女性の薄毛

夜食、習慣になっていませんか?女性の薄毛の原因に!

「寝る前に食べると太る」というのは、女性なら誰でも知っていること。

でも、何となく口寂しいからちょっとだけ…のつもりが、気づいたらかなり食べていた、ということはありませんか?

あるいは、仕事でいつも帰宅が遅く、夕食の時間が9時頃になってしまうという女性もいるでしょう。

しかし、その習慣が薄毛の原因となっているかもしれません。
今回は、夜食と薄毛の関係について解説します。

夜食が健康に良くないといわれる理由

お腹がすいたり口寂しくなったりすると、「何か食べなくては」と思ってしまうものです。
しかし、夜食は身体に様々な悪影響を及ぼします。

太りやすくなる

炭水化物や脂質はエネルギー源として大切なものですが、夜遅く食べるとエネルギーとして使われる前に寝てしまうため、どんどん脂肪として蓄積されてしまいます。

さらに、私たちの体内にはBMAL1という脂肪を貯め込む働きのあるタンパク質が存在しています。
このタンパク質は22時~2時頃に最も活性化するため、この時間帯に食事をすると太りやすくなるのです。

胃に負担がかかる

食べ物は胃腸に入ると2~3時間かけてドロドロの状態になり、その後十二指腸に送られます。
深夜になると、胃に残っているカスもすべて十二指腸に送り、完全に空っぽにします。
これが胃の正常な働きです。

しかし、空っぽになるはずの時間帯に食べてしまうと、胃はまた消化活動を始めなければいけません。
すると翌朝になっても胃の内部に食べ物のカスが残っている状態になり、胃もたれを起こします。
これが続くことで、胃に大きな負担がかかってしまうのです。

睡眠の質が悪くなる

夜遅くに食べると胃が睡眠中も活動しているため、熟睡しにくくなります。

また、大阪市立大学の研究で、血糖値が高くなると睡眠の質が悪くなることがわかりました。
血糖値は炭水化物や脂質を摂ることで上がりやすくなるため、夜食のスイーツや飲酒の後のラーメンなど、すべて睡眠の質を悪くしてしまうのです。

さらに、寝不足や質の悪い睡眠を数日続けただけで、レプチンという食欲を抑えるホルモンの分泌量が減り、グレリンという食欲増進ホルモンが分泌されることもわかっています。

夜食と薄毛にも大きな関係がある

夜食が健康に良くないということは、当然髪の毛にも悪影響が出やすいということです。
詳しく解説しましょう。

頭皮まで充分栄養が届かなくなる

髪の毛は睡眠中に伸びる、といわれています。
これは、深夜は胃が消化活動を終えて全身に栄養が送られるため、それが頭皮まで届いて毛母細胞の細胞分裂が行なわれるからです。

しかし、夜食を摂ってしまうと睡眠中にも胃が消化活動を行なっているため、まだ栄養素として使えるようになっていないのです。

さらに、消化・吸収活動中は血液が内臓に集まり、活動を促進させます。
すると頭皮に血液が届きにくくなるため、これも薄毛の原因となります。

頭皮の皮脂が過剰になる

炭水化物や脂質は、噛んでいる時から唾液のアミラーゼによって消化が始まっています。
そのためタンパク質に比べ、エネルギー源となる時間が早いのです。

しかし、食べた後すぐに寝てしまうと、そのエネルギーが消費されないまま蓄積されます。
炭水化物や脂質は蓄積されると中性脂肪に変化し、それが血液によって頭皮まで送られてしまいます。

その結果頭皮の皮脂量が増え、雑菌が繁殖しやすくなるため、頭皮が炎症を起こして髪の成長を妨げてしまうのです。

睡眠の質が悪いと成長ホルモンの分泌量が減る

成長ホルモンには、皮膚の健康を維持する働きがあります。
日中紫外線や空調などで刺激を受け傷ついた皮膚を修復し、新陳代謝を促す作用があるのです。

しかし、成長ホルモンは熟睡中、しかも入眠後30分~3時間程度の間しか大量分泌されません。
睡眠中も胃が働いていると熟睡時間が短い質の悪い睡眠になり、毛母細胞のダメージが充分修復されないため成長に異常をきたし、抜け毛や細毛になりやすくなります。

