今回は漢方を使った育毛についてご紹介します。
今までは最先端の毛髪医療や育毛剤に焦点を当てた薄毛改善方法が多かったのですが、東洋医学をベースにした育毛という視点からご紹介していきます。
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漢方薬とは?
漢方薬とは生薬と呼び様々な植物や動物、鉱物などから取られた治療に効果的なもののことを言います。
例えば生姜を例に挙げると、生姜を食べたり生姜湯を飲んだりすると体が温まるといわれています。
そう言った使い方をするのが漢方薬なのです。
その歴史は何千年もの長い期間受け継げられその中でも治療効果の高いものが今でも医薬品として用いられています。
ですから現代の漢方薬は科学的知見からも効果が立証されているものなのです。
ここで一つ注意がありますが、漢方と漢方薬とでは意味が違ってきます。
漢方医学と漢方薬学は違うものです。
漢方医学とは針治療やお灸を使った医療技術のことで、漢方薬学とは漢方薬を使った薬学のことです。
漢方薬は単体で使うものやそれらを組み合わせることでその症状に効果的になるものがあります。
単体成分よりも組み合わせによっては個人に合わせた処方、そして無限の可能性があるのが漢方薬です。
また化学物質を使うよりも十代な副作用の危険性が低いため医師の9割が漢方薬を使っているともいわれています。
それでは早速漢方の考えによる薄毛の原因から治療までを見ていきましょう。
漢方薬から見た薄毛の原因
体の不調などはその背景と体質や心身おバランスが大きく関係しているというのが東洋医学の考え方です。
特にその背景にある血液、腎の低下、体温の過剰のことを重視します。それをひとつずつ見ていくと
血虚(けっきょ)
血虚は血の巡りのことを言います。
つまり血流のことです。
東洋医学では髪の毛は血のあまりと考えられており血虚タイプの人は血液がもともと少なく髪の毛ができるほど余る血が少ないと考えられています。
そのためその人の髪はパサついたり、細くなっていたり、ハリコシのない髪の毛だとされています。
このタイプの薄毛の人には血液を補う漢方薬が使用されて血液を増やすとともに血管を良くして血流を促すような漢方薬が使われます。
腎虚(じんきょ)
腎は成長や生殖につながりホルモンや自律神経、免疫力、造血に関わっているのが腎と考えられています。
腎機能が低下しているとホルモンバランスが崩れ、新陳代謝も悪くなり皮膚老化が進みます。
その過程で白髪や抜け毛が増えてしまうことが考えられています。
湿熱(しつねつ)
湿熱とは体の中に熱や水分が体の中で滞り頭皮の皮脂の過剰分泌や皮膚疾患を起こしてしまうこととされています。
このタイプの人は食生活が主な原因とされていたり、また運動習慣がないなど糖尿タイプの人に多い症状です。
女性の薄毛の原因と漢方を組み合わせてセルフチェック
加齢による抜け毛
女性の薄毛は女性ホルモンの減少によって起きるものがほとんどです。
漢方で見た時きに考えられるのは腎虚の部分でしょう。
女性ホルモンの分泌が減ることで自律神経の乱れ、更年期障害、血行停滞など薄毛の原因となるものが満載です。
遺伝による抜け毛
遺伝によるものは父方の遺伝子が影響します。
漢方での考えではこちらも腎虚が当てはまるでしょう。
腎虚は生殖機能などのつながりや免疫力にも影響しています。これらは遺伝子が強く影響します。
ストレスによる抜け毛
ストレスも腎虚が原因となっている可能性が高いです。
ストレスによって自律神経がみだれ女性ホルモンの分泌低下や血行不良、成長ホルモンなど各種ホルモンの分泌低下の恐れがあります。
冷え性
女性に多い冷え性ですが、女性の基礎体温は男性よりも低く、また女性特有の生理のせいで女性の中には貧血の方も多くいます。
貧血気味の体では健康的な髪の毛ができません。
漢方ではこれを血虚の欄に入れることができます。
血液を増やし、さらに血流を良くするための漢方薬が使われます。
脂漏生脱毛症などの皮膚疾患による脱毛
脂漏生脱毛症とは頭皮に過剰に皮脂が分泌し不清潔な頭皮に雑菌が入り込み皮膚疾患を起こしたのち痒みや痛みを伴いながら脱毛する症状のことを言います。
脂漏生脱毛症など皮脂が影響する脱毛は男性の多いのですが、女性の中でもエクステンションや編み込みのせいで数日間シャンプーができなかったり、他の人から接触感染したり、1日のシャンプー回数が多いことでこのような皮膚疾患を伴うことがあります。
漢方でいうところの湿熱に当てはまります。
漢方薬を使った治療
漢方薬で薄毛に使われる主な生薬は次のようなものが使われます。
女性の薄毛によく使われる漢方薬
八味地黄丸(はつみじおうがん)
加齢による抜け毛、薄毛の療法によく使われます。
桂枝加竜骨牡蠣湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)
ストレスによる自律神経を整える作用があり、円形脱毛症なども防ぐことができます。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
血虚による貧血や女性ホルモンの分泌低下などに効果的で主に女性向けの生薬です。
西洋薬と漢方薬の違い
ここで少し西洋薬と漢方薬との違いを説明します。
西洋学のほとんどは人工的に化学合成されたものがほとんどです。
そのメリットは効果が使う患者の症状や体質とマッチングすればとてつもなく高い効果がありますが、特に体質などが合わない時は強い副作用の可能性があります。
それに対して漢方薬は生薬を使用しておりさらに2種類以上の組み合わせが可能です。
そのためその人の体質などに合わせて処方することが可能です。
そのかわり生薬なので効果がでるまで一定期間必要になります。
漢方薬とハーブ
漢方薬は植物以外にも動物の爪や角、臓器などを使っているものがありますが、ハーブはほぼ植物だけを使ったものを言います。
ハーブは日本では医薬品として認められていないものが多いのですが、その中でもセントジョーンワートやエキナセアなどは少数ながら医薬品として認められているものもあります。
漢方薬とサプリ
漢方薬は様々な生薬の組み合わせによって処方されるものですが、サプリメントは日常で足りない栄養素を補給するための補助食品です。
そのため漢方薬とサプリメントは根本的に違います。
漢方薬はどのようにして使うの?
漢方薬の主な使い方は煎じて飲んだり、丸剤としてそのまま飲んだり、時には湿布がわりに貼ったりすることもあります。
育毛として使うのなら飲むタイプの漢方薬の使い方になるでしょう
漢方薬による副作用
安全性の高い漢方薬ですが、西洋医学薬よりも優しいとしても全く副作用がないわけではありません。
例えば「しょうさいことう」という漢方薬を飲んだことで発熱、咳、呼吸困難の症状が現れ間質性肺炎を発症し最悪死に至るケースがあります。
また「しょうさいことう」だけでなく「さいれいとう」「さいこけいしとう」など複数の漢方薬の種類からもこうしたケースが報告されています。
また偽アルドステロン症といって生薬の甘草は浮種、体重増加、血圧の上昇、低カリウム血症などの副作用が起きるとの報告がります。
しかしこれらは使う人の体質などにも作用されます。
まとめ
漢方薬は西洋薬よりも副作用の心配が低くなります。また漢方自体人間本来の自然に近い形で治療を施すため、育毛で化学物質を体内に取り入れたり、副作用が心配という方は漢方薬による育毛をお勧めします。