現代の女性は仕事に家庭にとたくさんの役割をこなし、ストレスをためて疲れている人も多いのではないでしょうか。
眠っているのに何だか身体のだるさが抜けない、動悸や息切れや目眩がするなどの症状は、実は疲れからきているだけでなく、貧血になっていたという場合もあるんです。
そして貧血をそのまま放っておくと、抜け毛に繋がる恐れもあります。
髪は血液によって運ばれる栄養と酸素を元に、毛母細胞が細胞分裂を繰り返すことで作られています。
それが、貧血になることで栄養や酸素が充分に頭皮の毛細血管に行き渡らなくなると、抜け毛の原因になるんです。
では今回は、貧血と抜け毛の関係と、貧血を改善して髪も健康になる方法をお伝えしましょう。
Contents
貧血と抜け毛は関係あるの?
貧血は血液中のヘモグロビンが不足した状態です。
そしてヘモグロビンを作るのに大切な栄養素が鉄分です。
ヘモグロビンは酸素を全身に運んでいる役割があるため、ヘモグロビンが減ると酸欠の状態になり、目眩や動悸、息切れやだるさなどの症状が出てきます。
女性は毎月の月経などもあることから、男性よりも貧血になりやすく、鉄分不足による鉄欠乏性貧血といわれる方が、貧血の90%にも及ぶとのことです。
では、その貧血でなぜ抜け毛や薄毛になっていくのでしょうか?
ここからは、貧血と抜け毛の関係を詳しく解説していきましょう。
貧血と抜け毛の関係
髪は毛母細胞の細胞分裂によって作られますが、健康な髪を作るためには充分な栄養と酸素が必要です。
また、酸素と栄養は血液によって運ばれますので、血流の良さは健康な髪を作るうえでとても大事な条件となります。
貧血は鉄分が不足することで起こります。
血液中のヘモグロビンが酸素を運んでいますが、鉄分が不足するとヘモグロビンは作られなくなり、貧血の状態になります。
ヘモグロビン不足で酸素が運ばれなくなると、髪を作る毛母細胞の細胞分裂に必要な栄養と酸素を受け取れません。
結果として、毛母細胞が細胞分裂を繰り返すことで髪が伸びている仕組みのため、毛細血管の毛母細胞に栄養と酸素が行き渡らない状態では、健康な髪を作ることができなくなってしまいます。
また、脳の酸素が減少するとイライラしやすくなります。
イライラやストレスは自律神経の交感神経を優位にし、血管を収縮させてしまいます。
血管が収縮すると血流が悪くなりますので、栄養が行き渡りにくくなり、抜け毛の原因を作ることになっていきます。
貧血は体調の不調だけでなく、抜け毛にも繋がりますので改善していきましょう。
鉄欠乏性貧血
貧血の人の90%が鉄欠乏性貧血だと言われています。
鉄分が充分にヘモグロビンに蓄えられないと、酸素が全身に行き渡りにくくなります。
それ以外にも鉄欠乏性貧血になることで、ヘアサイクルが乱れて脱毛になるんです。
ヘアサイクルは4~6年周期で、成長期・退行期・休止期の順番で繰り返しています。
ですが、鉄欠乏性貧血によってヘモグロビンを作るのに大切な鉄分が不足すると、上手く髪が生成することができず、成長期にあるはずだった髪が休止期に移って抜け毛が発症するということもあります。
髪が短いままの成長途中で抜けている状態の人は、ヘアサイクルが既に乱れている可能性もありますので、早めに対応していくことが必要です。
貧血になりやすい人は?
