40代半ばから50代半ばくらいまで続くと言われる更年期に、心身ともに不調を訴える女性は少なくありません。
例えば、急に汗が多量に出るホットフラッシュや、目眩や倦怠感などが起こる人も多いですし、精神的に不安定になったり、自律神経失調症や鬱病になったりする人もいますよね。
ですが心身の不調だけでなく、薄毛や白髪の増加など、髪や頭皮にトラブルを感じている女性も多いのです。
実は更年期の不調の原因には、女性ホルモンのエストロゲンが関係しています。
女性ホルモンが減少すると、今までよりも男性ホルモンが増えます。
そのため、男性と同じような現象が起こりやすくなり、髪が痩せて細くなったり、抜け毛が増えたりパサついたり、いろんな症状が出て来ます。
でも、できれば少しでもキレイな髪でいたいと思うのが、女心でもありますよね。
そこで今回は、更年期と髪のトラブルの関係を説明し、トラブルを対処していく方法をお伝えしていきましょう。
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更年期と髪のトラブルの関係
年齢を重ねて出てくる髪のトラブルと言えば、薄毛や抜け毛や白髪ですよね。
特に更年期を迎えた女性は、髪の1本1本が細くなることも多いため、髪全体のボリュームが少なくなっていくことに不安を覚える人もいるのではないでしょうか。
しかも目に見えて抜け毛が増えていくと、なおさら不安が煽られますよね。
髪が加齢によって血行不良や栄養不足で細くなり、ツヤやコシが失われた状態になるんです。
この状態をそのままにしておくと、進行していきますので注意が必要です。
そこでここからは、更年期と髪のトラブルの関係を詳しく解説していきましょう。
髪や頭皮が老化する
30歳を過ぎたころから、少しずつ髪に変化を感じる人が多いのではないでしょうか?
20代までには何もしなくても保てていた、髪のツヤやハリやコシが失われてきたり、白髪が出てきたりしますよね。これは老化の1つといえます。
肌の老化によって顔に出てくるシワやシミ、たるみなどを気にしてお手入れをする女性は多いですが、実は頭皮や髪にも同じ現象が起こっています。
人は年をとると、新陳代謝が低下して血流が悪くなります。
髪は血液によって栄養や酸素が運ばれることで作られていますから、血行不良の状態では、髪が健康に育つことができなくなってしまいます。
また、血管自体も老化しますので、年と共に弾力がなくなり、血流が悪くなる原因にもなります。
結果として、パサパサの髪が生えたり、細くて切れやすい髪が生えたり、ツヤやコシがない弱い髪が生えたりします。
また、顔の皮膚と同じで、頭皮も老化でたるみが出て毛穴が歪むと、髪がうねってくせ毛になることもあります。
女性ホルモンのエストロゲン
女性は更年期を迎えると、卵巣から分泌される女性ホルモンのエストロゲンが減少することによって、髪にも影響が出てくることが少なくありません。
自然現象であるため仕方がないことではあります。
女性ホルモンのエストロゲンは、女性の月経や妊娠や出産などに関係していますが、髪を健康的で美しく育てる役割も果たしているからです。
そのため、40代頃から女性ホルモンが急激に減少していくと、髪のハリやコシを失って細くて弱い髪が生えてきたり、本数が減って全体的に薄毛になったりするんです。
そして50代くらいからは、髪の分け目の地肌が見えるほど薄くなる人もいるでしょう。
また、髪にはヘアサイクルがあり、4年から6年周期で生え変わります。
ですが、更年期に入って女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が減ると、男性ホルモンであるテストステロンが増えて影響し、髪の成長を遅らせたり抜け毛の原因になったりします。
このテストステロンが毛穴まで影響を及ぼすと、髪がうねり出したりくせ毛になったりして、髪質が変化する原因となります。
エストロゲンの分泌は35歳くらいまでがピークで、それ以降は減少する一方です。
そして閉経してしばらくすると、分泌自体が停止し、老年期といわれる時期に入ります。
個人差はあるものの、この間に髪や頭皮が変化していくことを経験する人は多いでしょう。
メラノサイトの減少
年齢と共に白髪が増えていく人が多いですが、これは髪を作る働きをするメラノサイトという細胞が減ることが原因です。
髪は元々誰もが白色ですが、成長する過程で色が付けられると黒くなって生えてきます。
そのため、老化によってメラノサイトが減ること、色を付けることができなくなり、白髪として生えてくることになるんです。
ヘアケアでトラブル対処して艶髪へ!
