髪の毛も人間の身体の一部で、成長していきます。
身体の中で作られていきますが、ほかの部分と同様に寿命もあるのが髪の毛です。
成長と寿命の家庭があるため、抜け毛が目立つから薄毛になるという単純な図式ではありません。
女性の薄毛にも影響するヘアサイクル
髪の毛は、毎日50本から100本も抜けています。
これを知ると、センセーショナルな気持ちになるでしょう。
かなり大量に抜けていると感じるのも無理はありませんが、全体のうちでどれぐらいの値なのかを考えてみなければいけません。
人間の毛髪は、約10万本程度あると言われています。
個人差もありますし、年齢によっても違いますが、びっくりするほど多くの髪の毛が映えているのです。
これを分母として考えると、最大100本抜けたとしても、1/1000が抜けたという計算にしかなりません。
1000本につき1本抜けただけなら、たいした量ではないと感じるはずです。
ここからが問題です。
1000本のうち1本が抜けたとしても、このままでは1000日後である約3年もたてば、髪の毛はなくなってしまうでしょう。
でも、実際にそういった人はいません。
その理由が、ヘアサイクルにあります。
ヘアサイクルとは、髪の毛が成長して抜けるまでのサイクルです。
人間のヘアサイクルは、だいたい2年から6年の周期を持っています。
つまり、髪の毛ができあがり、抜け落ちて寿命を迎えるまで、一定の時間がかかるのです。
髪の毛の全体量と抜ける本数から、最大でもだいたい3年間はなくなりません。
それどころか早ければ2年周期で映えてくるのですから、帳尻があっているのがわかります。
つまり、100本程度抜けたところで、なんの問題もないのです。
ただし、ヘアサイクルには個人差があります。
女性の場合には、抜け替わるまでの周期が4年から6年程度になる人が多くみられるのです。
これは、女性ホルモンが影響していると考えられています。
エストロゲンと呼ばれるホルモンですが、男性より女性のほうが多く分泌されるのが、髪の寿命を延ばしているのです。
男性より薄毛になりにくい理由のひとつといえるでしょう。
正常なヘアサイクル
ヘアサイクルは、3つの時期に分類できます。
「成長期」「退行期」「休止期」の3つです。
「成長期」は、その名前の通り、髪の毛の成長時期です。
古い髪の毛が抜けたとしても、成長期があるからこそ、髪の毛はなくなりません。
髪の毛は頭皮にある毛母細胞の中で作られますが、この時期に最も活発な活動を見せます。
髪の毛はどんどん伸びていきますし、太く成長するのが「成長期」です。
髪の毛全体の9割近くが成長期で、2年から6年も続きます。
「退行期」になると、活発だった毛母細胞の動きが止まります。
細胞分裂しなくなるため、髪の毛は伸びません。
毛根もどんどんと小さくなり、成長が止まり、休止期に入っていきます。
髪の毛全体の1割程度が退行期であり、約2週間続きます。
「休止期」は、身体の一部として、髪の毛の成長が止まる時期です。
止まるだけではなく、抜け落ちるのが「退行期」の特徴で、新しい紙に押し出されるように抜けます。
全体の10%程度が休止期にあり、3か月から4か月続く期間です。
全体から見ると、普段抜けるのは、わずかなものなのがわかるでしょう。
この時期に新たな髪の毛を作り出すための力を蓄え、「成長期」に戻ります。
サイクルが正常であれば、髪の毛が少々抜けたとしても、量はしっかりと保てる仕組みです。
正常であれば、このサイクルを15回から30回も繰り返していくと考えられています。
髪の毛は抜けたとしてもなくなったりしませんが、バランスが崩れると話が変わってくるでしょう。
例えば、休止期が長くなってしまうと、抜ける量が増えていきます。
その間に生えてくる量が下がるため、薄毛になる原因になるのです。
成長期に力がなかったりすれば、十分な成長ができない可能性も出てきます。
細く力のない髪の毛が作られ、薄毛に見えるかもしれません。
ヘアサイクルに影響する原因は?
ヘアサイクルが乱れてしまう原因は、いくつか考えられます。
女性に関する問題としても、重要な部分です。
頭皮にも栄養がいきわたらなければ、髪の毛は作られません。
ヘアサイクルに影響してくるのが、血行不良です。
女性の中で冷え性に悩まされる方も多いでしょう。
人間の血液は、体温維持に欠かせません。
筋肉などで作られた熱を運んでいきますが、末端まで必要な量が流れていかないと、冷え性につながります。
これと同じ状態が頭皮でも起きるのです。
頭皮でも必要な栄養が足りず、ヘアサイクルにも影響が出てきます。
血行の問題は、ストレスでも出てくるところが見逃せません。
人間の身体はストレスを感じると、血管が細くなり、血流が悪くなります。
頭皮でもストレスで血液がいきわたりにくくなるため、薄毛と関連していると考えられるのです。
ホルモンバランスの変換も、ヘアサイクルに影響します。
加齢に伴うバランスの崩れが、薄毛につながると指摘されるようになりました。
髪の毛を作り出すとしても、成長ホルモンが作用しますし、女性ホルモンによっても差が出てきます。
ホルモンの影響という部分では、睡眠不足や生活習慣、過度なダイエットまでさまざまです。
成長ホルモンは、良質な睡眠が大切な要素で、22時から2時までがゴールデンタイムとも呼ばれます。
この時間を外すと分泌が悪くなるので注意が必要です。
ほかにもホルモンバランスを崩してしまう要素はいろいろとあります。
乱れたヘアサイクルを戻すために
ヘアサイクルを正常に戻すためには、原因の追究が欠かせません。
過度なダイエットなどは、自分で気を付けておけば、対処できる範囲です。
栄養のバランスなども崩さないようにしながら対応していけば、髪の毛に影響を与えずに済みます。
髪の毛も身体のひとつというのを忘れてはいけません。
睡眠不足や生活習慣に関しても、普段から気を付けておけば、対応できるでしょう。
仕事が忙しくなり、どうしても乱れてしまう場合もあるかもしれません。
それでも、休みの日にゆっくりと疲労を回復させ、習慣を正すといった方法を繰り返すだけでも違いが出ます。
血行も、改善できる方法がいろいろあります。
ストレス発散を兼ねて、軽い運動をしてみるのは、王道的な方法です。
きつい運動を繰り返さなくても問題なく、ゆっくりと20分程度で汗をかくぐらいでも、十分ストレス発散につながります。
逆にきつい運動は、身体に負担をかけるためストレスになる場合も出てきます。
お風呂に入るというのも、ストレス発散や血行改善につながる方法です。
身体を温めながら、頭皮のマッサージがも血行に変化を与えます。
固くなった頭皮を傷つけないように、指の腹でゆっくりと5分マッサージしてあげると、血行改善につながるのです。
繰り返していると、柔らかく変化していくのを感じられます。
その分だけ血管が広がる余裕が生まれるので、ヘアサイクルの改善につながる方法です。
冷え性対策として身体を温めるのも、ヘアサイクルを乱さないためには欠かせません。
まとめ
ヘアサイクルは、さまざまなところから影響を受けます。
薄毛になってしまってから、問題を解決しようと思うと、かなり大変です。
原因の追求も難しいうえに、今日やったから、明日解決できるわけではありません。
ヘアサイクルは長い時間の周期を持っているので、影響を正すためにも時間がかかります。
普段から影響が出ないように気をつけていかなければいけないのです。
いくつになってもきれいな状態を維持したいという方は、ヘアサイクルにかかわる問題を日常的に注意しておくといいでしょう。