髪は頭皮の中で作られていく、身体の一部分です。
作り出されたら、その細胞は死んでしまいますが、あとからどんどんと押し出されていくため伸びていきます。
その成長を支えているのが、日々摂取している食べ物からの栄養です。
薄毛に悩むのであれば、まずは食生活の改善から目指さなければいけません。
髪を構成するたんぱく質
髪を作り出すときに必要な栄養素は、多岐に渡ります。
根本的にはバランスのよい摂取が大切です。
その中でも、たんぱく質は欠かせません。
身体を構成するメインともいえる成分で、なければ身体の成長を保てないからです。
たんぱく質は、食べ物として摂取すると、いったん分解されます。
内臓や血液に供給され、もう一度再構成されてたんぱく質として使われていくのです。
必要なところに配分していき、生命活動に関係ない部分は後回しにされる栄養素でもあり、髪は後者に当たります。
つまり、しっかりと摂取しなければ、髪には回ってこないのです。
体重1kgに対して1gのたんぱく質が必要といわれており、不足すれば髪の毛は細く弱々しいものになるでしょう。
頭皮も健康を保つのにたんぱく質が必要です。
海藻は髪にぴったり
髪にはワカメを食べるのが一番というのは、日本では古くからいわれてきたことです。
海藻が大切なのは、なにも民間伝承のレベルではありません。
ミネラルが豊富に含まれているため、髪だけではなく、人間の身体に欠かせないからです。
ミネラルと一口にいっても、たくさんの栄養素が存在します。
その中でも髪に必要なのは、ヨウ素と亜鉛です。
ヨウ素は新陳代謝に欠かせない栄養素で、成長するためになくてはなりません。
甲状腺ホルモンの合成に必要な栄養素でもあり、血管を若返らせられます。
栄養を運んでいくために大切で、毛母細胞も活性化させるため、薄毛対策に必須ともいえるでしょう。
亜鉛は体内に摂取し分解されたたんぱく質を、再合成するときに必要な栄養素です。
サプリなどでも注目される栄養素ですが、髪の大半はたんぱく質でできていることを考えれば、注目する意味も見えてきます。
もうひとつ、AGAに関係する5αリダクターゼを抑制するのも亜鉛です。
男性型脱毛症であるAGAの原因物質を抑え込めるので、薄毛に必須と考えられています。
女性でも女性男性型脱毛症FAGAを発症する人もいる以上、摂取するデメリットはありません。
補助してくれるビタミン類
髪の毛にも普段の生活にも欠かせないのがビタミン類です。
非常に多くの種類がありますが、どれも毎日の生活の中で使います。
ところが、どれも溜めておけません。
毎日バランスよく摂取が必要なうえ、種類によっては過剰摂取するとデメリットを引き起こすものまであります。
ビタミンAは、油溶性ビタミンのひとつであり、過剰摂取には十分注意が必要な種類です。
頭皮を乾燥から守ってくれるビタミンで、ふきでものなどの抑制にも使われます。
通常過剰摂取になることはまず考えられませんが、サプリを服用していると過剰摂取になる場合があるので注意が必要です。
ビタミンB群は、名前の通り多くの種類から構成されています。
その中でも特にB2とB16が髪には欠かせません。
B2は皮脂の過剰分泌を抑えながら、細胞分裂を助けてくれます。
B6はたんぱく質を加味に変えていくために使われるビタミンで、成長の過程で必要です。
非常に重要な役割を持つビタミンB群は、積極的に摂取したほうが良いでしょう。
水溶性なので、過剰摂取にも心配がいりません。
ビタミンCは、薄毛予防にも欠かせない栄養素です。
コラーゲンは、髪にも大切な栄養素ですが、ビタミンCを使って生成していきます。
血管を丈夫にするためにもビタミンCが使われるため、髪を作るための栄養を送る大事な輸送網を作り上げてくれるからです。
ビタミンEも注目されてきたのは、血管を拡張する力があるからです。
血管が広がれば、それだけ栄養の伝達もスムーズになります。
抗酸化作用にもビタミンEは役立つため、薄毛予防に重要です。
健康で丈夫な髪を生み出す元を助けるという意味でも、ビタミンEも欠かせません。
ほかにも大切な栄養素
赤ワインなどに含まれることで有名になったのがポリフェノールです。
抗酸化作用があり、アンチエイジングでも注目されるようになりましたが、髪が受ける紫外線のダメージから守る役割もします。
ストレスがかかりやすい人にも欠かせない栄養素です。
イソフラボンは、女性ホルモンに似ている作用を持ちます。
男性ホルモンを優位にするのは、薄毛に近づく大きな問題です。
薄毛の状態を改善したいなら大事な栄養素になります。
特に更年期を迎えた後には積極的に摂取していきたい効果を持つ栄養素です。
高麗ニンジンに含まれるサポニンは、血流の改善に役立ちます。
冷え性の改善にも使われるほど、全身に血液を送り出すために大切なことがわかりました。
頭皮も身体の末端にあたるため、サポニンを摂取して血液を送っていくことに大きな意味があります。
唐辛子に含まれ、ダイエットにも注目されてきたのがカプサイシンです。
知覚神経を刺激する栄養素で、イソフラボンとともに摂取すると、毛母細胞を活性化してくれます。
腸内環境に影響する乳酸菌は、髪にも影響ある栄養素です。
健康な体を作るために必要で、身体全体の老化防止に役立ちます。
腸内環境が整えられていると、それだけ栄養の摂取効率が上がるので、結果として薄毛対策にも必要な栄養素といえるでしょう。
薄毛対策になる食べ物
薄毛対策に大事な栄養素から、どんなものを食べていったらいいのかを考えてみましょう。
たんぱく質が薄毛の改善にも必要なのは明白ですが、良質であることが求められます。
肉はたんぱく質の塊ですが、脂質も多いので注意しなければいけません。
脂質を摂りすぎると、皮脂が増えてしまうため、薄毛にはマイナスです。
亜鉛やビタミンAも多く含まれている豚レバーなどは積極的に食べていきたいところです。
たんぱく質の吸収も早いので、定期的に食べておくと薄毛対策になります。
亜鉛を中心に摂取していきたいときは、牡蠣がぴったりです。
貝類の中でもとても豊富に含まれており、ビタミンB群もたくさん含まれているので、薄毛を気にしているときには助けてくれます。
牡蠣のままでも美味しいですが、レモンをかければビタミンCも取れるので、食べ方も考えるといいでしょう。
日本人の朝食として欠かせない納豆は、イソフラボンが豊富です。
血液もサラサラにしてくれるため、血行の改善に役立ちます。
一緒に豆腐の味噌汁などを取れば、さらにイソフラボンを摂取できるので、定期的に食べておきたいメニューです。
やはり朝食にもぴったりなたまごも、薄毛には大事な食品です。
白身に含まれているたんぱく質は良質ですし、ビタミン類も亜鉛も摂取できます。
緑黄色野菜やナッツ類も薄毛には必要な栄養素がつまっています。
ほかにもフルーツなども必要ですし、海藻類を摂取してミネラル分も補給するべきです。
なにかに偏るのではなく、さまざまな食品が薄毛から助けてくれます。
まとめ
薄毛対策になる食べ物を見てみると、日本人の日常食のバランスが見えてきます。
大豆食品を取り、海藻類を多くとれる日本食は、髪にとってマイナスな面が少ない食事です。
油の多い肉よりも魚を中心としながら、栄養バランスのいい食べ物を摂取することが薄毛対策になるのですから、普段の生活も見なおしてみるべきでしょう。