女性の薄毛

男性と女性の薄毛の違いとは?そのメカニズムと改善法

近年の日本では、薄毛に悩む人が急増しています。

また以前までは薄毛や抜け毛といった悩みを持つのは男性が圧倒的に多かったのですが、最近では女性でも薄毛に悩む方が増加しているのだとか。

では、なぜ私たちは薄毛になってしまうのでしょうか。

また薄毛の原因は男女で差があるものなのでしょうか。

本日は男女の薄毛のメカニズムや改善法に関してご紹介していきたいと思います。

男性の薄毛

まずは男性の薄毛について見ていきたいと思います。

男性の薄毛の多くが男性型脱毛と言われ、そういった悩みを持つ方は男性全体の7割前後だと言われています。

男性型脱毛はAGAと呼ばれており、両親などからの遺伝に起因しているとのこと。

この男性型脱毛は男性ホルモンの影響によって髪が成長するサイクルが極端に短くなり、本来であれが頭皮に残っているはずの髪が抜け落ちることによって薄毛が進行してしまうのです。

この男性ホルモンとはテストステロンを指し、筋肉を発達させたり皮脂の分泌を盛んにする作用をします。

男性特有の筋肉質でゴツゴツとした体つきになるのは、このテストステロンの影響なのですが、実が髪とも密接な関りを持っているのです。

というのも、この男性ホルモンは脱毛や抜け毛を促す働きをするのです。

そのメカニズムを追ってみていきましょう。

まず男性の体内から分泌された男性ホルモンは血液に混じって身体中に流れていきます。

すると男性ホルモンであるテストステロンは血液と共に頭皮へと運ばれ、頭皮中に存在する酵素と結合することによって、より強力な男性ホルモンへと変化します。

この強力な男性ホルモンは、毛乳頭に存在する男性ホルモンレセプターと結びつき脱毛因子を急増させるのです。

この脱毛因子は髪をつくり出す毛母細胞や毛乳頭などへ脱毛するよう指示を出すため、毛母細胞が新しい髪の製造を中止ることでヘアサイクルが乱れていき、抜け毛や薄毛といった症状を引き起こすと言われています。

また一般的にヘアサイクルは成長期・退行期・休止期の3つに分けられており、正常なホルモン値の人であれは成長期の髪の量は全体の約80%、休止期の髪の量は約20%程度とされています。

しかし男性ホルモンの影響を受け、ヘアサイクルの早くなった髪では成長期の髪の量が全体の約70%前後まで減少するため薄毛や抜け毛といったトラブルが発生してしまうのです。

さらにこの男性ホルモンによる影響は年齢を重ねるのに伴てって加速しています。

そのため40代以降の男性の約90%が髪の悩みを抱えているという統計結果が出ています。

女性の薄毛

男性の薄毛には遺伝や男性ホルモンが大きく関わっていることがお分かりいただけたと思います。

では、女性はどういった理由で薄毛になってしまうのでしょうか。

こちらでは女性の薄毛の原因となるいくつかの理由をご紹介していきたいと思います。

まず1つ目の理由としては、ホルモンバランスの乱れが挙げられます。

女性の体内に分泌されている女性ホルモンには「エストロゲン」と「プロゲステロン」の2種類があり、月経の周期などと共に一定の分泌量をバランスを取りながら保っています。

まずエストロゲンは私たちの美容に欠かすことの出来ないコラーゲンを生成し、髪のツヤやコシ・抜け毛に大きな影響を与えます。

また髪をつくり出す毛母細胞に刺激を与える作用があるため、髪の成長を促しヘアサイクルを整える働きをしてくれるホルモンでもあるのです。

またプロゲステロンは成長期に入った髪を保つ働きがあるため、このホルモンが不足することで抜け毛や薄毛といったトラブルが引き起こされてしまいます。

髪にとって重要な働きを担っている女性ホルモンですが、実は薄毛を引き起こす原因となる男性ホルモン・テストステロンの分泌を抑制する働きも持っていると言われています。

そのため出産や閉経などによって女性ホルモンのバランスが乱れると、テストステロンの分泌が盛んに行われるようになり抜け毛を発生させてしまうのです。

しかし女性ホルモンはちょっとしたきっかけで分泌量が減ってしまうため注意が必要になります。

というもの、ホルモンの分泌は脳の指令によって行われているため、ストレスや睡眠不足などによって脳が疲れた状態に陥ると女性ホルモンの分泌量は一気に減少してしまうのです。

