人間の腸は第二の脳と呼ばれるようになってきました。
脳が二つあると思うのはおかしいと思うかもしれませんが、それだけ重要な臓器が集まっていると言い換えることができるでしょう。
この腸の状態が、女性の薄毛の問題を解決するためのカギを握っているかもしれないのです。
第二の脳と呼ばれるようになった腸
人間の体にも様々な臓器があり、それぞれ機能を持っています。
他には変えることのできない機能もたくさんあり、生きていくために重要な意味を持っているのは、誰にでも分かるところでしょう。
その多くの多くの機能はどのようなものか解明されてきましたが、人間の体の中でまだまだ分からない部分があるのが脳や腸の存在です。
脳には多くの秘密が隠れており、いまだ全て解明されたわけではありません。
3割も分かっていないと言われることがある脳ですが、腸も様々な能力を秘めており、どのような機能を持っているのか解明が進んでいるのです。
特に第二の脳と呼ばれるようになってきており、その存在の重要性がクローズアップされるようになってきました。
脳腸相関と呼ばれるようになりましたが、この二つは緻密な連動を見せていることが分かってきています。
お腹の調子が悪いと、なかなか眠れなかったり、落ち着かなかったりすることが出てくるはずです。
誰でも経験のあることですが、お腹が痛いから眠れないのか、眠れないからお腹の調子が悪いのか、これを判断するのは難しい問題と言えます。
どちらにも原因があるように見えますし、連動しているようにも映るでしょう。
これが脳腸相関と呼ばれる現象です。
例えばストレスがかかりお腹の調子が悪くなる人がいます。
このような状態の場合、腸から脳へ信号が送られていることが分かったのです。
腸の中で異常が生じているという信号が送られ、脳がその信号を受け取ります。
これには神経の構造が関わりますが、臨床応用もされており内容的にも証明されてきたのです。
さらに、腸の中にある菌が神経伝達物質を生産していくことも確認されています。
腸の活動が悪化してしまうと、神経の伝達組織がうまく働かなくなり、子供などでは行動異常に繋がったりすることも研究の対象となりました。
それほど重要な臓器であることがわかってきたのです。
腸の中に住んでいる細菌
人間の腸の環境が整えられると、神経伝達物質の生産がうまくいくようになり、精神状態も安定すると考えられるようになりました。
研究が進むきっかけとなった事例の一つとして、赤ちゃんが激しく泣き出すのも像が関係していると考えられるようになったのです。
それほどまで重要な臓器で、安定した状態を作ってあげなければいけません。
特に腸の中に住んでいる菌の状態が重要で、特定の種類などに偏ってしまうのではなく、バランスよく存在するようにするのが大切です。
腸内の菌も様々なものが住んでいます。
全てがいいものではなく、悪玉菌と呼ばれるような悪さをする存在もいるのです。
実は大きく分けて3種類に分類することができます。
悪玉菌だけではなく、善玉菌、日和見菌(ひよりみきん)と呼ばれる菌たちです。
ほとんどは日和見菌と呼ばれる菌たちで、状況に応じて善玉菌にも悪玉菌にも加担します。
善玉菌の代表的なものは乳酸菌です。
ビタミンを作ってくれたり免疫を刺激してくれたりしてくれる健康には欠かせない菌と言っていいでしょう。
悪玉菌の代表格はブドウ菌です。
他にも大腸菌の中でも有毒株と呼ばれている物が悪玉菌になります。
腸の中で腐敗を進めていくだけではなく、発がん性物質を作り出したりする存在です。
日和見菌は大腸菌の中でも無毒株や連鎖球菌、バクテロイデスなどが知られていますが非常に多くの種類が存在しています。
これらの菌のバランスが取れていることが大切で、腸内環境を整えるためには、善玉菌に力がかかるようにしていくのが大切です。
活性酸素と腸内細菌
腸内環境は神経伝達物質に重要な役割を持っているとしても、このままでは薄毛との関連性があまりありません。
しかし、悪玉菌の働きは、頭皮に様々な影響を与えているのです。
だからこそ、腸内環境を整えなければ、薄毛になる可能性を高めてしまいます。
この原因となるのが活性酸素の存在です。
体を錆びさせることで知られている活性酸素は、体が老化する重要な原因となることが分かっています。
本来は体に入ってきた外敵を駆除するために存在している活性酸素ですが、過剰に増えてしまうと細胞を攻撃する存在となるのです。
これが逃避でも起きるため、細胞が正常な働きができず、老化してしまいます。
腸内細菌の中には水素を大量に作り出してくれる存在があります。
水素と酸素が結びつくと、水になるのは小学生で習う内容でしょう。
活性酸素も同様で、水素を発生させることによって無害化させることができます。
抗酸化作用のひとつですが、これが薄毛を救う大事なポイントになるのです。
その中でも注目されてきているのは日和見菌のひとつで、バクテロイデス門の細菌が役に立ってくれると考えられるようになりました。
食物繊維がある時に善玉菌側に偏る特性を持っており、水素を大量に作り出すてくれるのです。
他にもヨーグルトなどの乳酸菌を保つ食品も、腸内細菌を活性化してくれる役割を持っています。
胃腸に負担をかけないようにバランスよく摂取していくことで、アンチエイジングを含めた薄毛の対策に繋がると言えるでしょう。
注意点があるとすれば、不溶性食物繊維は、あまり摂りすぎると貧血の原因となります。
ただでさえ吸収の悪い鉄分を一緒に排出してしまうため、水溶性食物繊維と共にバランスよくとることが大切です。
様々な影響を及ぼす腸内環境
腸内環境が影響するのは、髪だけではありません。
肌の状態なども頭皮と同じように腸内環境の影響を受けます。
アトピー性皮膚炎や免疫力といったところも、腸内環境と連動していると考えられるようになりました。
健康な生活を送るためには非常に重要な意味を持っており、神経伝達物質とともに、第二の脳として注目されるようになったのです。
免疫力に大きな影響を与えるため、アレルギーに対する抵抗力も腸が担っていると考えられてきました。
花粉症で悩んでいる人も、腸内環境を正すことにより、症状が改善する人が出てきます。
他にも大腸がんの予防にも役立ちますし、高血圧に対する抑制効果も見られるようになってきました。
このように健康な状態を保つことが、薄毛対策にもつながります。
様々な栄養摂取しても、腸内環境が悪ければ吸収も悪くなり、頭皮にも巡って来ません。
病気にかかるようになれば、薄毛に発展する可能性も出てきます。
髪も体の一部であり、正常な状態でなければつくり出していくことができません。
老廃物を体に溜めることなく排出するためにも、腸内環境は重要な役割を持ってきます。
どれをとっても、薄毛対策としてマイナスになるものは存在しません。
健康な身体をつくるために、腸内環境を改善し、将来の薄毛に備えるというのは、現代的な考え方にもなるでしょう。
まとめ
腸内環境の研究は、年々進められてきました。
現在でも分かっていないことが多く、新たな菌の役割が発見されることも珍しくありません。
ですが、健康な状態を保つためには、腸の状態が重要であるのはわかってきています。
薄毛にならないようにするためにも、大腸がんなどの大きな病気の予防も含め、第二の脳としての役割を持っている腸内環境を考え直してみると良いでしょう。