マスク着用が当たり前になってきた昨今。
メイクに手抜きできるから嬉しい!なんて声もチラホラ聞こえてきますが、その反面美容家からはお肌の衰えに警鐘を鳴らされています。
そして、お肌の衰えは頭皮の衰えに直結し、髪の成長にも問題が出てくるのです。
なぜマスクが頭皮の健康に影響するのか?詳しく解説しましょう。
マスクで顔が老化する?
まずは、マスクによって顔が老化するメカニズムをいくつかご紹介します。
目を酷使する状況が増える
テレワークによるパソコンの長時間使用や、自宅生活でスマホやゲーム機、テレビなどの視聴時間の増加などで、目はこれまで以上に酷使されています。
これらのLED機器から発せられるブルーライトは他の色に比べると紫外線に近く、目に与えるダメージが大きいのです。
さらに、画面を真剣に見ていると自然とまばたきの回数が減ります。
すると目の表面が乾燥してドライアイとなり、ますます目が疲れてしまうのです。
目の周りは、顔の中で最も皮膚が薄い部分です。
しかも、画面をじっと見ているために目周辺の筋肉は硬くなります。
そのため、皮膚にかかる負担が大きくなり、目尻のシワや目元のたるみにつながるのです。
目周辺の筋肉硬化で血流が悪くなる
目周辺のシワやたるみのもう一つの原因は、血行不良です。
一か所を長時間凝視すると筋肉が硬くなります。
すると筋肉の回りにある血管の伸縮性が悪くなり、血液の流れが悪くなってしまうのです。
肌細胞は血液に含まれる栄養素と酸素によって、新陳代謝を繰り返しています。
そのため、血流が悪くなると肌の新陳代謝が遅くなり、シワやたるみが起こりやすくなるのです。
口周りの緊張がなくなる
人間は、他人に見られていると思うと自然に口元が緊張するものです。
ところが、マスクを着用すると、街中でも口をだらしなく半開きにしていてもバレません。
また、マスクをしていると呼吸が少し苦しくなるので、ますます口を半開きにする時間が長くなります。
すると口の周りにある口輪筋やオトガイ筋、頬筋などが使われなくなるため、ほうれい線が深くなったり顎回りのラインが崩れてきたりするのです。
さらに、これらの筋肉はつながっていて、目の周りの眼輪筋やフェイスラインを作る大頬骨筋、翼突筋、咬筋などすべてに影響してきます。
その結果、顔全体がたるんできてしまうのです。
顔を動かさなくなる
不織布はもちろん、ニット地やウレタンなどでできたマスクも、皮膚ほど伸縮性はありません。
マスクをつけて話すと、どうしてもずれてしまいます。
すると無意識のうちに話さなくなったり、話す時に口をあまり動かさなくなったりしてしまいます。
その結果、顔の筋肉を使わなくなるため、シワやたるみの原因になるのです。
皮膚が乾燥しやすくなる
マスクには保湿性があるので、つけていると肌がうるおいます。
しかしこれが逆に肌の乾燥を招いてしまうのです。
肌のうるおいを決めるのは表皮の皮脂膜や天然保湿因子、細胞間脂質セラミドです。
これらは外気の状態に合わせて分泌量がコントロールされ、常に肌が一定の状態に保てるようになっています。
しかし、マスクをずっとつけていると肌が湿気でうるおうため、これらの成分を分泌する必要はないと勘違いされ、分泌量が減ってしまいます。
その結果、マスクを取った時に肌が乾燥しやすくなるのです。
さらに、乾燥を防ごうとクリームや油分をたっぷりつけると、やはり肌は自分から分泌する必要がないと判断してしまうため、乾燥がひどくなりやすくなります。
リンパ液が滞留してむくむ
顔には血管のほかリンパ管もたくさん走っています。
リンパ液には老廃物を排出させる役割があり、この流れを良くすることが小顔づくりには必須です。
しかし、元々リンパ液の流れは良くありません。
血液が心臓から出て全身を巡り、また心臓に戻ってくるまでの時間は約30秒~1分といわれており、その長さは10万キロもあります。
ところがリンパ液の場合、1分で動くのはたった20~25センチ程度といわれています。
そのため、マスク生活で表情を動かす機会が減ると、リンパ液が滞留してむくみやすくなってしまうのです。
マスクの長時間着用が薄毛の原因となる理由