年齢による老化現象をストップさせることはできません。
ですが、少しでも進行速度を遅らせたり、老化現象を抑えたりして、いつまでも若々しくありたいと思いますよね。
そこでここからは、更年期にヘアトラブルを対処して、艶やかな髪を作っていく方法をお伝えしていきましょう。
食生活・大豆イソフラボンの摂取
髪の主成分はタンパク質です。
また、髪を作るときに大切な成分として、ミネラル・亜鉛・ビタミンがあげられます。
美しい髪を作っていくためには、食生活は欠かせない要素です。
良質なタンパク質とコラーゲンを摂取していく必要があります。
特に更年期で女性ホルモンの分泌が減少している女性は、女性ホルモンに似た働きをするといわれる大豆イソフラボンを摂取すると良いでしょう。
大豆イソフラボンには悪玉コレステロールを減らして血流を良くし、血圧を下げる働きもあります。
大豆イソフラボンは大豆製品に含まれていますので、味噌汁や豆腐・納豆などを中心にして食事を摂取していくと良いでしょう。
これらは更年期障害の対策にも良いとされていますので、毎日摂取するよう心掛けていきましょう。
普段から食生活に気をつけることで、中高年になっても内側から美しい髪を作っていくことが大切です。
無理のない程度に運動
更年期には精神面に影響が出て、更年期障害になる女性も少なくはありませんので、普段から身体や脳を活動させることを意識的に行うようにしてください。
加齢と共に代謝が落ちると血流が悪くなり、頭皮の毛細血管に血液が行き渡らなくなると、健康な髪が育ちにくくなります。
そのため、家に閉じこもらずに意識的に身体を動かすことや、趣味を楽しむなどをして、脳も体も活性化するよう意識していきましょう。
特に散歩などの有酸素運動は無理なく行えて、代謝の向上と血行促進になりますので、ウォーキングから始めてみるのもおススメです。
また、更年期ころから筋力の低下やコレステロールの増加なども見られるようになります。
そのため、身体を動かすことは、筋力をつけて足腰の弱りを遅らせることに繋がります。
また運動は、更年期によって起こる精神的なストレスの発散にも繋がりますので、普段から歩くことを心掛けていくと良いでしょう。
ストレスは血管を収縮させて白髪や抜け毛の原因にもなりますので、注意が必要です。
代謝が上がって血流が改善されることが、健康な髪を作ることに繋がります。
頭皮マッサージ
頭皮マッサージを普段から行うことで、頭皮を柔らかくして、頭皮の血流を良くすることができますので、薄毛や抜け毛、白髪の対策にはとても有効です。
マッサージはシャンプーの前に行うようにしましょう。
その際、気に入った香りのアロマオイルなどを使用すると、癒しとリラックス効果で、更年期による精神面の不調も和らげる効果に繋がります。
年齢と共に頭皮も硬くなって不健康な状態になりがちです。
そのため、顔のお手入れと同様に頭皮もマッサージをして、老化の進行を緩やかにしていきましょう。
また、頭皮は清潔な状態を保って毛穴を塞がないことが大切ですので、マッサージでオイルを使用した後は、シャンプーのときにしっかりとキレイに洗い流すようにしてください。
成分が残っていると毛穴を塞いでしまい、薄毛や抜け毛を進行させる原因を作っていまいます。
シャンプー選び
抜け毛や薄毛などが気になる場合は、育毛シャンプーを使用してみるのも良いでしょう。
最近は、抜け毛などで悩む女性が増えているため、女性専用の育毛シャンプーもたくさん販売されており、頭皮や髪にエイジング効果があるものも増えてきています。
【シャンプーの成分内容】
安価なシャンプーは洗浄力が強力なものも多いため、頭皮や髪のトラブルを引き起こす原因になる場合もあります。
女性は更年期くらいから頭皮の皮脂分泌が減少していくため、洗浄力が強すぎるものは良くありません。
そのため、潤い成分を配合した、頭皮や髪に優しい成分で作られているシャンプーを選ぶようにすると良いでしょう。
【シャンプー回数】
頭皮の皮脂分泌が減るということは、潤いが欠如している状態にあるため、頭皮も髪も乾燥しやすくなります。
乾燥状態にあると、健康的で潤いのある髪は生えて来ません。
そのため、季節にもよりますが、特に家から出る用事がなく、汗をかかなかったときなどは、1日くらいならシャンプーをするのを休んでも良いでしょう。
まとめ
今回は、更年期と髪トラブルの関係を説明し、艶髪を目指し髪のトラブルを対処する方法をお伝えしました。
更年期は誰でも迎える時期なので、頭皮や髪の状態が変化するのは仕方がないことでもあります。
ですが、普段から適切なケアを行うことで、健康でキレイな髪を作ることは可能です。
年齢と共に代謝が落ちて血流が悪くなることも原因の1つです。
血流は髪と深く関わっていますので、普段の食生活を見直して、運動を取り入れることで健康で艶やかな髪を作っていきましょう。
これからは肌のお手入れ同様に、頭皮や髪の手入れを丁寧にすることを心掛けて、いつまでも若々しい髪を保っていきましょう。