【鉄分不足】
まず、女性はだいたい決まった周期で月経がありますので、男性よりも貧血になる可能性が高いです。
何故なら、月経の出血の際に、鉄も排出してしまうからです。
他にも女性は、妊娠・出産・授乳の際に、鉄分が一緒に排出されるため、貧血状態になりやすいでしょう。
【タンパク質不足】
また、鉄分不足だけでなく、タンパク質が不足してもヘモグロビンを作ることができなくなってしまいますので、無理なダイエットや偏った食生活を繰り返していると、貧血になります。
ダイエットすることで体調が不調になるなら、貧血になっている場合もありますので、ダイエットを一旦中止するなどして、注意した方が良いでしょう。
【亜鉛不足】
亜鉛は細胞分裂やたんぱく質の合成などにも関わっているため、亜鉛不足になるとヘモグロビンを作ることができなくなります。
そして亜鉛は髪を作るうえでも大切な栄養素ですので、不足すると髪に影響が出てきます。
貧血予防で抜け毛を改善
貧血からくる抜け毛の場合は、体内からの改善が必要不可欠です。
外側から育毛剤などを使用しても、あまり効果は見られません。
そのため、体調不良などの貧血状態にあったときは、一度病院に受診して血液検査をしてもらって、医師に判断してもらうと良いでしょう。
何故なら、医師によって貧血と診断された場合は、鉄剤を処方してもらえるからです。
では、体内から貧血を改善して、抜け毛も改善していくことができる方法をお伝えしていきましょう。
食べ物で改善
貧血は、食生活の偏りが原因でも起こります。
特に、身体は摂取する栄養から作られていますので、栄養の偏りは病気に繋がります。
貧血は鉄・たんぱく質・亜鉛が不足することで起こります。
基本的な食生活の栄養バランスを整えたうえで、上記内容の栄養素を積極的に取り入れるように心掛ける必要があります。
鉄や亜鉛は吸収率が低く、摂取した25%程度しか吸収されません。
そのため積極的に取り入れていかないと不足しがちです。
鉄や亜鉛は吸収率を高めてくれるビタミンCと一緒に摂取すると良いでしょう。
また、亜鉛はストレスを抑える働きもあるため、日々のストレスを軽減するためにも摂取してください。
何故なら、ストレスをためることが抜け毛の原因にもなるからです。
【具体的な食材例】
・レバー・ほうれん草・ひじき・卵黄・煮干し・しじみ・あさり・牡蠣・ごま・きな粉など。
基本的にはバランス良く食事をすることが大切です。
偏食をせず、丁寧な食事を心掛けることで、貧血と抜け毛の両方を改善していきましょう。
鉄分の吸収率を下げるもの
紅茶・コーヒー・緑茶などに含まれる苦み成分は、摂取した鉄分を吸収することを妨げてしまいます。
そのため、食事前後の1時間は飲まないようにすると良いでしょう。
貧血にも育毛にも大切な栄養素である亜鉛ですが、過剰に摂取量が増えると、鉄分を吸収することを阻害してしまいます。
また、鉄分の過剰摂取は亜鉛の吸収率を下げる結果となってしまいますので、どれかに偏るのではなく、どれもバランス良く摂取していくようにしましょう。
病気の可能性
一言で貧血といっても、病気からくる貧血の場合もありますので、注意が必要です。
消火器癌などによる出血や、他の病気から来る出血状態の場合は、放置せずにすぐに病院で治療する必要があります。
抜け毛を気にするよりも、病気を治療することが優先ですので、息切れや動悸や倦怠感などの症状が続くようなら、一度診察してもらうことをおススメします。
まとめ
今回は、貧血と抜け毛は関係あるのかということと、貧血を改善して髪も健康になる方法をお伝えしました。
貧血は体調が不調になるだけでなく、抜け毛の原因にもなってしまいます。
解決するには食生活の中で、貧血の原因になっている鉄分を積極的に摂取していくことが大切です。
ただ、鉄分だけを摂取しても改善されることは期待できないため、バランスが取れた食生活を基盤にしたうえで、鉄・亜鉛・たんぱく質を積極的に取り入れるようにしていってください。
ただし、体調不良が続いている場合は、貧血だからと自己判断せず、一度病院に受診すると良いでしょう。
貧血の場合は鉄剤が処方されますし、もし他の病気だった場合は治療が必要になるからです。
貧血からくる抜け毛は、体内からしか治すことができません。
そのため、毎日の食事に気をつけて、丁寧によく噛んで食べることを心掛け、貧血と抜け毛を改善していきましょう。