薄毛に悩む女性が増えて、様々なサプリや育毛剤が販売されるようになりました。
それを使用して効果があったという人が多いですが、実感できなかったという人も少なくありません。
市販されているものは、効果以上に安全性を重視しているためでしょう。
そこでおすすめなのが、医師の診断の元に処方される医薬品やサプリです。
クリニックに行かなければ手に入らないのでちょっと敷居が高いものの、その効果は日本はもちろん、世界で認められているのです。
しかも、万が一何らかの副作用が出た時は、医師が適切な処置をしてくれるので安心です。
今回は、そんな商品を2点ご紹介します。
Contents
アメリカで開発された発毛成分「ミノキシジル」
「ミノキシジル」は発毛効果がある成分の名称で、各国でロゲイン、ロニテン、リアップなどの商品名で販売されています。
ミノキシジルとは
ミノキシジルは1960年代に、血圧降下剤としてアメリカで開発された成分です。
使用している人の多くに発毛・育毛効果が見られたことから、1980年代に発毛剤として販売されるようになりました。
また、当時は内服薬だったのですが、その後副作用が出る可能性があることがわかったため、現在日本では塗り薬としてのみ販売が認められています。
代表的な商品が、大正製薬の「リアップ」「リアップリジェンヌ」です。
しかし、薄毛改善クリニックによっては、医師がタブレットタイプの飲み薬（ミノタブ）を処方することもあり、こちらのほうが効果が高いといわれています。
ミノキシジルの効果
血圧降下剤の作用として血管を拡張する働きがあるため、頭皮の血行を良くして栄養を送る効果があります。
髪の毛は、毛穴奥にある毛母細胞が細胞分裂を繰り返すことで伸びていきます。
しかし、栄養と酸素を送る血液は心臓のポンプによって運ばれるため、心臓より上の頭部には充分届かないことがあります。
すると髪の毛が伸びにくくなったり、成長途中で抜けやすくなったりしてしまうのです。
ミノキシジルは主に男性型脱毛症（AGA）の治療に使われてきたのですが、血管拡張効果が女性にも見られたことから、現在は男女双方の薄毛治療薬として使われています。
日本皮膚科学会でも、女性に対しても「発毛効果に関して高い水準の根拠がある」として、推奨しています。
ミノキシジルの含有量
市販されているリアップは、男性の場合1～5％、女性用（リアップリジェンヌ）は1％です。
海外では女性用でも濃度が高いものが販売されていますが、日本では女性に対して1％以外の臨床試験が行われていないため、市販することができません。
どれも購入時、薬剤師に説明を受ける必要があります。
これは、効果だけでなく副作用があることを購入者に説明する義務がある「第1類医薬品」だからです。
病院が処方する場合、症状によっては女性でも5％の塗り薬や飲み薬を出してくれるケースもあります。
ミノキシジルの副作用
これまでのところ、以下の副作用が報告されています。
・発疹
・かゆみ
・かぶれ
・むくみ
・頭痛
・めまい
・体重増加
また、血圧降下剤として開発されたため、低血圧の人が使用すると動悸やめまいを起こすことがあります。
さらに、血流が良くなるため心臓への負担も大きくなりがちなので、心臓に障害がある人は注意が必要です。
もう一つ、妊娠中・授乳中も避けた方が良いとされています。
臨床試験が行われていないため胎児への影響がわからない上に、血流が良くなることで母体の心臓にも負担がかかる可能性があるからです。
「パントガール」は女性の薄毛の救世主！？
多くの女性用クリニックで処方されているのが、ドイツ生まれのパントガール（Pantogar）です。
パントガールとは
パントガールは、ドイツのMERZ社という大手の医薬品メーカーが開発した商品です。
日本では認可されていませんし、成分からすると医薬品というよりサプリメントです。
しかし、世界40ヵ国近くで販売されており、その効果はメーカーのMERZ社から公表されています。
女性型脱毛症（びまん性脱毛症）患者の7割に効果があったという結果になっており、医薬品認定に対し非常に厳格な規定があるドイツで有効性と安全性が認められています。
