薄毛対策としてさまざまな頭皮ケアが考えられてきましたが、何よりも大切なのは、健全な状態を保つことにあります。
保湿ケアもそのうちのひとつですか、馬油を使った方法も使われてきました。
民間療法といえばそれまでですが、多くの人が使ってきたこと意味を見出してみなければいけません。
古くから使われてきた馬油
馬油とは、バーユやマーユと呼ばれている動物性の油のことです。
馬の皮下脂肪を原材料として使っており、これまでさまざまな形で利用されてきました。
この馬油は、人間の皮脂とよく似た性質を持っています。
これが大事なポイントで、人間の体にもよく浸透してくれることから、保湿に使われてきたのです。
皮膚の健康維持に大切なのは、内部の水分を逃がさないというのはよく知られているでしょう。
お風呂上りやメイクを落とした後に化粧水をつけ、揮発してしまう前に乳液で塞ぐというのは基本中の基本です。
乳液として使われているものは油分であり、皮膚の表面で蓋をする形で揮発を防ぎます。
馬油も同じような使い方がされてきました。
成分としてはオレイン酸を始め、リノール酸リノレン酸、パルミチン酸などが豊富であり、古くから民間の治療薬として使われてきたのです。
民家の治療薬という点では、医療用としては認められていません。
しかし、中国では騎馬民族の時代から珍重されてきており、利用方法を記した書籍も色々と見つかっています。
日本へは九州を中心に広がってきたと言われていますが、馬肉の食文化とも関係があるでしょう。
馬油は、普段は固形ですが、融点が非常に低いという特徴を持っています。
30°から43°で溶け出してしまうため、肌につけてもすぐに馴染んでくれるのです。
外気温でも液化してしまうほどで、冷蔵庫の中などに保存する必要も出てきます。
直接頭皮につけるというだけではなく、シャンプーなどに添加されたものなども販売されるようになりました。
年齢を問わず使える点も馬油の特徴であり、天然成分だからこそ愛用している人も多いでしょう。
化学成分を使わずに作れるため、小さなお子さんにも利用されてきたのです。
強い刺激を感じることもなく、肌をサポートしてくれます。
保湿力をキープするのに役立ちますし、頭皮だけではなくてや足などにも使えるところもメリットです。
天然の保湿成分
馬油が頭皮ケアに使われてきたのは、保湿という部分が大きなポイントになるでしょう。
昔から切り傷につけて治療薬代わりに使われてきましたし、肌荒れやあかぎれ対策にも利用されてきました。
以前は傷には乾燥させるという方法が用いられていましたが、現在では保湿を進めて自然治癒力を高める方法も知られています。
馬油を使うことで、保湿力を高めてあげるというのは、理にかなった方法と言ってもいいでしょう。
もちろん薬とは違うため、全ての役に立つというわけではありませんが、天然成分として安心して利用できるのは大きな違いです。
天然成分であり肌馴染みが良いのは、頭皮環境の改善に役立つポイントです。
注目しなければいけないのは、強力な洗浄効果があれば頭皮環境が改善されるわけではないところになります。
頭皮には乾燥から守るために皮脂が分泌されていますが、少しでもベタついて感じると全てすっきり落としたいと思うはずです。
ベタついていることが問題になる場合もありますが、皮脂は頭皮の水分を蒸発させるのを防ぐ役割を持っています。
皮脂がなければ、すぐに水分が失われ乾燥した状態になるのです。
頭皮としてはこの状態を守らなければいけません。
強力な洗浄効果を持つシャンプーを使ってすっきりするのは簡単ですが、必要以上に皮脂を洗い流してしまう可能性が出てきます。
頭皮とすれば、とてもピンチな状態です。
そこで、洗い流され落とされてしまった皮脂をカバーしなければいけません。
カバーする方法はいたって単純です。
さらに分泌してあげれば済むでしょう。
ここでさらに髪がべたついてきた、皮脂が落としきれていなかったのではないかと考えてしまいます。
そうなると、さらに洗浄力の強いシャンプーや回数を増やしたりして対処するはずです。
頭皮にとってさらなる問題が降って湧いてくるため、さらに皮脂を分泌して対応しようとします。
これが悪循環のスタートであり、過剰分泌を促してしまう結果となるのです。
馬油を使った場合には、天然素材として刺激が少なく、肌馴染みが良くなります。
シャンプーとして強力な洗浄効果を持たせなくても、頭皮環境を守ってくれるのです。
過剰な効果を与えたりしないため、馬油を配合することが意味を持つのが見えてくるでしょう。
肌と近い飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の配合比
馬油には不飽和脂肪酸が多く含まれています。
不飽和脂肪酸の特徴として、べたつきが少なくさらっとしている状態が挙げられます。
油と言うと何でもベタベタの状態が想像をされますが、成分によってはそんなことはありません。
人間の肌と近い馬油ですが、飽和脂肪酸と不飽和脂肪酸の構成比率がとても近いのです。
4対6の配合比率となりますが、この状態だからこそ、ベタついたりもせずなじんでくれます。
トリートメントは、頭皮のためというよりは髪のために利用されています。
馬油を配合したトリートメントの場合には、頭皮環境も守ってくれるというのは大きな違いとなるでしょう。
髪を作るのは頭皮であり、頭皮の環境が優れていなければ健康な髪はできあがりません。
健康な髪が作れなければどんどんと薄毛になる可能性があるため、頭皮を保湿できるトリートメントは薄毛対策に役立ってくれるのです。
馬油の選び方
馬油を含んだ商品もいろいろと出回ってはいますが、注意して選ぶ必要があります。
どのぐらいの成分が含まれているのか、シャンプーなどの場合には、洗浄力の問題はどうなのかも知った上で購入するべきでしょう。
チェックするポイントとして、シャンプーの場合にはラウリル、ラウレス硫酸系成分が挙げられます。
強力な洗浄力のシャンプーには必ずと言っていいほど含まれている成分で、刺激も強いのが特徴です。
スッキリさせたい時には役立ってはくれますが、頭皮環境にとってはマイナスになるでしょう。
このような成分が含まれていると、馬油を配合していても役立ってくれません。
基本として馬油100%と書かれているものを選ぶことになりますが、他の成分にも注目しながら選んでみるべきです。
刺激性のあるものはできるだけ避け、天然成分を中心としたものにしましょう。
頭皮に炎症が起きている時にも沈めてくれますし、もともと持っている抗酸化作用も役立ちます。
本来は獣臭がする特徴を持っており、使いにくいと考えている人も多いはずです。
現在では臭いを取り除いたものが利用されており、香料を含まないものも出てきました。
頭皮につける上では、あまり匂いがしないものの方が使いやすくなります。
香りがついていても、アロマなどのハーブの香り程度のものがいいでしょう。
これはシャンプーだけではなく、馬油単体として売られているものも同じです。
まとめ
天然成分である馬油は、古くから利用されてきたことは間違いありません。
医薬品としては認められていなくても、体にとって役立つ部分があったからこそ、民間療法として使われ続けてきたのです。
実際に使ってみると、肌馴染みの良さを感じることができます。
頭皮の保湿ケアという面でも、不安が少なく使いやすい天然成分ですので、一度お試してみると良いでしょう。