またダイエットのし過ぎによる栄養不足や自律神経の乱れでも同じことが引き起こされ、女性ホルモンや成長ホルモンといった髪の健康に必要不可欠なホルモンの分泌量の低下を招いてしまいます。

このように女性の薄毛とホルモンには密接な関りがあるのです。

女性の薄毛の理由として考えられる2つ目の理由としては、間違ったヘアケアが挙げられます。

良かれと思って毎日続けていた習慣も、頭皮や髪にとってはダメージになっていた可能性があるのです。

具体的は、洗浄力の高すぎるシャンプーの使用などが考えられます。

頭皮をキレイにしようと洗浄力の高いシャンプーを使って髪を洗うことによって頭皮の皮脂や水分量のバランスが乱れ、乾燥した状態になってしまします。

その乾燥から頭皮を守ろうと頑張って皮脂を分泌させるのですが、この際に分泌された過剰な皮脂が頭皮毛穴に詰まって炎症を引き起こし、頭皮のダメージへと繋がるのです。

また、洗髪後にドライヤーを使用せず自然乾燥するのも頭皮にダメージを与えてしまうと言われています。

というのも、濡れた状態の髪を放置することによって頭皮には雑菌が繁殖し、皮ふの炎症を引き起こしてしまうのです。

こういった過ったケアを続けることで知らず知らずのうちに頭皮ダメージは蓄積され、薄毛を招く原因にもなっているのです。

私たち女性が薄毛を改善するために

では、私たち女性が薄毛になってしまった際に改善法ってあるのでしょうか。

こちらでは薄毛の予防や改善法に関してご紹介していきたいと思います。

まず1つ目は、睡眠を見直すことです。

髪に大きな影響を与える女性ホルモンや成長ホルモンは、脳が指令を出すことで分泌されています。

そのため、日々の生活の中で脳をしっかりと休ませてあげることが重要なのです。

睡眠は脳の休息に一番重要だと言われており、美と健康のことを考えると約6時間から7時間程の睡眠時間を確保する必要があるといわれています。

また睡眠の質をあげることも大切ですから、ベッドに入る1時間前からはテレビやスマホ・パソコンなどの使用を控え、脳の覚醒を抑制しましょう。

2つ目は、食事の改善です。

女性ホルモンを分泌している器官である卵巣にしっかりと栄養を届けることで、ホルモンの分泌が促され、抜け毛の原因となる男性ホルモンの抑制を期待することができるため食生活も重要になってくるのです。

女性は鉄分が不足しがちなため、ほうれん草や小松菜といった葉物野菜と取り入れたり、お肉や魚・豆腐といった良質なタンパク質を含んでいる食材を積極的に取り入れるようにしましょう。

また豆腐などに代表される大豆製品は、女性ホルモンに似た働きをしてくれる大豆イソフラボンが豊富に含まれており、なおかつ低カロリーなためダイエット中の女性にも嬉しい食材ですから、意識して摂取することをオススメします。

3つ目は、シャンプーの見直しです。

多くの女性が使用している市販のシャンプーは洗浄力が大変強く、頭皮の乾燥などのトラブルを引き起こす場合があります。

そのため、洗浄力がマイルドなアミノ酸系シャンプーやオーガニックシャンプーを検討してみるのも一つの方法だと思います。

アミノ酸シャンプーやオーガニックシャンプーは、乾燥肌でお肌が敏感という方でも低刺激に洗いあげることが出来るため、薄毛予防としても大変有効です。

またシャンプー後はドライヤーを使用して頭皮をしっかりと乾かし、雑菌の繁殖を防ぎましょう。

男性と女性では、薄毛の原因が異なることがお分かりいただけたと思います。

女性の薄毛には成長ホルモンや女性ホルモンが大きく関わっていますから、日頃からホルモンの分泌を促す習慣を身につけ薄毛対策を行いましょう。