「育毛剤をちゃんと使っているのになかなか効果が出ない…」
「育毛アイテムを使いたいけど成分がありすぎて何を使ったらいいのか分からない…」
髪の毛や頭皮の悩みは、女性にとって切実な問題です。
育毛系アイテムを使おうと思っても、近年は様々な成分が多く開発されてきており、どんなものを使ったらいいのか分かりづらいですよね。
この記事では、元カツラメーカー勤務&現役美容師の私が、近年多く開発されている育毛成分のなかでも特に新しい発想によって開発された「リデンシル」について、解説していきます。
Contents
リデンシルとは
リデンシルとは、スイスの化粧品メーカーによって開発された育毛成分です。
現在、多くの育毛アイテムに使われている「ミノキシジル」の2倍の育毛効果をもつとされ、2014年にドイツのハンブルグで開催された「in-cosmetics(インコスメティックス)」という世界最大規模の化粧品の展示会で銀賞を受賞しました。
2019年にはモンドセレクションでの受賞も果たし、数多くある育毛成分のなかでも近年、最も注目されている育毛成分の一つです。
リデンシルの効果
リデンシルの主な効果、目的は以下の通りです。
乱れたヘアサイクルを整える
休止期の期間を狭め、脱毛本数を減らす
髪の毛にはヘアサイクル(毛周期)と呼ばれる期間があります。
新しく髪の毛が生まれた時期を成長期と呼び、成長を止めて寿命を全うした毛は脱毛していきます。
このサイクルを女性は通常、4~6年かけて髪の毛の一本一本に行われていますが、加齢やストレスなどの影響によりこの期間が短くなってしまいます。
これが「ヘアサイクルの乱れによる薄毛」です。
リデンシルは、この乱れたヘアサイクルを正常に整えてくれる効果と、休止期の期間を狭めることで脱毛する髪の毛の本数を減らしてくれる効果があります。
リデンシルの特徴
上記したリデンシルの効果は、育毛成分の効果として考えれば特に珍しいものではなく、一般的な効果、目的です。
リデンシルの特徴は、この効果へのアプローチの方法が他の育毛成分とは違うことにあります。
ひとつずつ説明していきましょう。
乱れたヘアサイクルを整える
多くの育毛成分は、ヘアサイクルの正常化を促すために、血行促進を目的としています。
血行不良によって頭皮の血液の循環が悪くなると、正常のヘアサイクルを保つことができなくなり、結果、薄毛に繋がることになります。
そのため、ほとんどの育毛成分は、この血行不良を解消してヘアサイクルを正常化させる、という発想のもとに開発されています。
それに対してリデンシルは、頭皮のなかにある「バルジ領域」と呼ばれる組織に着目しました。
バルジ領域とは、「髪の毛を作り出す毛母細胞に発毛を命令する組織」です。
発毛を命令する組織を刺激、活性化させることで、その先の毛母細胞は多くの髪の毛を作り出そうとします。
また、生まれた髪の毛をすばやく成長期へ移行させる効果もあり、効果を実感しやすいというのも特徴の一つと言えます。
この方法は以前から研究が進められていましたが、なかなかバルジ領域自体にアプローチすることは困難とされてきました。
「DHQG」というリデンシルに含まれる分子を開発することで、初めてその方法が確立された新しい発想の育毛成分です。
休止期の期間を狭め、脱毛本数を減らす
もう一つのリデンシルの特徴は、「IL-8」というタンパク質を抑制し、脱毛を抑えることです。
もともとこのタンパク質は、免疫機能のために必要な物質です。
ですが、過剰に分泌されることによって髪の毛を休止期に進行させやすくする作用があります。
リデンシルには「EGCG2」という分子が配合されており、その作用によって「IL-8」の放出を抑えてくれるため、脱毛本数を減らすことができます。
他にもリデンシルの効果には、
頭皮の炎症を抑える
栄養を与えて髪の毛を成長させやすくする
などがあり、使用することで頭皮環境の改善が期待できます。
女性にも使える
リデンシルは、女性にも問題なく使えます。
販売されているリデンシル配合の育毛剤には男性向けのものが多いですが、女性向けのものもちゃんと販売されています。
薄毛の原因がヘアサイクルの乱れなのであれば、男性、女性の区別はありません。
妊娠中や授乳中は使える?
女性ならではの髪の毛の悩みが増える時期である妊娠中や授乳中。
使用自体に抵抗がある時期ですよね。
そんな時期でも、リデンシルは問題なく使用できます。
ただ、使用はできても、その妊娠中、授乳中の髪の毛のトラブルは女性ホルモンの乱れによって起きている可能性が高いです。
妊娠、出産をした後は、しばらく女性ホルモンの乱れにより脱毛などの現象は起きやすいもの。
どうしても気になるようであれば、念のため、かかりつけ医と相談した後に使用した方がいいでしょう。
サプリメントタイプはある?
現在、リデンシル配合のサプリメントはありません。
一般的な育毛剤として頭皮に塗布するタイプの外用薬のみ、販売されています。
効果が出ない場合は
リデンシルに限らず、育毛アイテムをしっかりと使用しているのにも関わらず、効果が出ない、ということがあります。
この場合は、以下のことが考えられます。
使用方法が間違っている
既に発毛機能を失っている
順に説明していきます。
使用方法が間違っている
リデンシルが配合されている代表的な育毛アイテムは育毛剤です。
育毛剤の正しい使い方は
一日2回の朝、夜の使用
頭皮全体に10~20プッシュ塗布
全体的に優しくマッサージ
毎日欠かさず使用
効果が出るまでに3か月~半年
となります。
育毛アイテムのなかでも育毛剤は特に「継続する」という育毛において一番大事な部分が達成しづらいアイテムです。
正しい使用方法を守るようにした上で、「継続」して初めて、効果が実感できるものだということを理解するようにしましょう。
既に発毛機能を失っている
リデンシルに限らず育毛成分というものは、「自己の発毛力を高める」ことを目的としています。
髪の毛の元となる毛母細胞は、一度死滅してしまうと、再び甦ることはありません。
死滅した頭皮は、手や顔の皮膚と同じような状態になります。
いわゆる「ツルツル」の状態になってしまった頭皮は、どんな育毛成分を使用したとしても、今の科学では発毛させることはできません。
こうなるまでには段階があり、徐々に髪の毛が薄くなった後、最終的に「ツルツル」の状態になります。
遅くても髪の毛が細くなったり、頭皮が見えてきたりしている段階で危機感をもち、育毛ケアを行うようにしましょう。
副作用はある?
リデンシルには副作用の報告がほとんどありません。
と言うのも、リデンシルの元となる成分が本来、化粧品にも使用されているほどお肌に優しい成分であったり、天然由来成分であったりするからです。
その内容としては、
セイヨウアカマツ球果エキス
チャ葉エキス
グリシン
ピロ亜硫酸Na
塩化亜鉛
などです。
とは言え、頭皮に塗布する一般的な育毛剤の使い方をすることにはなるので、個々のアレルギー反応などが起こる可能性はもちろんあります。
使用後にかゆみが出るようなことがあって心配であれば、専門医などに相談してみるといいでしょう。
まとめ
リデンシルは、近年新しく開発されている育毛成分のなかでも、特に新しい発想と技術のもとに開発された成分です。
上記した「効果が出ない場合は」のなかでも書いたように、使用方法が間違っていたり、既に手遅れであったりということがなければ、期待できるものとなるでしょう。
薄毛で悩んでいる方は、是非、一度試してみていただければと思います。