成長ホルモン減少は増殖因子IGF-1を減らす

「IGF-1」はインスリンに似た増殖因子で、髪の成長期に働きかけたり、毛母細胞などの増殖を促したりする作用があります。

元々IGF-1は10代に最も多く、それ以降は徐々に減ってしまいます。

さらに、IGF-1は成長ホルモンが肝臓を刺激することによって分泌されるため、睡眠不足によってこのホルモンがあまり出ないと、IGF-1も増えません。
その結果、髪の成長が遅くなったり抜けやすくなったりしてしまうのです。

自律神経が乱れ女性ホルモンの分泌量が減る

自律神経には交感神経と副交感神経があり、日中は交感神経が、夕方6時頃からは副交感神経の活動が活発になります。
しかし夜食によって胃が活動していると、交感神経がまた活性化してしまいます。

自律神経は脳の視床下部というところでコントロールされていますが、ここは女性ホルモンの分泌を調整する部分でもあります。
このホルモンには、髪の寿命を伸ばし健康に保つ働きがあります。

しかし、自律神経が乱れると女性ホルモンのバランスも乱れるため、髪の寿命が短くなってしまい、成長途中で抜けてしまいやすいのです。

どうしても夜食したい、夜遅く夕食を摂るという人は

なかなか夜食が止められない、あるいは仕事の関係でどうしても夕食が遅くなってしまうという場合は、こんな方法を取りましょう。

しっかり噛んで消化を早める

唾液に含まれるアミラーゼは消化酵素の一種で、かなりの量の炭水化物や脂質を分解することができます。

そこで、どうしても夜遅く食べたい時は、できるだけ噛む回数を増やしましょう。
また、噛んでいる途中に水分で流し込んでしまわないよう、噛んだものを飲み込んでから水分を摂るようにしてください。

なお、これまで食事中水分を摂ると胃液が薄まると言われてきました。
しかし近年の研究で、コップ1杯程度であれば胃液が薄まるのは5分以内で、それ以降は元の濃度に戻るという結果が出ています。

とはいうものの、ジュースや甘いコーヒー、アルコールなどは胃や腸に負担をかけてしまうため、ほどほどの量に抑えましょう。

ヨーグルトなど発酵食品を食べる

ヨーグルトやチーズ、納豆、漬物などは発酵食品です。
発酵食品は酵素の働きですでに消化しやすい形になっているため、胃にそれほど負担をかけずにすみます。
スイーツを食べたい時は無糖のヨーグルトを買って、砂糖を控えめにして食べると良いでしょう。

具だくさんの味噌汁を飲む

甘くなくても良いというなら、温かい味噌汁がおすすめです。
カロリーが低い上、味噌は発酵食品なので消化を助けてくれます。

具は、食物繊維が多いと胃の働きが活発になってしまうため、夜遅く食べる時は繊維質の少ない野菜を使いましょう。
ほうれん草や白菜、キャベツ、タマネギなどは胃や腸に負担がかかりにくく、同じく消化の良い豆腐も入れて食べると満足感もアップします。

夜食せずにはいられない…そんな場合は「夜食症候群」の危険性も

最近、「夜食症候群」に陥る人が増えています。

これは、たとえ深夜に帰宅しても寝る前に食べずにいられない、夜中に空腹で目が覚め、食べてしまう、といった人のことを指します。
1日の摂取カロリーの25~50%を夕食や夜食で摂っている人は夜食症候群に陥りやすく、一種の摂食障害とされています。

どんなにクタクタになって夜遅く帰ってきてもお腹いっぱい食べてしまう人や、高カロリーの夜食が欠かせない、食べないとイライラして眠れないという人は、一度病院で相談したほうが良いかもしれません。

まとめ

夜食や夜遅い時間の夕食が良くないことは、誰でも知っています。

しかし、その一口がストレス解消のために必要な時もありますから、無理に止めるのも良くありません。

髪の成長にあまり良くないことを知った上で、量を減らす、回数を減らすなど、できるだけ胃の負担にならないよう注意しながら食べれば、薄毛の危険性も減ってきますよ。