女性の薄毛

更年期と女性の薄毛の関係性

40代半ばから50代にかけて多くの女性は閉経を迎えるため、心身ともにさまざまな変化が生じます。

その症状や起こる変化は人によりそれぞれ異なりますが、女性の抜け毛や薄毛もそんな閉経後に訪れる更年期に起こりやすい症状の一つとして挙げられます。

そこでこの記事では、具体的には更年期と薄毛にはどのような関わりがあるのか薄毛や抜け毛の症状を抑えるためにはどのようにすればよいのかなどについて詳しく見ていきたいと思います。

そもそも更年期とは?

もちろん個人差はありますが、多くの女性は50代前後に閉経を迎える方が多いと言われています。

女性は更年期になると卵巣の働きが弱くなるため、急激に女性ホルモンのエストロゲンの分泌量が減少し、ホルモンバランスの乱れが起こりやすくなります。

また自律神経のバランスも崩れやすくなり、更年期に伴うさまざまな症状が起こるため時に仕事や日常生活などに影響が出るほど重い症状が起こることもあります。

このように日常生活が起こるほどのさまざまな不快な症状が起こることを、更年期障害と言います。

更年期障害は誰にでも起こる?

実は一言で更年期障害といっても、自覚症状がほとんどないという女性もいれば、重症化してしまい婦人科での治療が必要なケースもあります。

しかしそれでも更年期には、女性の実に約80%が何らかの症状を自覚すると言われています。

ホットフラッシュと呼ばれている、急に起こるほてりやのぼせなどは更年期の症状の代表的なものとして挙げられますが、それ以外にも頭痛や肩こり、めまいや関節痛、体の冷えや不眠症、腰痛やイライラ、憂うつや集中力の低下など、更年期の症状は非常に多岐に渡ると言われています。

更年期と女性ホルモンの関係性

女性ホルモンにはエストロゲンとプロゲステロンという2種類があり、そのうち更年期に大きく関わりがあるのがエストロゲンであると言われています。

エストロゲンの分泌量は20~30代に最も多くなり、その後徐々に減少していきます。

エストロゲンというホルモンには、女性特有の月経や妊娠をサポートす機能の他にも、女性らしい体つきや肌、また髪を健康的に保つなどの重要な役割を担っています。

そのため加齢や閉経によりエストロゲンの分泌量が減ってしまうと、卵巣の機能の低下によりホルモンバランスが崩れ、体や心に不調が現れるようになります。

また更年期による体の変化に伴い、さらにストレスなどが加わると症状が悪化することもあるためくれぐれも注意する必要があります。

更年期には薄毛が進行する?

女性ホルモンであるエストロゲンの減少は、髪の成長や頭皮環境にも大きな影響を与えます。

エストロゲンの分泌量が減少すると、ヘアサイクルにも変化が起こり髪成長期が短くなるのに対して休止期が長くなってしまうため、抜け毛や薄毛が気になるようになります。

また女性ホルモンの減少は、髪質にも大きな影響を及ぼします。

加齢により頭皮が乾燥しやすくなり硬くなることにより、髪が細くなりハリやコシが失われていき、これまで髪がストレートだった方もうねりが気になるようになります。

紫外線やヘアカラーなどの影響も

紫外線は一年中降り注いでいるため、髪や頭皮に紫外線によるダメージが徐々に現れてきて、さらに女性ホルモンの減少に伴い、髪の成長にも悪影響を与える場合があります。

またパーマやヘアカラーなどを長年続けていると、髪や頭皮にダメージが蓄積され、更年期を迎えるとともに抜け毛や薄毛という形で表面に現れやすくなってきます。

更年期の症状を抑えての薄毛を改善する方法

ここでは、更年期によるしょうしを緩和させ、抜け毛や薄毛を改善するためにはどうすればいいのかについて詳しく見ていきたいと思います。

バランスのとれた食生活を心がける
更年期に伴う不快な症状を和らげるためなのは炭水化物や脂質などを中心に、栄養バランスの整った食事を取ることがとても大切です。

また髪の成長に欠かせない肉や魚類、乳製品などに多く含まれているたんぱく質や、牡蠣やレバーに含まれているミネラルである亜鉛、たんぱく質の吸収を助ける役割のあるビタミン類などを緑黄色野菜やフルーツからきちんと取ることも非常に重要です。
また更年期を迎えた女性におすすめなのが、豆腐や納豆、豆乳などの大豆製品に多く含まれており、女性ホルモンと似た働きをする大豆イソフラボンです。

また大豆製品には食物繊維やオリゴ糖やカルシウムなども含まれているため、更年期のさまざまな症状に悩む方は意識して摂取するようにしましょう。

更年期には有酸素運動が効果的

ジョギングやスイミングなどの有酸素運動は更年期の症状改善に効果的であると言われています。

一週間に最低でも3~4回は運動するのが理想的ですが、これまであまり運動してこなかったという方はけして無理をせず、ストレッチなども合わせて行うのがよいとされています。

できれば1日だいたい30~60分ほど続けて行い、運動する時間帯としては食事の2時間後ぐらいがベストであるため、早朝や食後、入浴後や飲酒後などは避けるようにしましょう。

質のよい睡眠を取る

髪の成長に欠かすことのできない成長ホルモンは、就寝後30分後から分泌され、その3時間後に最も分泌量が多くなると言われています。

夜更かしや睡眠不足が続くと、成長ホルモン十分に分泌されず毛母細胞の分裂回数が減少して、うまく髪が育たなくなってしまうため注意が必要です。

また質の良い睡眠をとることも非常に重要なため、就寝前にテレビやパソコンなどを見てブルーライトを浴びることなどはできるだけ控えるようにしてください。

うまくストレスを発散する

更年期には女性ホルモンや自律神経が乱れやすい状態となるため、ささいなことでイライラしてしまいストレスを溜め込んでしまいがちになります。

ストレスが溜まると血流が悪くなるため、頭皮環境が悪化して薄毛や抜け毛を招くため、適度にストレスを発散することが大切です。

自分の趣味に打ち込める時間を作ったり友人とおしゃべりするなど、自分に合ったストレス解消法を見つけて意識的にリラックスできる状態を作るようにしましょう。

頭皮マッサージで血行を促す

頭皮マッサージには血行を促進し、頭皮の毛母細胞に酸素や栄養素を行き渡らせる効果や、新陳代謝機能をアップさせる効果が期待できます。

特にシャンプー後や入浴後や血流が良いため、指の腹で軽く指圧するように行うとさらに効果的です。

また現在では家でも気軽にヘッドスパが楽しめるグッズも数多く販売されているため、うまく取り入れて頭皮マッサージを行っていきましょう。

まとめ

加齢や更年期による女性ホルモン分泌の分泌量の減少を完全に抑えるということはできませんが、早めに何らかの対策を講じることで薄毛や抜け毛の進行を遅らせることは可能となっています。

更年期の症状を緩和させ薄毛や抜け毛を改善するためには、毎日の食事のバランスに気を配ったり、質のよい睡眠を取ること、また適度に運動することなども高い効果が期待できます。

女性の多くが悩まされると言われている更年期ですが、個人差はあるもののだいたい60代に入るとほとんどの方は更年期が終わり、不快な症状も徐々になくなっていきます。

必要以上に構えることはありませんが、更年期は誰にでもあるものと気軽に考えて、日常生活を見直してみて体調の回復や薄毛予防に努めて、辛い時期を乗り越えていきましょう。