女性の薄毛

フケ=薄毛の前兆!?すぐに対処して女性の抜け毛を予防しよう

フケは本人にも見た人にも不快感を与えます。

しかし、毎日シャンプーしていても出るのなら、原因は「不潔だから」ではありません。

しかも、薄毛や白髪の前兆の場合もあるのです。

フケの原因と、出た時に頭皮がどうなっているのか、なぜ薄毛の原因となるのか、詳しく解説します。

フケとは?実は誰の頭皮にもある

フケは出る人と出ない人がいると思いがちですが、実は誰の頭皮にもあるのです。
フケとは何なのでしょうか。

フケは角質が剥がれたもの

お風呂で身体をこすった時、垢が出ることがありませんか?
頭皮も同じことで、フケは頭皮の垢なのです。

皮膚の構造は表皮、真皮、皮下脂肪に分かれており、一番上の表皮はさらに4つの層に分かれます。

一番下の基底層で細胞が生まれ、それが有棘層、顆粒層、角質層と一番上まで移動し、最後に剥がれることをターンオーバーといいます。
このサイクルが正常であれば、剥がれた細胞は目に見えないほど細かくなっており、垢やフケと気づかれることなく取り除かれます。

なお、ターンオーバーサイクルを「28日」と思っている人が多いのですが、これは20代に限ってのこと。
加齢とともに1サイクルが巡るのに時間がかかるようになり、30代は約40日、40代は約55日、50代は約75日と、年齢とともに皮膚は新陳代謝しにくくなっていきます。

ターンオーバーサイクルの乱れがフケを作る

フケが出るということは、頭皮が年齢に応じた正常なターンオーバーをしていないということです。
まだ本来の段階ではないのに何らかの原因で剥がれてしまったため、細かく砕かれることなく目に見えるサイズで肩や髪についてしまうのです。

フケのタイプは2種類。出来る原因が違う

フケには、乾性のフケと脂性のフケがあります。
小さな白い粒で肩に落ち、手で払うとすぐになくなるのが「乾性フケ」、粉より大きめで肩や髪にこびりつき、払っても落ちにくいのが「脂性フケ」です。

女性に多い!乾性フケの原因は「乾燥」

乾性フケの原因で最も多いのが、頭皮の乾燥です。
お肌が乾燥して粉がふくことがありますが、あれが頭皮でも起こっているのです。

健康な皮膚の角質層にはうるおいを守るセラミドや天然保湿因子があり、それを皮脂膜が蒸発しないよう守っています。

しかし皮脂膜がなくなってしまうと、うるおい成分も失われやすくなります。
すると本来まだ剥がれるべきでない角質が乾燥によって浮き上がり、粉状の状態で剥離してしまうのです。

頭皮が乾燥する原因はたくさんあります。

①シャンプーのし過ぎや脱脂力の強すぎるシャンプーの使用、洗い方

頭皮の乾燥を引き起こす最も大きな原因は、シャンプーです。

30代以降は皮脂分泌量が減ってくるため、2~3日に一度で充分だという皮膚科医は少なくありません。
皮脂量が減って来ても毎日シャンプーしていると、皮脂分泌が追いつかなくなり乾燥してしまうのです。

また、市販のシャンプーの大半は高級アルコール系と呼ばれ、洗浄成分がラウリル硫酸やラウレス硫酸です。
この2つは強力な脱脂力があるため、必要な皮脂まで洗い流されてしまいます。

さらに、シャンプーする時のお湯の温度も関係しています。
肌に刺激を与えない温度は35~38度前後といわれており、それ以上になると皮脂が落ちやすくなります。
高い温度で洗うほど、頭皮はどんどん乾燥してしまうのです。

多くのシャンプーやコンディショナーには髪の手触りをなめらかにしてくれるシリコーンなどが配合されているため、頭皮や髪が乾燥してしまっていることに気づきません。

しかし皮脂の代わりとなってくれる訳ではないため、乾燥がどんどん悪化してしまうのです。

②ドライヤーの高温

早く乾かそうと、ドライヤーを高温で使用していませんか?

髪の毛や頭皮細胞はタンパク質が主成分で、60度を超えると変質を始めます。
変質したタンパク質は元に戻ることはなく、角質層から浮き上がってしまい、乾性フケとなるのです。