いくらマスクが顔の老化を早める危険性があるからといって、頭皮や髪には関係ないんじゃないの?と思ったら、ぜひ以下を読んでくださいね。
頭皮と顔はつながっている
誰が見ても一目瞭然なのに案外忘れがちなのが、頭皮と顔はつながっているということです。
ヘッドスパ業界では「頭皮が1ミリたるむと顔は1センチたるむ」といわれています。
マスクの着用によって顔がたるむと頭皮が引っ張られて伸び、それがさらに顔のたるみの悪化へとつながってしまうのです。
そのため、マスクの着用で顔がたるんできた、と感じたら、頭皮もたるんでいると考えましょう。
顔を動かさないと頭皮の筋肉や膜が硬くなる
頭部には前頭筋、側頭筋、後頭筋があり、これらは顔を動かすことによって一緒に動きます。
前頭筋はおでこ付近にあり、眉や額の動きのために使われます。
側頭筋は咀嚼筋の一種で、顎を後ろに引く時に使う筋肉です。
また、後頭筋は眉を動かす時に使われるほか、前頭筋と後頭筋の間にある頭頂部の帽状腱膜(ぼうじょうけんまく)という膜を引っ張る働きがあります。
頭頂部には筋肉がなく、後頭筋と前頭筋の動きによって前後に動くのです。
前頭筋や側頭筋は顔の筋肉と繋がっているため、マスク着用によって顔の表情筋があまり使われないとこれらの筋肉も動かず、どんどん硬くなってしまいます。
すると筋肉のそばにある血管も伸縮性がなくなるため、血流が悪くなります。
その結果、頭皮の毛母細胞に栄養が届かなくなり、髪の成長が止まって抜けやすくなってしまうのです。
毛穴が広がったままになる危険も
髪の毛をしっかり支える毛穴には、柔軟性があります。
ブラッシングなどで多少引っ張られても抜けないよう、しなやかになっているのです。
しかし顔を動かさず頭皮が硬くなると、毛穴の柔軟性もなくなり、毛穴が開いたままで固まってしまいます。
すると雑菌やほこりが入り込みやすくなってしまう上に、髪の毛をしっかりホールドすることができなくなってしまいます。
その結果、うねりが出たり抜けたりしやすくなるのです。
マスクで薄毛や抜け毛を増やさないために
マスクによって顔がたるみやすくなることが知られるようになって、様々な媒体でフェイシャルマッサージの方法が紹介されるようになりました。
しかし、前述したように頭皮と顔はつながっているので、顔だけマッサージしてもあまり高い効果は期待できません。
それより、頭皮に適度な刺激を与えて抜け毛や細毛を防ぎ、かつ顔のたるみも撃退したほうが一石二鳥ですよね。
そこで、頭皮に刺激を与える簡単な方法をご紹介しましょう。
頭皮を指で軽く叩く
最も簡単に頭皮に刺激を与えるのが、全体を軽く叩くことです。
マッサージはやり方を間違えるとかえってたるみの原因になるので、まずは叩くことから始めましょう。
やり方は、下から上、横から斜め上に、5本の指で軽くトントン叩くだけ。力を入れず、指の腹でリズミカルに行ないましょう。
これを数分やるだけで、頭皮が温かくなってきます。
血液は温かいところへと流れるので、毎日何回でも、思い立った時に行なうようにしましょう。
頭皮をマッサージする
もう少し刺激を与えたい場合は、指の腹でマッサージしましょう。
まずは耳の上からこめかみにかけての付近に軽く指を5本置き、固定します。
その状態で指を円を描くように軽く回すのです。
これを耳の上から側頭部、首の上から頭頂部、おでこから頭頂部にかけて全体に行ないます。
この時も、力を無理に入れないよう注意しましょう。
頭皮の毛細血管は皮膚表面から数ミリのところにあるため、力を入れると血管が切れてしまう危険性があるのです。
頭皮マッサージを全体に行なうと、多分頭頂部はあまり頭皮が動かないと思います。
しかし、無理に動かす必要はありません。
目的は血管に刺激を与えて血行を良くすることなので、動かなくても問題ないのです。
このマッサージは、1回5分、1日3回程度行なうと良いでしょう。
まとめ
マスク着用によって薄毛や抜け毛が増えると聞くと、驚かれるかもしれません。
しかし、顔の大半が隠れることによって緊張感がなくなると、必ず顔とつながっている頭皮にも悪影響が出てきます。
頭部を叩いたりマッサージしたりするのはとても簡単ですから、必ず毎日行なって頭皮のコンディションを整え、さらに小顔効果も狙いましょう。