老化はすべて防げるわけではありません。
生物としての限界もあり、できる限り抑えるのが若々しくたもつポイントにもなるでしょう。
特に薄毛という部分では、頭皮を老化から守ることが予防につながります。
髪を生み出すヘアサイクルと老化
髪の老化は、急激に起こるものではなく、緩やかに進んでいきます。
あまり変化に気が付かず、進行していたという事態が起きる理由です。
一般的には、30代を成長のピークとして始まっていくといわれる中、20代から老化が進んでしまう人も出てきました。
日本では黒髪でいるのが当たり前でしたが、時代の変化とともにカラーやパーマが一般的になり、何度も繰り返す人も増えています。
髪を美しくしたいと思ったカラーやパーマが、頭皮にダメージを蓄積させることも少なくありません。
老化にはほかにも理由はありますが、スタイリッシュに見せたい気持ちが老化をスタートさせることも出てきているのです。
頭皮が老化する過程で、ヘアサイクルに影響が出てきます。
ヘアサイクルは、髪の毛を生み出すための大事な流れです。
ヘアサイクルによって髪を生み出すことに必要な力を蓄え、細胞分裂によって増殖して伸ばし、やがて力を失いぬけていきます。
このサイクルも7年から9年という長いスパンを持っており、1日に100本程度抜けたぐらいでは薄毛にならないようにバランスが取れているのです。
ところが、老化によりこのサイクルに狂いが出てくると、髪の成長に影響を及ぼします。
老化によって成長期が狂いだすと、髪は力を失います。
うまく成長できず、細く弱々しく生えてくるのです。
本来は長い時間を掛けて伸びていく髪も、早々と抜けてしまうことも出てきます。
サイクルが短くなると、抜け落ちた後、新たな髪の成長が間に合いません。
抜けた後に新しい髪が生まれてこないので、徐々に薄毛の状態になるでしょう。
休止期が長くなってしまうときも薄毛の原因につながります。
髪を成長させるための力を蓄える大切な時期でも、あまりにも長くなれば薄毛につながります。
抜け落ちるほうが早くなるからです。
ヘアサイクルは、どの部分でも狂いが出てくれば薄毛につながります。
サイクルのバランスが取れていることこそ、健全な髪を作るポイントになるでしょう。
髪に表れてくる老化の影響
頭皮の老化が髪にもたらす影響は、ヘアサイクルを中心としていきます。
この状況を判断する材料のひとつが、太さです。
女性の髪の太さは、ピーク時には0.08mm~0.09mmになると考えられます。
老化が進むと、細胞分裂が少なくなり細くなります。
50代後半の髪は0.07mm前後と約0.01mmほど痩せるのです。
0.01mmなど目に見えてわからないと思いがちですが、実際に10%以上細くなります。
割合として考えたときに、これだけの差ができるのなら、はっきりと見た目でも違いが出てくるでしょう。
スタイリングもしにくくなりますし、同じ毛量を維持しても、地肌が見えやすくなり、薄毛と同じ状態ができあがります。
髪のコシも失われていくので、これまでになかった髪の癖がでたり、うねったりもするのです。
成長が悪くなると、キューティクルにも影響します。
髪の表面をうろこ状に覆っているキューティクルは、髪を守る盾のような存在です。
パーマや染めたいときにも、髪の中心に影響を与えないようにキューティクルがガードしているため、薬剤で強制的に開きます。
老化が進んでいくと、キューティクルも作られにくくなり、だんだんと薄くなってしまうのです。
髪のツヤもキューティクルが関係してくるため、パサついたような印象を受ける髪になります。
頭皮自体にも違いが出てきます。
肌の色の違いは、頭皮も例外ではありません。
健康なときには、少し青白く感じるような色を持ちます。
丸刈りにした子供たちの頭を想像するといいでしょう。
老化が進むと、だんだんと茶色がかった色に変化していきます。
茶色になる理由は老廃物であり、新陳代謝が衰え始めている証拠です。
新陳代謝が活発で、栄養がいきわたっている状態であれば、このような色にはなりません。
髪も人間の身体の一部として細胞分裂で作り出される以上、栄養が欠かせません。
新陳代謝が衰えてくれば、この栄養もなくなり、髪にも影響が出るのです。
髪質の衰えは、頭皮の老化と切っても切り離せないでしょう。
清潔に保ち内部から補う
頭皮のアンチエイジングには、いろいろな方法があります。
薄毛対策として重要になるため、気になる前の段階から進めていくのが大切です。
老化現象のひとつとして、どうしても汚れが溜まりやすくなります。
必要以上に皮脂が分泌されたりしますし、毛穴も汚れを押しだせなくなるからです。
クレンジングオイルを使う方法やヘッドスパを代表とする炭酸洗浄も使われるようになりました。
頭皮の汚れを落として健全な状態を作り出せますが、これらはあくまでも外的な方法です。
あまりに繰り返せば、無用な刺激になるので、身体の内部からの改善も考えていく必要があるでしょう。
内部のケアとして大切なのは、身体の一部を作るとしての食事です。
髪を作り出すのは、良質なたんぱく質です。
食事で補給すると、身体の中でアミノ酸に分解され、必要なたんぱく質として再構築されます。
良質なたんぱく質を摂取していけば、それだけ髪を作り出しやすくなるため、積極的に栄養を摂取するのがアンチエイジングの基本です。
同時にミネラル分やカルシウムも必要となります。
卵や海藻類、豆類などは健康な髪を作り出すために必要です。
野菜類で言えば、緑黄色野菜や果物がビタミン補給という面でも向いています。
いろいろと食材が出てきますが、単純に言えばバランスよく摂取しなければいけないということです。
食事のタイミングも大切で、リズムをしっかりとつけたほうがアンチエイジングに向いています。
どんなにアンチエイジングに向いている食材であっても、暴飲暴食はマイナスになることも理解しなければいけません。
マッサージによるストレス発散も
せっかくの栄養も頭皮にうまく届かなければ、意味がなくなります。
清潔にするだけではなく、血行の改善が大切で、そのために直接できる方法が、頭皮のマッサージです。
頭皮をマッサージは、血行を改善させるだけではありません。
内部に溜まってしまった老廃物も流してくれます。
マッサージの方法は、特別に難しいものではありません。
両手を広げて頭皮を包み込むようにして、指の腹を使って揉みあげていきましょう。
たったこれだけの方法でも血行は改善していきます。
タイミングとしては、入浴中がぴったりです。
身体も温まり、血行も高まっている中マッサージすれば、効果的になるからです。
マッサージすると、同時に頭皮の汚れも落とせるため、薄毛対策として複合的な効果をもたらします。
血行を改善するときに、ストレス発散にもつながります。
人間の身体は、ストレスを受けると外的刺激から身体を守るために血管を収縮させ、必要なところに流れるようにするのです。
必要としているのは内臓であり、頭皮などではありません。
つまり、ストレスは老化とは別に頭皮に悪影響を与える存在です。
マッサージで、心身ともにリラックスできることがストレス発散につながります。
頭皮のマッサージはだれでもできる簡単なものですが、健康な身体を作るためにも役立つのです。
まとめ
頭皮も人間の細胞である以上、老化から逃れられるわけではありません。
必ず劣化しますが、日々の生活の中で少しでも食い止めれば、健やかな髪を長く生かせるのです。
そのためにも、時間を掛けて対処する必要があります。
髪が時間を掛けて作られるのと同様、アンチエイジングもいきなり効果が出るわけではないからです。
日々の生活の中で取り入れながら、長い目で対処していきましょう。