以前は男性に多いと言われてきた薄毛ですが、女性の社会進出などに伴い、仕事や人間関係のストレスが増えたことなどから、最近は女性でも薄毛の悩みを抱えている方が増えてきています。
では男性と女性の薄毛にはどのような違いがあり、また改善するためにはどんな方法を取ればよいのでしょうか。
そこでここでは、男女それぞれの薄毛の原因や改善策などについて詳しく見ていきたいと思います。
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男女に共通する加齢による薄毛の進行
人間の髪は、年齢を重ねるとともに本数が少なくなり、さらにハリやコシが失われていきます。
この現象は40代以降により顕著となり、更年期が始まる50代以後は地肌が透けて見えるほど髪が薄くなったり、髪の毛の生え際が後退するなど、急激に薄毛が進行する場合があるため注意が必要です。
通常であれば髪は2~3本、多い場合は4本以上の毛包が集まって生えています。
一見するとひとつの毛穴から何本も髪が生えているように見えますが、実は毛包は異なっています。
これを毛群と呼び、1つの毛群あたりの髪の毛の本数は加齢とともに減少していきます。
30代までは頭頂部、後頭部ともに本数はだいたい2~3本となっています40代以降は平均約2.2本、50代以降は約2.0本と40代を境にして少しずつ減っていきます。
また後頭部より、頭頂部の方が減少する割合が大きいこともその特徴となっています。
薄毛は遺伝する?
薄毛に悩んでいる方の中には「自分の親も薄毛だから、もしかして遺伝したのでは?」と心配している方もいるのではないでしょうか。
実ははっきりしたことはいまだに解明されていませんが、たとえ親が薄毛であっても、必ずしもその子供が薄毛になるという根拠はどこにもありません。
ただ、薄毛になりやすい体質が子供に受け継がれる可能性は否定できませんが、むしろ薄毛は生まれつきの体質というより、その後の食生活やストレスなどの生活環境の方が大きく影響しています。
例えば、男性の薄毛に多いAGAの原因では、遺伝によるものが25%程度であるとされています。
男性の薄毛の主な原因とは?
ここでは、男性の薄毛の原因について具体的に見ていきたいと思います。
男性ホルモンの影響
男性の薄毛の原因として最も多いと言われているのがAGA、つまり男性型脱毛症です。
男性の薄毛は、男性ホルモンであるジヒドロテストステロンが、髪の成長を促す毛母細胞に影響を与え、ヘアサイクルが乱れることにより起こります。
この男性ホルモンが体内で作られやすい体質の男性は、AGAになる可能性が非常に高くなっています。
不規則な生活習慣や食生活
睡眠不足などが続いて生活習慣が乱れたり、外食が多いなど栄養の偏った食生活を送っていると、薄毛の原因となる場合があります。
健康的な髪を育てるためには、タンパク質やビタミン、ミネラルなど髪の成長に欠かせない栄養分をバランスよくしっかり取ることが大切です。
また、髪は夜眠っている間に成長すると言われているため、毎日質のよい睡眠を6時間以上取ることを心がけましょう。
ストレス
人間は強いストレスを受け続けると、髪が抜けたり薄毛になることがあります。
ストレスと薄毛の関係性についてははっきりと解明されていませんが、ストレスが自律神経の働きに悪影響を与え、新陳代謝がうまくいかなくなったり、頭皮の血流が悪くなることなどが原因の一つと考えられています。
女性の薄毛の主な原因は?
