛症です。
カサカサと細かなフケが大量に発生することにより、髪が生えてくる毛穴を塞いでしまうことが薄毛につながります。
単純にフケができるだけであれば洗い流せば済んでしまいますが、これが頭皮に存在する常在菌のエサとなるのです。
マラセチア菌と呼ばれる菌ですが、普段から人間の頭皮に存在している菌で珍しいものではありません。
ところが、大量に増殖してしまうと、毛穴の中で炎症を起こすようになります。
炎症を起こしてしまえば毛穴が塞がる原因を作り出し、正常な状態ではなくなるでしょう。
これが髪の成長を妨げ、薄毛につなげてしまうのです。
女性の場合でも、特定の場所で現れるのではなく、頭部全体で髪が薄くなっていきます。
細かなフケが大量に発生するため、薄毛と同時に発生しているところで判別が付く症状です。
ひこう性脱毛症は病気
ひこう性脱毛症は、髪が薄くなるだけの状態ではありません。
これは病気なのです。
少々フケが出てくるような状態ではなく、細かなフケが本当に大量発生します。
驚くような料が発生するようになり、頭皮を見ると地肌にへばりついているのが分かるのです。
ここまでのフケが発生する段階で、正常な状態ではないことが分かるでしょう。
乾いてカサカサとしている状態で、明らかに出てきていることがわかります。
フケが出てくるような状態ですので、頭皮は強いかゆみを感じます。
元々頭皮の角質が剥がれ落ちたものがフケになるため、相当強いかゆみが出てくるのです。
それもすぐに留まるものではなく、頭皮全体に常にかゆみを覚えます。
初期の頃は気になる程度で済みますが、だんだんと異常な量へと発展し、頭皮も赤く炎症を起こし出すのです。
末期になると炎症部分がかさぶたとなり、さらに剥がれ落ちていくようになります。
髪の成長も異常をきたす状態で、細く力のない髪ばかりが生えるのです。
特徴的な部分として前頭部から頭頂部にかけて症状が見られるというのも、ひこう性脱毛症といえます。
病気ですので皮膚科で診断してもらうのがいいでしょう。
明らかに異常が出ており、このままでは問題があるとすぐにわかるはずです。
ひこう性脱毛症であると判断するのは素人では難しいものの、少なくても症状的に異常であるのは間違いありません。
症状が悪化しすぎてしまう前に対処するのが大切ですので、おかしいと思ったらすぐに相談に行くべきです。
薬を使った治療方法
ひこう性脱毛症の治療方法は、常在菌の繁殖を止めてしまうところからスタートします。
頭皮に炎症を起こす元凶となるため、状態の改善を図る必要があるからです。
一般的には炎症を鎮めるためにステロイドが使われたりしますし、抗生物質も使わなければいけません。
外用薬としては抗菌剤を使って、マラセチア菌を押さえ込みます。
かゆみを止めるためには抗ヒスタミン剤が使われるため、問題がある人は注意が必要です。
ビタミン剤などを使って頭皮の状態を健全にすることも行われますが、現状をよく確認しなければいけません。
皮脂の分泌を抑えることでフケの量を下げることもできるため、アミノ酸の再合成を手助けしてあげるようなものを投与される場合もあります。
どのような状態にあるとしても、薬を使う以上を素人判断で決めるのは危険です。
皮膚科の医師の判断が必要となるため、まずは相談してみると良いでしょう。
シャンプーなどに隠れる問題
ひこう性脱毛症を発症してしまう原因はいろいろとあります。
フケが大量に発生するという状況が問題になりますが、清潔にしているつもりが逆効果を生んでいるというのもよくあるパターンです。
フケが出てくると、できるだけ洗って落とそうとするのは、誰でも起きる心理と言えます。
シャンプーを使って洗い流してしまえばいいだろうというのは、実は早計なのです。
特に洗浄力の強いシャンプーを使いがちですが、強引に落としてしまうことにより頭皮が炎症を起こす可能性が高まります。
皮脂を落としすぎたことにより、頭皮が守ろうとして余計に分泌を始めるケースもあるのです。
皮脂の過剰分泌につながる悪循環のスタートで、自分は落としたい、頭皮は守るために分泌するという繰り返しをしている間に、必要もない量の皮脂が出てきます。
頭皮が正常なターンオーバーが出来なくなっている状況も問題です。
頭皮に合わない整髪料を使っていたり、洗浄力が強力なシャンプーのせいで、異常をきたしてしまうとターンオーバーに狂いが生まれます。
これがどんどんと進み、フケを大量に作り出していることがあるのです。
家庭の中での改善方法
ひこう性脱毛症は、家庭の中でもさまざまな改善方法が出てきます。
医師の診断でも必ず注意されますが、シャンプーは見直した方がいいでしょう。
洗浄力が強すぎるシャンプーは、頭皮にとって負担になるからです。
髪の洗い方としても、頭皮にシャンプーが残らないようにしなければいけません。
どんなに優れたシャンプーを使っていようとも、頭皮に付着してのこれは異物になってしまいます。
ダメージを与える原因を残すので、必ずきれいにすすいで落とさなければいけません。
シャンプーと同時に生活習慣の見直しも必要となります。
脂の多い食事をとっていると、頭皮の状態にも悪影響を与えるのはすぐに分かるでしょう。
脂っこい食事の次の日には、肌もベタついて感じるはずです。
これと同じことが頭皮でも起きています。
頭皮と肌は別物と思う人もいますが、何も変わりはありません。
頭皮の状態を改善させるためにはビタミン類が必要ですが、普段の食事で不足している人は補えるようしましょう。
ビタミン不足はさまざまな影響を及ぼすため、健康という面でも大きなデメリットをきたします。
注意しなければいけないのは、足りないからと言ってサプリメントで補っている時です。
必要以上に摂取すると過剰摂取の問題が出てくるため、できれば食事で補えるようにしたほうが問題ありません。
睡眠不足も、ひこう性脱毛症に影響をきたします。
肌のターンオーバーを考えると、早めに就寝することが大切と言われるはずです。
頭皮も同様であり、早めに同質な睡眠を取れるようにすると、成長ホルモンの分泌が促され、ターンオーバーが健全化していきます。
フケの発生を抑えることにもつながるため、睡眠時間のリズムは正しく取れるように生活を改善しなければいけません。
まとめ
ひこう性脱毛症は髪が抜けるだけの問題ではなく、病気であると認識し直さなければいけないでしょう。
薬を使って治せる部分もありますが、普段の生活の中で改善しなければいけないポイントも必ず出てきます。
一般的な薄毛というレベルではなく、もっと深刻な問題が隠れているかもしれないと捉え、早めに改善することが大切です。