③パーマやヘアカラーによる頭皮の変質

パーマ剤やヘアカラー剤には、髪と頭皮のタンパク質を変質させるアルカリ剤や過酸化水素が配合されています。

施術後きれいに洗い流されれば良いのですが、特にアルカリ剤は一度髪や頭皮に入り込むと非常に落ちにくく、1ヶ月近く残留します。

そのため頭皮にダメージを与え、かゆみや炎症が起こり、引っかいた際に角質層が剥がれてしまうのです。

④偏食や極端なダイエットによる栄養不足

頭皮の主成分はタンパク質なので、食事で充分摂っていないとターンオーバーサイクルが乱れ、角質層が未成熟なまま剥がれやすくなります。

さらに動物性・植物性タンパク質には肌の健康を維持するビタミンB群が多く含まれているため、タンパク質不足はフケの原因となるのです。

これ以外にも空気の乾燥や気温の低下、加齢、ストレスなども乾性フケを引き起こします。

最近女性にも増えている!脂性フケの原因は「雑菌」

最近、脂性フケに悩む女性が増えています。
脂性フケはサイズが大きい上にべたつきがあり、乾性フケより黄色がかっているため、とても目立ちます。

この原因は、雑菌の繁殖です。
頭皮の常在菌マラセチア菌は、頭皮を弱酸性に保つ大切な真菌です。

しかし皮脂をエサとしているため、分泌量が増えるとマラセチア菌も大量繁殖します。
マラセチア菌は皮脂を食べて遊離脂肪酸を放出し、これが頭皮を酸化させてしまい、角質層が未成熟のうちに剥がれてしまうのです。

以下に、皮脂分泌量が増える原因をまとめました。

①こってり系や糖類の食べ過ぎ

動物性食品に含まれる飽和脂肪酸は、体温ではサラサラにならず、固まって血液をドロドロにする作用があります。
その血液が頭皮まで届くと皮脂の分泌量が増え、脂性フケの原因となります。

また、炭水化物や糖類はエネルギー源として大切なものですが、摂り過ぎると中性脂肪として体内に残ってしまいます。
これが血中に入り込むと、やはり血液を通して頭皮がべたついてくるのです。

②シャンプーのし過ぎや成分

乾性フケと同様、市販シャンプーによって脂性フケが出やすくなることがあります。
これは、シャンプーによって頭皮から水分や皮脂が失われると、乾燥を防ごうと通常以上の皮脂が分泌されてしまうからです。

これは若い世代ほど強く、加齢とともに皮脂が分泌されなくなると、乾性フケが出やすくなります。

③シャンプーの後乾かさずに寝てしまう

湿度の高い状態の頭皮は、マラセチア菌だけでなく様々な雑菌が非常に繁殖しやすくなっています。
そのまま寝てしまうとどんどん繁殖し、かゆみや脂性フケの原因となるのです。

④女性ホルモンの減少

男性ホルモンには、皮脂分泌を促進させる作用があります。

女性の場合、男性ホルモンの量がそれほど多くないため、30代前半までは皮脂分泌量が抑えられています。
しかし、女性ホルモンは30歳前後が分泌量のピークで、40代に入ると一気に減ってしまいます。

すると男性ホルモンの作用が強くなり、皮脂分泌量が増えることがあるのです。

ストレス

ストレスを受けると自律神経のうち交感神経が活性化し、脳と身体を緊張させて立ち向かおうとします。

しかし交感神経と男性ホルモンは密着な関係があり、ストレスによって男性ホルモンの分泌量がアップすると、皮脂量も増えて頭皮が酸化しやすくなります。
これが原因となり、脂性フケが増えてしまうのです。

どちらのフケも抜け毛や薄毛を招く

どちらのフケも、原因は頭皮の角質層が未成熟なまま剥がれてしまうからです。
では、なぜそれが抜け毛や薄毛の原因となるのでしょうか。

乾性フケが原因となる理由

乾性フケは頭皮が乾燥していることが根本の原因です。

頭皮の乾燥が続くと皮膚は硬くなり、その下にある毛細血管を圧迫してしまいます。
すると栄養が充分届かなくなるため、抜けやすくなるのです。

また、乾燥した毛穴は柔軟性を失っています。
健康な頭皮は柔らかく、髪を多少引っ張ったくらいでは抜けません。

しかし硬くなった頭皮は引っ張られた時に抵抗する力がなく、するっと抜けてしまうことがあります。
ブラッシングを乱暴にしてしまう人、常に髪を結んでいる人、エクステをつけている人は注意が必要です。

脂性フケが原因となる理由

脂性フケは粘着性があるため、毛穴に入り込むとシャンプーではなかなか排除できなくなってきます。
すると毛根部が炎症を起こして脂漏性皮膚炎となり、毛母細胞がダメージを受けて太くしっかりした髪を作れなくなるため、抜けてしまうのです。

また、脂性フケそのものが原因ではありませんが、男性ホルモンの分泌量が増えると薄毛になりやすくなります。

これは、男性ホルモンの一種DHT(ジヒドロテストステロン)に強力な脱毛力があるからです。
男性に混じって第一線で活躍する女性は、男性ホルモンの分泌量が増えやすいことがわかっています。

まとめ

フケは乾性でも脂性でも見た目が悪く、しかも薄毛や抜け毛の原因になります。

フケに気づいたら、今回述べた原因をよく読み、思い当たる点があれば改善しましょう。

特に、シャンプーを脱脂力が穏やかなアミノ酸系に替えるだけでも、かなりの効果が期待できますよ。