薄毛というと、どちらかというと男性の悩みというイメージが強いですが、女性の中にも薄毛に悩む方が多く存在しています。
そこでここでは、女性の薄毛の原因について詳しく見ていきたいと思います。
ホルモンバランスの乱れ
女性の薄毛の原因の一つとして、加齢によるホルモンバランスの乱れが挙げられますら、
女性ホルモンには髪を健康に保つ働きがあります。
ですから閉経後に女性ホルモンの分泌が低下すると、髪にハリやコシがなくなったり、抜け毛が増え薄毛になることがあります。
特に女性ホルモンのエストロゲンは重要であり、加齢によるエストロゲンの減少をを緩和するためには、女性ホルモンと似た働きをするイソフラボンが豊富に含まれている、豆腐や納豆などの大豆製品を積極的に摂取すると良いでしょう。
シャンプーの刺激
髪を清潔に保ちたいと思い洗浄力の強いシャンプーで1日に何度もシャンプーしたりすることは、かえって髪に負担をかけてしまいます。
こんな風にすると頭皮や髪を保護するために必要な皮脂まで洗い流されてしまうため、かえって薄毛が進行してしまう可能性があり注意が必要です。
パーマやヘアカラーのしすぎ
おしゃれのためにパーマやヘアカラーをしている女性も多いと思います。
パーマやヘアカラーをした際に頭皮がヒリヒリすることがあるのは、パーマ液やヘアカラー剤に強いアルカリ性や酸性の成分が含まれているからであると言われています。
ですからあまり頻繁にパーマやヘアカラーを繰り返すとしすぎると、髪や頭皮に負担がかかり、抜け毛が増える原因となります。
ストレス
女性は仕事だけではなく、子育てや出産、育児などで疲れが溜まり、時にはそれがストレスになることがあります。
慢性的にストレスを感じていると、血管が収縮してしまうため血行不良となり髪に必要な栄養素が行き渡りにくくなり、抜け毛が増え薄毛の原因となってしまいます。
男性と女性に共通する薄毛の対処法とは?
ここでは、男性と女性に共通している、薄毛に対する対処法について具体的に見ていきたいと思います。
バランスのよい食事を心がける
また、健康な髪を育て薄毛を防ぐためには、たんぱく質や、血行を促進するごまやアーモンドなどに含まれているビタミンE、また毛細血管を丈夫にするそばやピーマンなどに多く含まれるビタミンPを摂るなど、バランスのよい食事を心がけましょう。
正しい方法でシャンプーする
シャンプーは間違った方法で行うと、かえって抜け毛や薄毛を進行させてしまうことがあるため、注意が必要です。
薄毛が気になる方は、洗浄力が強すぎず、保湿効果がある頭皮ケア専用のシャンプーを使用するようにしましょう。
頭皮ケアタイプのシャンプーは、頭皮を健康的に保つためには大変効果的です。
ただし、皮脂などの気にするあまりゴシゴシと強く洗い過ぎてしまうと、薄毛を進行させてしまう場合もあるため、適量や使用方法をしっかり守ることが重要です。
また頭皮はゴシゴシと強く擦るのではなく、マッサージするような感覚で頭のツボを押しなから、優しく洗うように心がけてくださいね。
ストレスを溜めない
過度のストレスは髪だけではなく、心身にも悪影響を及ぼします。また特に女性の場合は、ストレスが女性ホルモンであるエストロゲンの分泌量を減少させてしまうため、できるだけストレスを溜めないようにしましょう。
質のよい睡眠を取る
睡眠の質が悪いと、自律神経が乱れホルモンバランスが崩れるため、血行が悪くなり髪の成長に必要な栄養素を運ぶことができなくなってしまいます。
また睡眠不足も髪にはよくないため、毎日最低6時間は睡眠を取るようにすることをおすすめします。
禁煙する
喫煙は体の末端神経を縮小させてしまうため、血液により運ばれる酸素や栄養素が体の隅々までが行き届かなくなります。
そのため髪の成長が抑制されたり、抜け毛や薄毛を引き起こす原因となってしまいます。
またたとえあなた自身が喫煙者ではなくても、職場の人間や家族の誰かが喫煙者である場合は、副流煙を吸い同じような影響を受ける可能性が高いためくれぐれも注意が必要です。
まとめ
薄毛は今や男女共通の悩みとなっており、早期に対策を講じることで改善する可能性も高くなります。
男女ともにホルモンバランスや栄養バランスを整えることが薄毛改善には欠かせませんし、ストレスや喫煙は頭皮への血流を滞らせ薄毛や抜け毛の原因ともなりますので、くれぐれも気をつけましょう。
健康的で楽しい毎日を過ごすためにも、規則正しい生活を心がけ、髪にも体にもよい生活を心がけましょう。