なお、日本では医療機関が個人的に輸入することは問題なく、それを治療に使用しています。
パントガールの効果
MERZ社によると、パントガール使用によって「毛髪構造（損傷）の改善」「髪の成長期の増加」効果があります。
髪の毛自身にはダメージを修復する働きがありません。
そのため、一旦キューティクルなどが損傷すると、後はシャンプーやコンディショナーに配合されたシリコンなどでコーティングして、ダメージを広げなくする方法しかありません。
しかし、パントガールには髪の損傷を改善する作用があり、髪を健康な状態に導いてくれるのです。
さらに、髪の寿命を伸ばす効果もあります。
女性の髪の毛の寿命は平均4～6年とされ、そのほとんどが成長期です。
その期間を伸ばすことで抜け毛を減らし、栄養をより長く得ることができるため、ハリやコシも出てくるのです。
パントガールの成分
パントガールは以下の成分が配合されています。
・ケラチン…髪の主成分となるタンパク質
・L-シスチン…ケラチンを構成するアミノ酸で、髪のハリやコシを保つ
・パントテン酸カルシウム…欧米で薄毛・白髪予防のためによく配合され、ケラチンの合成を助ける
・パラアミノ安息香酸…ビタミンB群の一種で、頭皮を健康に保つ
・ビタミンB1…炭水化物の代謝を助ける
・薬用酵母…アミノ酸、ビタミン、ミネラル、消化酵素などを含み、細胞の新陳代謝を促す
成分表を見る限り、特に育毛や発毛に特効がある医薬品成分が配合されている訳ではありません。
しかし、メーカーだけでなく各国でも臨床試験などで高い効果が出ていることからして、女性の薄毛に充分効果が期待できるでしょう。
パントガールの副作用
現在までのところ、副作用の報告はありません。
ただ、12歳未満、妊娠中、授乳中の影響に関しては臨床試験がされていないため、推奨されていません。
使用したい場合は、医師に相談しましょう。
効果には個人差があります
ミノキシジル製剤もパントガールも、発毛・育毛率が高い商品です。
しかし、以下の場合効果が出ない場合もあります。
薄毛の原因がびまん性脱毛症以外の場合
びまん性脱毛症とは女性に最も多いタイプの脱毛症で、頭部全体の髪が細くなったり抜けたりするという特徴があります。
主な原因は加齢と女性ホルモンの減少で、35歳前後から起こりやすくなります。
この他の女性の抜け毛や薄毛の原因には、間違ったヘアケアや男性ホルモンの影響、ストレスなどがあり、これらの場合どちらもあまり効果は期待できません。
また、免疫疾患が原因の円形脱毛症の場合も難しいとされています。
実感できるまでに数か月はかかる
ミノキシジル製剤もパントガールも、効果を実感できるまでに3ヶ月以上かかります。
これは、成長期を過ぎた髪が3ヶ月前後で抜けてしまうことと関係があります。
成長期を過ぎた髪は根元が徐々に上がっていき、血管とも切り離されてしまうため、その時点でこれらの商品を使用しても寿命は伸びません。
使用後3ヶ月前後はこれらの成長期を過ぎた髪が順次抜けていくため、抜け毛が減らないような気がしてしまうのです。
しかし、抜けた髪の下には新しい髪が生まれており、成長期の髪にもミノキシジルやパントガールの成分が浸透していくため、3ヶ月程度から実感できるようになるのです。
クリニックでは高め。でも個人輸入は止めましょう
これらは多くの薄毛改善クリニックで手に入れることができますが、必ず診察・治療費込みですから、1ヶ月15,000～30,000円ほどかかってしまいます。
また、リアップリジェンヌは市販されていますが、5,000～6,000円前後です。
その点、海外からの個人輸入であれば、その半分～2/3程度で購入できます。
しかし個人輸入の場合、届いた商品が本物という保証はありません。
これまでにも全くの偽物だったり、正規品に別の成分を添加して増量したものなどが多く発見されています。
中には有害物質が添加されている場合もあり、高い治療費を払った上に完治しないケースも出ています。
いくら安くても、絶対に個人輸入は止めましょう。
まとめ
女性の薄毛の場合、たとえ高齢者でも時間をかけてケアすれば改善する、といわれています。
でも、1日も早く治したいという場合は、こういった医薬品を試してみてはいかがでしょうか。
